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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第2章【巡り会いしこの地で】
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【ヘル・ビートルの襲撃!その1】

私達はヴェナルドさんに手配してもらったロシアから日本行きの飛行機に乗っていた。


他に乗っている人はそこそこといるが、そんなに多くはない。空いているような人数である。


私が窓際の席、その隣の2席に恵美と礼名が座っている。その前の窓際の席に政希さんは1人座っていた。


「よりにもよってなんでこの席なんだよ」


因みに席を決めたのはこの私である。


「政希さんを女の子と一緒に座らせると変なことしそうですし」


「変な誤解されているようですね 蒼衣さん!」


苦そうな顔をしながら政希さんは様子を露とし、半分怒っているようだった。


私としては自殺行為のような行動になりかねなかったのでこの決断に至ったのだが、いやむしろこの方が恵美と礼名は安全だと悟ったからだ。政希さんのセクハラ行動を防止する唯一の作戦である。


「帰ったら覚えとけよ 蒼衣」


「蒼衣さん蒼衣さん 政希さん蒼衣さんを凄い目で睨んでますよ まるで獲物を勝手に他の鳥に横取りされた鳥みたいに」


一瞬だったので表情が分からなかったが、恵美の言うことが間違いなしなら、そのようだろう。 帰ったら覚悟しておいた方がいいかも知れない。


窓の外を見渡すとそこには、広大な白い雲の世界が広がっていた。今でも外に飛び出して雲の上を踏みしめたいくらいの興味が湧いてしまう。


日没前なのでもうすぐ日が落ちる頃合いになるだろう。空は満遍ない夕焼け空だが、戦いの疲労が溜まりに溜まっているせいで今は外の景色を見る気力はそんなにない。


そう思いながら私は目を閉じて日本に着くまで、暫く寝ることにした。


「ごめん2人とも ちょっと疲れちゃったから少し寝るね」


「そうですか…… お疲れ様ですゆっくり休んでください」


「何かあったらいいますのでご安心を」


「なら助かるわ…… あと前の人のマークもよろしくね」


とりあえず寝ている間2人に政希もマークさせることにした。 念の為の飽くまで保険である。


「結局疑われるのか俺って……」











…………。






…………。





…………。










眠りながらふと考え事をしていた。


なんだかんだ言って私はみんなが大切な仲間だということ。


決して政希さんを嫌ってあんな振る舞いをしているわけではないのだ。ただ出来心であんなふうにからかっているだけだ。


彼はやる時にはやるし、頼り甲斐のある私の尊敬する人だ。バトル・フォームだって彼がいたから克服できたのだから。


あの力は、1人だったら制御しきれなかったかも知れない。もしもあの時政希さんに出会わなかったら私は心と魂を悪魔に売ってしまっていたかも知れない。


まあそんなことを言えば理奈が立ち止まってはいられないとか言い出して私を全力で止めようとしそうだけど。 でもそれで理奈が重症を負ってしまえば、私は責任をとるハメになっていただろう。


ある意味そんな危険なルートから救ってくれた政希さんには感謝しても感謝し切れない気持ちだ。


だから今のこの時間が自分でも楽しいと感じている。そう自分の失ったものを彼が取り戻してくれたのだから。


そして今、組織メンバーは4人。これから賑やかな組織になりそうだ。








しかし時間は私を少しも休ませてはくれなかった。








「…………さん …………さんッ!!」


「…………」


恵美に袖を引っ張られ目を開ける。


「どうしたの…… 恵美?」


何かあったんだろう。 恵美が私を起こすということは。


………………。






嫌なことではないことを願いたいけど。


「あれを見て下さい」


「……うん?」


恵美に言われるがまま指を指された方向に視線を向けると。


「これは……」


そこには血痕が飛び散っており、飛行機に乗っている人達は何かで貫かれたような跡があり、血が下へと滴っていた。


様子からみて席に座っている人達は口を『ア』の口で開けているので恐らく息絶えているだろう。


“滴っている”ということはまだ時間がそれほど経過していないと解釈できる。


だがこれは寝起きに悪いものでも見てしまったような不快な気分だ。


「起こして悪かったな蒼衣 どうやら敵さんは俺達を少しも休ませてくれなかったみたいだぜ」


「近づいて死体でも…………」


私が近づいて死体を調べようとしたら、政希さんが私を止めにかかった。


「待て…… そんなことしたら相手の思う壺だ 殺されでもしたらどうする」


「ではどうしろと言うんですか」


確かに冷静な判断だ。 だが動かないことには何も変わりはしない。ただ時間が経つ一方だ。


「みんな取り敢えずそこでしゃがんで作戦を立てるぞ…… なるべく相手に気づかれず小声でな」


今は様子を見ながらと言った感じか。


「政希さん…… 敵はどこです?」


私が政希さんに問い尋ねると政希さんは首を振る。


「そんな…………」


「見渡す限りそれらしき人物は見当たらない もしかしたら見つからない所にいるかもな」


「…………操縦席はどうですか?」


考え込む礼名が口を開く。


「操縦席…… どうしてだ?」


「よく周りを見渡してください…… もう一度 乗客と、もし操縦席の人も殺していたとしたら誰も操縦できず、下の血痕だって上下左右に広がっているはずですよ?」


因みにこの飛行機は人力操作でないと動かない飛行機だ。


うんだとしたら…… 操縦席に本体がいるのか。


パンッッ!!


礼名が物凄い反射神経でシュナイダーである場所に狙い撃った。


「少し遅かったか…………」


その礼名が撃った方向には、低音で飛ぶ大型昆虫がいた。


「あれは…………」





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