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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第2章【巡り会いしこの地で】
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【人生のリスタート】

戦いが終わり、ことを済ませイラクからいよいよ出ようとしていた時。


「それで結局反ロシアの足は掴めたのか?」


「うーんそうですね 結局反ロシアがどこかにいるかって話はここの人達は存じていないようでしたよ」


「礼名達はなにか知っていたか?」


「聞いてはみましたよ 礼名と恵美それとイラク軍の人達と……ですが誰も何1つ有力な情報は手に入れられませんでした」


あの後、残ったイラク軍の兵士達と1歩も譲らない話し合いがあり、話が通じ合えなかったけれども礼名と恵美が取り持ち、上手く彼らと話をしてくれて、その結果和解でき今後イラクは住民差別的な行為は一切しないと約束した。


もし二人がいなかったら今頃私達は殺されていただろう。


それで今ここで掴めた情報を期間前に整理している真っ最中だけど。


「反ロシアの手がかりはまだ闇の中に埋もれている…………か」


政希さんは険しい表情で言う。


「とりあえず これからロシアに戻るぞ……………… とその前にそろそろ出てきたらどうなんだ」


すると後ろの物陰から礼名と恵美が出てきた。 しかし気になる所が1点。礼名はなんで照れくさそうな顔しているんだろう。 まあいいっか。


「それでどうするんだよ? お前達は」


礼名はその政希さんの言葉に答えに応じて話し始めた。


「私達はお2人について行こうと思います」


「それに1からまた人生やり直そうかなって あなた達は私達に素晴らしい物をみせてくれそうですし」


「なら“仲間になりたい”って言いたいんだな? ………………」


少々政希さんは沈黙し言葉を失いかけているようにみえたがそうでもなかった。


逆に2人を歓迎でもするかのように答えた。


「いいぜ お前達の決意このおれの心に届いたぜ」


「それじゃ……」


「おめでとう礼名 恵美今日からお前達は俺達の仲間だ …………言っとくが俺のところの組織は結構ハードだぞ?」


ウソばっかり。 政希さんが恐れているのって言ったら私が起こった時…………。 それだけだと思う。


「政希さ〜ん? 変な入れ知恵と大嘘だけはやめましょうね」


政希さんは蚊の鳴くような声で「すみません」と答えた。











「改めてよろしくね 礼名、恵美」


「援護は任せて下さい」


「期待しているよ あそうそう…… 帰ったらお菓子でも食べる? 私の部屋に買い込んだポリッキーあるんだけど」


「何故お菓子? ()()()()()()()()()()………………」


「礼名? 寒ーくなるようなギャグはしない方がいいと思うよ」


少々焦り気味な恵美は礼名にそういった。 なんだかんだでこの2人は意気投合し合える、切っても切れない仲なのだ。


片方の不足部分をもう片方が補い、もう片方も同じように補いをかける。 いいコンビネーションだ。


…………でもポリッキーのことは言わなかった方がよかったかもしれない。自分の中で後悔という言葉が心残りとなってしまった。


「蒼衣さん ポリッキーはみんなでわけあいっこしましょ」


因みにこのポリッキーというのはスティック菓子の上部分がチョコたっぷりにコーティングされた甘いお菓子だ。


味のバリエーションも豊富で、自分好みの味を選んで食べることができる。とにかく甘い。


私は甘党ではないけど、周りの人からはたまによく「東城さんは甘党派?」とか聞かれる。 ネックというかなんというか勘違いも程々にしてもらいたいところだけど。


「そうね恵美 でも1人だけ多めに取るのだけはだめだよ?」


このように恵美は誰とも優しく接してくれる。理奈にこの子紹介したらとても息が合いそう。


「ほらみんな行くぞー」


「はーい」

「はい」

「はーい」


待ちくたびれているうちの組織のリーダーがいるので早々と私達は駆け寄った。









なんとか何事もなく、無事ヴェナルドさん達の所へ戻る事ができた。


「なるほど つまり情報はあまり掴めなかった感じですか」


「俺が調子乗りすぎていたというか……」


「………………」


「まあいい経験になったんじゃないですか? 実はこの任務軽いおつかい気分で頼んだんですが」


「冗談じゃないですよ! こっちは本当死にそうなくらいの状況だったんですから」


「まあでも政希さんにとっては仲間が増えて結果オーライなんじゃないですか??」


若干ヴェナルドさんが政希さんに軽い煽りをかける。もはや政希さんの思考力では彼女に追いつけるはずもない。


「それはそうとヴェナルドさん あの五月蝿い人の姿が見えませんが」


「あ〜 ヴィセットさんですか 彼女いたら鼓膜が破れそうなので今日は自室で休んでもらっています」


まさかの休みなのか。 まあいない方が安定か、いたらいたらで室内が騒音の部屋になりそうだ。


「なら今日は誰があなたの護衛を?」


「そうですね 今立て込んで今はいないんですがあなた方が帰った後に来ると思いますよ」


「忙しい感じか」


「残念でしたね政希さん 若くてあなた達とちょっと下くらいの女性なんですが」


「………………」


政希さんはわざと黙っているような顔した。 興味津々そう。


それほど会いたかったのだろうか。 相変わらず政希さんはナンパパワー全開である。


いい加減このことから頭から抜いて欲しいが。


「話は変わりますがお二人ともおかえりなさい 元気そうで何よりです」


視線が礼名と恵美に向けられる。 彼女2人にとってはもう随分と会ってない感覚だろうか。


仲間を失ったのは自分のせいと咎める礼名、そしてそんな礼名とその仲間を守りきれなかったヴェナルドさんが遂に対峙する。


2人は真剣な眼差しで見つめ合う。


「私も光栄ですよ総理 いえ今はヴェナルドさんって言った方がいいですか………………」


「礼名さん達が呼びやすい言い方で構いませんよ」


「そうですね…… ならお言葉に甘えようと思います」


「もう大丈夫ですか あのあと心配したんですよ?」


礼名が咄嗟に息を呑んで言う。 それは決意のこもった強い意志の一言であった。


「ヴェナルドさん…… ここにいるのは昔の柚木礼名ではありません…… ここにいるのは新しい柚木礼名です」


「礼名さん…… わかりましたなら改めてお願いしますね」


過去はもう振り返るべきではない、そう悟ったヴェナルドさんは2人にこれからも頼むよう言った。


礼名と恵美は頷いた。


それから一言私達は一礼しその場から去り、日本へと帰国するのであった。







政希さんにとってとても大切な2人を連れて。




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