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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第3章【戦火に舞う薔薇】
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【蒼剣は煌めく】

「なにそんな険しい顔してるの?」


 私は彼女の強さ、気圧に圧倒されていた。華崎美咲、彼女の強さは並の殺人者レベルの物ではないと察しがついた。


 慎重に行動しないと命取りになりそうなイメージが、自分の頭の中で彼女を見ながら想像してしまったからだ。


 でも未だに手の内もあまり分からずXウェポンも出してこない、"ツタ"それを次はどのような攻撃に使用してくる?


上、下、左、右……それとも前後のどちらか。いずれにせよ相手の出方しだいだ。


「さてとまずは戦いやすいよう地形を変えましょうか」


「一体何を」


 華崎美咲は地面に手のひらを勢いよくおいた。


「!?」


「茨道!!」


 まわりに極細な茨が放射線状に辺り一面生い茂らせガーデニングのような空間を作り出した。


 廊下中茨だらけとなってしまったせいでうかつに動くこともできないだろう。


 茨一本一本の棘がは鋭く尖っている。殺傷力もありそうだ。


 これは下手したら重傷じゃすまないかもね。


 ならまずは茨を切り裂いてそのまま攻撃をしかけよう。


 生い茂った廊下の茨を切って道を切り開こうと試みた。


「ああ、そうそう遅いけど教えてあげる。その茨は切ろうが燃やそうが再生するのよ」


「なっ」


 切りはしたが彼女のいうとおり茨の切った箇所は再生してしまう。


「残念だったわね、切り裂いて一気に攻撃を仕掛けるつもりだっただろうけど。無駄な攻撃だったわね」


 足が震え出す、ならどうすればいい。すると考えている間に華崎美咲は平然にこちらへと近づいてきて距離を縮めてきた。


 足下みても痛そうに歩いてもいなかった。どうしてだ、なぜ彼女は平気にそうやって歩ける?


「あなたこの茨を怖がっているのね。怪我するのに恐怖して。とんだ臆病さんね、自慢なのはそのあなたのスピードだけかしら」


 馬鹿にされてたまるか、こっちは手はいくらでもある。


 さっきから体中から感じている物がある、じわりとXエナジーを吸収されテイル感じが。恐らくこの茨だろう、だがここが踏ん張り時だ、こうなったらXエナジーが尽きる前に相手を倒す。


「たあああああ!!」


 怪我する恐怖を忘れ敵に切り裂きに突っ込んだ。


「これならどうかしら」


 華崎美咲が手を翳すと太めのツタが地中から生えてきた。


 羽交い締めにして絞め殺す気か、そうはさせない……。私は破竹の勢いでその障害物となるツタを一瞬で切り裂いた。


「この前戦った時より少しは強くなっているのね」


 相手の武器は遠距離型の武器とみた、従って近距離……つまり私の斬撃が圧倒的有利、いける!


 華崎美咲いくらあなたでも私のスピードには追いつけない、相手が悪かったわね。


「痛みを堪えて私に攻撃を図ったか」


 距離を近づけ間の時間を空けることなく切り裂いた。


 グサっ。


 手応えは……。


 うっ!? ぐはっ。自分の口から血が出た、それも勢いよく。腹部に激痛、どうして……視角は完璧だったはずなのに。


「不意を突かせて瞬時に攻撃…… どう?いい感触でしょ?」


 自分の腹部をよく見た……そしたら。


「!?」


 巨大な大剣が私の腹部に切り込みを入れていた。そんな剣も使えるなんて反則じゃない。


 これが華崎美咲のXウェポン。


「私が遠距離型のXウェポンだと思ってた? なら残念だったわね私のメイン武器はこっちだから」


 痛い、武器を押し出そうとしても堅すぎて押せもしない。


「無駄よ。そんな力じゃまともに抜けもしないわ……ふん!」


「ぐはっ」


 腹部を斬り刻まれ私は血を垂らしながらそのまま倒れ込んでしまった。


 まだ死なない程度の切り口、傷はそんなに深くない。けれどもこれは致命傷的だ。無闇に体を動かそうとすれば出血死なりかねない。


 すると彼女は私の前髪を掴んでそのまま体を持ち上げる。


「うっ!」


 力強くものが引きちぎれそうな引力だった。


「勝負はついたわね このままこの剣を」


 もう一度腹部に突き刺して殺す気だ、さすがにこの一発食らったら死ぬ。


 彼女はその剣で私に攻撃を仕掛ける、……一か八かだ。


「これでおわりよ」


 死ぬもんか死ぬもんか……。私が死んだら組織のみんなが悲しむ、礼名、恵美、政希さん…………。


 その一瞬微笑む三人の笑顔が目に浮かんだ。私の方を振り返って頷く三人の姿が。


 私は政希さんのお陰で人生をもう一度やり直そうという決心がついた。あのままどこにも手を差しのばしていなかったら私はただ人を殺すだけの殺人人形みたいになってしまっていただろう。


 それを救ってくれたのが彼、その後に礼名達が加わってやっと賑やかな組織になってきたのに。


 私はまだ諦めていない、いやそもそも私の頭の中に諦めるの言葉なんてないのだから。


 一瞬だけでもいい、この体動け。


 キンっ。


 ストライクで私はその攻撃を受け止めた、案外奇跡って信じていれば起こるものなのね。


「悪あがきもいいところね。おとなしく楽になった方がよかったのに」


「私は諦めない、体が動く限り何回でも立ち上がる」


 そうだ、政希さんなら決して諦めない、1%の可能性は1%の奇跡に変わる力になるそういう確信が持てるから私は立ち上がれる。


 見てなさい見返してやるわ。この一発を……。本当は伝家の宝刀で取っておくはずだったんだけど時が時ね。


 けど両手で持っていないから威力は半分になってしまうけど。でも敵から切り離すには十分な距離だわ。


「なに考えているか知らないけどこのまま力強く押し切って……」


 今だ。


 私はストライクに莫大なXエナジーを送らせ集中させる、同時に藍色に武器が光り出し、徐々に燃え上がる火のように光の動きが激しくなっていきついに武器を覆い尽くすほどの大きさに変貌した。


「? なんだこの光は」


「ストライク・ブレイク!」


 ドドドドドドドドドドドドドドドド……。


 私のかけ声と同時に巨大な光が勢いよく放出された。その威力は地面を切り裂くほどの亀裂をつくり、あたりの物を一瞬で一掃した。


「な……なんなの……この技」


 私の向こうにはボロボロになった華崎美咲の姿がそこにあった。


 


 





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