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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第3章【戦火に舞う薔薇】
58/139

【試し】

遅れましたが皆さんあけましておめでとうございます

今年も頑張って書く所存ですので今年もよろしくお願いします。

あたりは物静かだった。しかも時間は既に夕方で夕暮れの光が、美術室のガラス窓から射し込んでいた。


何時間あの世界に留まっていたのかはわからないが時間がそれを証明している。


時間も感覚も全て漫画の世界に飲み込まれかけていたということだろうか。


「やるわねでも この世界に戻ってきたのがあなたにとって後悔よ」


「そうやってまたなにかまた縛りをつけようというあなたの魂胆か まあ悪くない選択だとは思うけど」


虚ろな目で相手を見る。先程は私をあんなにコケにしたのだ。それ相応の代償は払わないとね。


「でも悪いわね さっき出る時にさっき見せてくれた紙切り裂いてあげたわよ…… 足下みれば?」


「………………なっ!?」


「何も考え無しに出るわけないでしょ」


すると彼女は持っているスケッチブックを開きまた描こうとする。


グサッ


隙をついて描こうとしたスケッチブックをバラバラに斬り裂いた。


同時に効力が消え現出した人形も崩れ去った。


そして私は彼女との距離をやっとのことで追い詰め、ストライクの刃を相手へと向けた。


「観念しなさいよ もう手詰まり(すべ)はないんでしょ?」


「み…… 見事ね」


私は最後のとどめをさそうとした……その時だった。


「ま…… 待って? 東城さん 私の説明不足でうっかり説明させて」


「?」


急に人が変わったように彼女は手を差し出してきた。どういうことだろうか 敵じゃないってこと?


「戦いを仕掛けたのは謝るわ でも信じて私は敵では無いわ」


「本当 嘘とかじゃない?」


「本当よ!」


「……」


「……」


「……」











「やっぱ斬るわ」


「だから!やめて東城さん」


ふざけてちょっと困らせた。焦り気味な様子をしている為、彼女が言うように正真正銘本当のことだろう。


こう見るとさっき怖く思えていた相手がだんだん可愛く見えてくる。


取り敢えず私は、彼女の話を聞くことにした。




















「つまりさっきまでの戦いは私を試すための勝負だったってわけ?」


「本当にごめん」


どうやら彼女は私に試しの勝負を仕掛けてきたらしい。今までのは全部演技と、それに最初っから彼女のXウェポンの弱点は存在しなかったようだ。


あれはどうも抜け道を開けられるようわざと弱点を作り出したようだ。


「いいよ にわかには信じ難いけどあなたがそう言うならそうなんでしょ?」


「ご最も」


本当はちょっとまだ疑い気味だけど。


「でも戦ってみて気づいたわ あなたすごく強いのね」


「何よ今さら」


「まあおかげでいい絵描かせて貰ったわ 破れちゃったけど」


「…………」


もっと早く言って貰えれば上手くまとめられたかもしれない。


彼女の絵は本物だ、技法も全てがプロ並みの腕である。


そういえば彼女は漫画を描いていると言っていたが、なんという作品だろうか。


ポトン……ッ


ポケットに突っ込んでいた1冊の本が落ちた。


「これは」


瀬谷さんはそれに目をつけた。


「今読んでいる漫画なんだけどね」


「東城さんこれ」


「?」


























「私が描いてる漫画だけど」














衝撃の事実だった。まさか身近にいるとは思いもしなかった。今読んでいる漫画の作者が私の目の前にいるということに。


人生って何が起こるか分からないということを身をもって知った。


「読んでくれてありがとうね 最後の謝罪も込めてサイン書いてあげる」


「というかまだ隠し持っていたのそれ」


「細かいことはいいから」


瀬谷さんは数分足らずで、サイン入りの色紙を手渡しして来た。字もとてもこだわりのありそうな字体だった。


「ありがとう 大切にするわ」


「東城さん…… いえ蒼衣さんって呼んでもいい?」


「好きにすれば? 変な呼び名ではない限り 呼び方は自由でおっけーよ」


「ありがとう ところでさ何しに図書室居たの? 難しそうな顔してたわよ」


「そ それは」


話は進み何しに来たかと問い詰めてきた。漫画家やクリエーターの考えていることはよく分からないけど、まあ言うだけ言うことにしようか。


「こう見えてもネタを集めは良くしている方なんだ」


隠れた漫画家のネタ集めというものなのだろうか。ならお言葉にあまえて。


「実はね」
















私はこの間戦った者の手掛かりを探していたと伝えた。細かく丁寧に。















「なるほど“ツタを操るXウェポン”か 面白いわね」


「それで何か知らない?」


「戦ったことは無い」


分かりきってはいたことだが。


「会ったことあるかも」


「たしか素顔をフードで隠してたっけ えーと」


彼女は通称“ツタのXウェポン使い”と出会った時のことを語り始めた。















彼女の話はこうだ。












とある夜、家の屋上で絵を描いていたようだ。


彼女の家は1棟のマンション住のようで、いつも屋上には気分転換に上り、絵を描く。そうすることでモチベーションが上がるんだとか。


そんなとある真夜中にツタのXウェポン使いが空から舞い降りてこう言ったそう。


「いい絵描くのね そうだわオーダー頼めるかしら?」


もちろん拒否したようでそんな気は全くなかったようだ。すると


「あらそう 美しいバラの絵描いてもらおうとしたんだけど 無理なら仕方ないか」


瀬谷さんは何者か尋ねると。


「今は名乗るべきときではないわ でもいずれまた会うその時に改めて自己紹介するわ」


私に言った同じようなことを言っていたようだ。


そういうと彼女は姿を消したらしい。


瀬谷さんは絵を描こうとするとキャンバスには真っ赤なバラが刺さっていたという話だ。











「謎が積もるばかりの話ね」


「ホントよ 彼女は一体何者でしょうね」


「取り敢えずこれを描いてっと」


瀬谷さんは鳥を描いてそれを現出させた。


「これは?」


「捜索用の鳥よ その子達がツタの手掛かりを見つけたら私に伝えてくれるわ」


「新東京中にその鳥を飛ばして探索させるってこと?」


「そういうこと」


「でもそれじゃあ私にどうやって……」


「はいこれ」


瀬谷さんは自分の連絡先の書かれた電子カードを渡してきた。これで連絡するようにということだろう。


「ありがとう 私の番号も教えておくね」


私も瀬谷さんにカードを渡した。


「何かあったら連絡するわ 無論重要なこと以外でも大丈夫よ あなたも私のファンなんだし」


彼女は鳥を外に放った。


それにしても初めてだ、まさか理奈以外友達ができるだなんて…… でも組織のメンバーは全員仲間でもあり大切な友達でもある。











バラか………… 何か手掛かりになるような場所は。


私が帰ろうとしたその時瀬谷さんはある情報をくれた。


「そういえばバラで思い出したけど 街のどこかに新東京の中で1番美しいガーデニングがある豪邸があるんだとか」


「豪邸?」


「そこに行けば何かヒントが掴めるかもね 場所は明日教えるわ」


「それでその豪邸の名前は?」


「確か(あるじ)の名前は………… 華崎だったはずよ だから華崎邸っていう名前なんじゃないかしら」


「華崎邸…………」




















後日私は1人ツタの足取りを掴むべく、瀬谷さんに豪邸の場所を教えてもらいその華崎邸へと向かうことにした。



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