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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第3章【戦火に舞う薔薇】
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【敵の仕掛けを見破れその2】

「ほう、ここにたどり着くとは大したものだ」


 ゆっくりとこちらに顔をみせてきたのは、丸いめがねをかけた中年くらいの男性だった。


 白衣を見に纏い眼鏡をかけた男性、年齢は見た感じ中年だろうか。そこそこ歳を重ねているような風貌だ。


モニターの数は1、2、3……、6面あるどこにカメラが設置されていたのかはわからないが、映し出されていたモニターの映像から大体どの位置に設置している場所の検討はついた。


 画面上の下には無数のボタンが多々ある、恐らくあのボタンで空間を操作していたのだろう。


「あなたは?」


「彼は、茂上文人(もがみあやと)ね、新東京都の研究者の1人よ」


「ですがなぜそのような人がこんなことを……?」


 疑問が重なりそうな礼名に美咲は理由を述べる。


「彼は表の素顔は研究者だけど、裏の顔は表の顔とは対となる性格よ。ここ最近こいつの出方を見ていたけど、反ロシアと繋がっていたわ。詳しくは知らないけど何か取引をしたのは確かだと思うわ」


 人の表の素顔そして裏の素顔、彼はこれらを2つうまい具合に扱っていたということになる。何を取引したのかはわからないが、それほど相手が欲しがっていたものを提供されたのか。


「あなたが仕掛け人?」


「そうだよ、感が鋭いな東城蒼衣」


「あの仕掛けはあなたね、紛らわしく下らないものをよく作ったものだわ、そこだけは感心してあげる……でもその行為に美しさの微塵も感じないのはなぜかしら?」


 ここで何かに気付く。大抵美咲の言うこの『美しい』とは単なる美しさと言った意味合いだけではないだろうと思う。


 何かを探っては問い詰め、気になることに関しては疑問を隠さず相手自身に問い詰める。そんな名推理思考な彼女だが悪い頭の使い方ではないと私は思う。


 美咲がいうことに関しては、少しの歪みさえ感じない。寧ろ不安を確信に変えるような行動力が、彼女の最大の武器でもある。


 直訳すれば「汚い手ね」、「悪ふざけにも程がある」などの意味が妥当と言える。


 顔を見ても表情は尖りめで、これは敵を敵視している眼光だと伺えた。


「ふん、手なら何手でも作るさ、君達に仕向けたあれは単なる時間稼ぎさ、理由は大体わかるんじゃないのか?」


 言いたいことだけ言って、好き勝手に喋っているところ見ていたら腹が立ってきた。私は歯軋りし、怒りを爆発させ斬りかかろうとする。


「このッ! ふざけ……。美咲?」


「待って蒼衣……、ここは私に任せて」


 闇雲に攻撃を仕掛けようとした私を美咲は拒む。


「相手はあんなにからかってきているのよ! 美咲が行くなら私も一緒に戦うわ」


 もはや冷静さを失い、眼前の敵を倒すべく共闘しようと提案するが。


「いいからここは私に任せて、それに仮を貸しっぱなしじゃあダメだしね」


「…………美咲」


 美咲のその言葉を聞いて怒りが鎮まった。


 「なら、任せたわ美咲」


 礼名が聞いて来る。


「いいんですか蒼衣さん、1人で任せても」


「大丈夫だよ、美咲は強いから」


 私はそっと礼名の肩に手を乗せた。


「分かりました、信じてみます美咲さんを」


 すると美咲は前に立って体勢をとり始めた。


「グレイス・ローズ!」


 美咲の手の平に燐光が集まり、主力武器となるグレイス・ローズが現出した。しかし私は感じた今までの美咲とは違う、『決定的な何か』を。


 薄々と私は強力なXエナジーを感じ取っていた。それもとてつもない量だ。


「ほう君か、私の犠牲になるのは。君の能力は知っているよ」


「へえそう、でもあなたが知っている範囲って10割中5……いえ2割ほどしか理解できていないと思っているけど。」


「なにぃ?」


 恐らく知っている範囲は以前の美咲の実力だろう、しかしあれは少しの力しか発揮できなかったため、由美から貰ったあの力のことを知っているはずもないだろう。


 本気の美咲の力も見てみたかったし、これはお手並み拝見である。


「さて、本当の犠牲者はどっちかしらね……無論結果は言うまでもないけど」


 どうやら自身は満々のようだ。


 刃の部分を相手に向けると、攻撃体勢にかかった。


「戦火に散りゆく花びらとなりなさい!」





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