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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第3章【戦火に舞う薔薇】
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【秘策】

先程行った基地らしき場所に足を運ぶ。


そこへ着くと綾さんと礼名が敵の様子を伺いながら茂みの中に隠れながら出方を見ていた。


「おまたせ礼名、綾さん」


「美咲さん、そして蒼衣さんお疲れ様です。大丈夫でしたか?」


声をかけると礼名は振り返った。


大丈夫なほど万全な状況ではなかったが。


「問題はなかったというか、でもなんとか切り抜けた感じかな」


「蒼衣さんのことですから、心配なんてこれっぽっちもしてませんけど」


「なっ……」


 相変わらず一つ一つの言葉が煽っているようなそうでないようにも見て取れる。本格的に一緒に任務をやるようになってからというものの、未だに私は多少彼女の足を引っ張っているようにも感じた。


 それでも今ではそういうの慣れたって感じだけど。


 と礼名は長い見知らぬ長い銃を構えて片目をバーチャルスコープに近づけていた。恐らくこれはマダラースコープの機能を使っているのだろう。


 マダラースコープには色々な任務中において使用する際役に立つ機能はいくらでもある。銃の機能もこれに入っている。礼名が今使っているのは、擬似的に作ったバーチャルスコープである。持っている銃型のXウェポンとリンクさせると同時に、そのモニターから銃視点でその方向の映像が映し出されるのだ。


 倍率に上限はなく、ほぼ拡大率は無限に近い。


 多くの殺人者はこれをライフル系のXウェポンにリンクさせ使用する。


 そして今礼名はその長めのXウェポンを構え、向こうの様子を真剣に見ている。


「敵の動きに現状…………変化なし……か」


 バーチャルスコープから一旦目を離す、余程長時間、見張っていたことだろう。


「礼名これはなに? 今まで見たことないけど」


「あぁ……。このXウェポンですか、シュナイダーですよ。ライフルタイプに変化させたんですよ」


「そんなことできるんだ」


 すると美咲が私に丁寧に解説してくれた。


「蒼衣、そういうのは"マルチウェポン"っていうのよ。1つの武器で様々な武器に変化できるXウェポンの事ね」


「なんか凄い。私も欲しいな」


「個人差にもよるけど習得期間は人によって異なるそうよ。」


 思わぬ事実に漠然とした、一瞬で習得できないのが最大の欠点だ。でも仮に習得できれば戦いの幅が広がりそうだ。私のストライクは剣や刀型のXウェポンでマルチウェポンは未だに未習得。あれば使いたいものだ。


「それで礼名ちゃんその、銃どれくらい威力、スピードあるの?それによって戦い方も変えるかもだけど」


 懸念かなにかだろうか、予め聞いておけばその武器の性質を理解できるからだろう。弾が少なく殺されてしまったという事例はよく聞く。だから前もって聞いておけば危険は回避できる。


 美咲はお膳立てが上手い。リスクを常に警戒しながら作戦を整える、それは殺人者としてとても重要なことである。


「このシュナイダーライフルは時速5000キロぐらいは普通に飛びます、弾は30弾くらい装填してあります」


 マッハ4.7つまりマッハ5までは軽々と出せることになる。あまりの驚愕的な数字に目が丸くなった。


「リロードに1時間かかるのが欠点ですが」


 でも相手と対等戦うには十分すぎる強さだ。


 そして礼名のマダラースコープから、敵を感知した。


「敵っ!?……っ!!」


 早々に照準を捉え出てきた敵殺人者をシュナイダーライフルで射殺する。が相手を殺したものの大きな銃声は響かない。


「対策用に静音の弾を仕込みました」


「礼名凄いね、そこまで対策してるなんて」


「そ……そんなこと……ないですよ、当たり前……ですから」


 恥ずかしそうにそっぽ向きながら喋る、この礼名とても可愛いな。


「と、とにかくこれからどうするか作戦を練ましょう、綾さんはどうしたいですか」


「私は慎重に前に出て敵の基地に乗り込むのが確実ですかね、こんなところにいつまでいても拉致があきませんし。」


「私はそれで構わないよ」


「同感とりあえず前出て、様子を伺うのもありよね」


 意見は一致していた。このまま待っているだけではただ無駄に時間が経つだけだ。あちらから動かないのならこちらから動く、ひょっとしたら罠かも知れないがそれでも私はこれから攻撃を仕掛けることにした。


「では、全員総一致ということでしかけましょう……。私が基地前の地面に弾を撃ち込みます、煙が出た瞬間を装いそのまま駆け抜けてください」


「礼名はどうするの?」


「私は後で追いかけるので心配いりませんよ」


 相変わらずの自信、リーダーっぽい素振りをみせチームを上手くまとめている。少しかっこつける年下の子だけど、それでも私にとってあなたは本当に頼りにできる人だよ。


「礼名」


「なんですか? 蒼衣さん」


 私は笑みを浮かべながら礼名に言う。


「ありがとうね礼名、あなたはやっぱり頼りがいのある仲間だよ」


「蒼衣さんだから照れますって」


 礼名も多少の笑いを見せた。


 そう一緒に戦う仲間はただ戦うだけが仲間じゃない、時には不運行きを和ませる事だって大事だ。


「ふふ、ありがとうございます蒼衣さん、お陰で恐怖が(ほぐ)れた様に感じます」


「みんな準備はいい? これから辛い戦いになるかも知れないけど」


 一斉に頷いた。どうやら決心は固いらしい。


「では行きますよ…………」










3……













2……














1……













 礼名の撃った弾が煙りを引き起こすと同時に私達は、敵が待ち構える戦地へかけた。

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