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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第3章【戦火に舞う薔薇】
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【ブレイネッターの罠その2】

 緊張感高まる勝負が始まった。相手はブレイネッターと呼ばれるXウェポンの使い手だ。


 能力は勝負を通してわかりきってはきたが、それでも理解したのはほんの2割か3割程度だ、戦えば戦うほどに相手のプレッシャーに押されていく。


浅葱原さんの持っているカード枚数は私と比べると倍近くの枚数だ。負けは確定だがここは相手の能力を確かめるのもありだ。


 だがブレイネッターの本体は半透明で薄い紫の色をしている、すり抜けそうな薄さだ。


 なら考えられる可能性は相手の扱う武器は憑依型のタイプか?


 前に戦ったこともあるがこれは別の物に自分の持つXエナジーを分け与え動かすことができるという少し厄介な武器だ。


 人にもよるんだが、相手のXエナジーを感じる限りものすごい威圧を感じる。


 ここは敵でなくてよかったと幸運に思うべきだが、これはもはや一方的に"格の差"というものを叩きつけられているようだ。


 正直私が絶対相手にしたくないXウェポンなんだが、敵じゃないとはいえなんでこうも私はついていないだろうか。


「どうしたんですか蒼衣さん? 手が止まってますよ」


 くっ……。 恐怖のせいか手の震えが止まらない、私は目の前の相手に恐怖心というものを抱いてしまっている。


 情けない話だが、それほど相手の浅葱原麻緖の操るXウェポンを強力ということだ。


 もしも目が見えていたのならもっと強敵となっていたに違いないだろう。


 まだ今の能力以外にも別の能力持ってそうだが。


 今私が見抜いた彼女の能力それは……。


 1つ、操る能力を持っている、さっき憑依型のXウェポンは自分のXエナジーを分け与えて動かすことができると言ったがそれは基本的に"物"である、つまり生者には無意味である。けれどもさっきのあの自分に起きた現象を疑えばこれは共有能力ではなく、個体の能力だと思う。


 さっきこの部屋に入った時握手されたな………………。それに何か意味があったとしたらどうだろう、触る? 接触、触れ……。


 そうかそういうことか。全くこの先輩はなんて卑怯な手を使うんだ、まあこれは単なる"試し"なのかもしれないけど。


 私は確信し、「ふっ」と鼻で笑った。


「おや、その様子だと絡繰(からくり)理解したようですね私の能力を」


「まあ全部把握したわけではありませんが、でもよくこんなもの仕掛けてくれましたね」


「ほんの挨拶代わりですよ それであなたがどう考えどう出るか試した次第です でもまさか私の能力に気づけるとは優秀な人ですね」


 浅葱原さんはそれでも表情を崩さず私と向き合う。


「それでどうするんですかこの絶対的な危機を そうですね賭けならのってあげてもいいですよ」


 賭けか、正直運という物にいつも見放されてる私だが、やむを得ないうまく話が通るかわからないが言ってみる。


 自信とか覚悟とか端っからないけど。


「なら遠慮なしに言わせてもらいます 私があなたのXウェポンの能力見破ったらそのカード全部渡してもらえないですか」


 正直あれはイカサマ同様だ、だから私が一問解くたびにそのペナルティー代のカード払ってもらうという作戦だ。


 ここで逃げるような人にはみえないが。


「面白い いいですよその賭け……。ならこうしましょう……私が持っているカード全てとれたらあなたの勝ちで 残りのカードの枚数は関係ないですよ」


「それだともうまるでクイズゲームですね」


「ただし 一問だけです」


「なっ」


 通じたと思ったら一問だけだと言い出してきた。どういうつもりだろう? それはつまり勝っても負けても一発勝負じゃないか。


「西部劇のガンマン勝負と一緒ですよ 二回目以降なんてするわけないでしょう それでいいのならのってあげてもいいですよ 決めるのはあなた次第です」


 多少戸惑いもあるだけど。


「いいですよその勝負受けてあげます」























 もし私の読みが正しければ。

























「浅葱原さん 私がこの部屋に入った時からもう既に私はあなたの罠にはまっていたんですよね?」


「なぜ?」


「入った時落ち葉が床に何枚かあった そう何枚もだ、最初は単なるゴミかと思ったでも本当のところそれは違う」


「あら、私はてっきり握手した瞬間を話してくると思っていましたが甘かったですね」


 最初はそのように思っていたあの握手で操るようにしたんだと、でもそれ以前に床にあった不自然な落ち葉が全ての罠だった。


「なら聞きます だとしたらどんな能力だと思いで?」


 浅葱原さんが逆に問いかけてきた。問い詰めるように多少眉を顰めながら真剣な眼差しで見ているかのように想像できた。


 目は見えなくとも眉とか見ればある程度の表情は分かるはずだ。口も動いているのだからとても分かりやすい。


「自分が触ったもの、つまりそれを相手が触れたら操れるようになるんですよね? 握手は単なる礼儀それで私を操ったのでしょう?」


 読みが正しいのならこれが正解だろう、最初に入った時不振に思った。どうしてあんなところに葉が不自然に落ちているのだろうと。


 単なる掃除の忘れかと、でも違ったんだそれは。


 ウインドウ側を見渡しても木の一本も生えていないし、かといって風に吹かれてやってくる葉もこの位置だとやってくるはずがないんだ。


 それが"答え"に繋がる唯一のヒントだったんだ。


 握手は引っかけ見え見えな行動になぜ気づかなかったのだろう。


 さて後は浅葱原さんだ。肝心なのはそれが合っているかどうかなんだ。さあどうだ。


「それは……………………」


 私の心臓は鼓動音を立てながら息を呑んで返答を待った。



 

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