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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第3章【戦火に舞う薔薇】
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【探り者】

 夏休み2日前の日。


 







 学校のチャイムが3時限目の終わりを告げ音が鳴る。 それを拍子に日直の生徒が号令の合図を出す。


「起立 礼」


「ありがとうございました」


 一礼をすると辺りがざわざわと騒ぎながら生徒達が動く。


 大体の理由が別のクラスにいる友達に会いに行くだとか、話し相手を探しに行くといったところだろうか。


私は席に座りながら、次の授業が始まるまで読書しながら待機していた。


 「さて 次の授業まであと10分か みんな時間内に戻ってくるのかな」


  次の授業まであと10分ほど。暇なこんな時間帯はいつ本を読書している。当然今日、今この時も私はこうして本を開きながら本の書いてある文を読みながら本を読み続ける。


 今読んでいるのはホワイトノベルの『刀狩りの青年』という本だ。若い青少年が巨大な怪物を斬り倒していくというバトルものの作品なのだが、今これを絶賛読書中だ。


 一部のスレッド民の書き込みによれば実話をモデルにしているんだとか。真相は分からず仕舞いだけど。


「もうあと2日で夏休みか」


 カレンダーをみて1学期も残り僅かと察する。短かったような長かったような感じだ。


「さてそろそろ時間か 次はの授業は確か…………」


 時間が迫ってきたので読んでいた本を閉じて次の授業の準備をする。気づけば生徒が教室へぼちぼちと戻ってきた。


 さっきまで静かだった教室がざわめきだす。


 すると1人の少女が私の肩を背後から優しくなでるように触る。それに反応し後ろを振り返った。


 呼んだのは理奈だった。一体どうしたというのだろうか。表情を見ると険しい顔はしておらずいつも通りに笑顔でこちらを見つめている。これはいい話と解釈した方が良いだろう。


「ねえねえ蒼衣ちゃん 夏休みどうするか決めた?」


「そうだね 今のところノープランなんだよね 組織にもそんな至急やるよう頼まれていた任務は受注されていなかったし」


 実のところ政希さんが面倒くさくなっているせいでまともに引き受けていないだけである。私が率先して任務を代行で引き受けるのも良いけど、やはりみんなと行った方がダントツ感じが違うだろうし。


 いや、むしろ首輪を付けた犬みたいに政希さんを無理矢理でも歩かせたいが。


「なるほどね でもさあまりそういうのって1人で背負い込まない方がいいかも」


 いやだから理奈優しすぎるって、彼女の微笑ましいその明るい表情が一段と輝いて見えるのは気のせいだろうか。


 優しい声、気配りの()いこの性格……。政希さんも少し見習って欲しいところだ。


 彼はどちらかというと思っていることが、顔に出てしまうと言うか、中身がスカスカの箱のように心の中身が目に見えてしまうそんな感じである。


 理奈は、そんなことないし、むしろ表情から笑顔が満ちあふれている。羨ましい限りだ。


「仲間は“助け合い” いつどんな時何があっても…… 大事なのは『信頼』だよ?」


「うんありがとう…… 理奈」


 ピンコーンカーンコーン。


 私と理奈の話が終わったその拍子に、学校のチャイムの音が学校中鳴り響く。


「もうそんな時間か」


「午後も頑張ろう? 夏休みまでもう一息だし!」


 そして私は終業式まで持ち越して無事1学期を終え、待ちに待った長期の休み期間である夏休みが始まるのであった。
















 ~終業式後の帰りの放課後~


 歩きながら本を読みながら夕映えの帰りの路上を歩く。辺りは人気(ひとけ)もそんなにない。


 政希さんには予め遅くなると伝えてはいるが夜道だから、さあ大変…………。 無事帰られるだろうか。


 少し焦りの表情が顔に現れていた。時刻は18時48分。基地、政希さんの家までは真っ直ぐの道だ。


「?」


 ふとあるものを見つけ、私は呼んでいた本を閉じ、急いでスクールバッグに、急いでそこへ駆け寄る。そこには――――――。


「うっ!? これは…………」


 気になり空を見上げると、ビル1棟分の高さありそうな巨大植物?のツタが人の体を貫いていた。とてつもない異臭が漂い、地面には大量の血痕が広がっている。


 ツタはこちらに気づいたせいか、貫いた死体を振り落とすと、私の方へ攻撃を仕掛けてきた。


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