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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第2章【巡り会いしこの地で】
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【過去と今の向き合いその2】

遅くなりすみません

戦火の中、爆撃音が鳴り響く。


「その程度の攻撃でこの俺のマッド・アーマーに対等に戦えると思っているのか!?」


「………………っ」


いとも簡単に敵の力に圧倒され勢いよく飛ばされる。


私のストライク……、素早さでは誰と勝負しても引けを取らないけど相手のパワーが段違い過ぎて歯が立たない。


そう言うなれば大きな岩に小さな石ころを投げているようなものだ。かすり傷1つさえつきやしない。


(何か手は……)


心の迷いが私の冷静さを掻きむしるように乱す。


「蒼衣」


落ち着きのない私に政希さんが声をかける。


「あの時の力出せるか?」


あの時…… バトル・フォームのことか。 正直あの戦い以降自分が気を失う恐れがあった。


そうだ、ここで政希さんに教わった事を生かそう。


バトル・フォームは言わば精神統一。自分と自分との向き合いである。


この力は精神が不安定の時や闇雲にXエナジーを集中させるとなれることはなれるのだが、使用後に使用者に大量の疲労度等を与えてしまうリスクがあるのだ。


だから使いこなせてない者がこれを使えば気絶してしまったりするのだ。


しかしあの後、政希さんにこの力の正しい制御法、使い方を教えてもらった。


まず――――――。


「身動きしなくなったな ならこの俺がとどめを刺してやる!」


ゼミニは私に正気がなくなったと思い込みスピードを出してこちらに攻撃してくる。


だがこれでいい。 勝負とは常に相手との睨みつけ合いなのだ。


魚釣りと同じだ。 如何に相手を上手く騙すか。 本物の餌だと思い込ませて餌に食いつかせるように相手を罠に引っ掛けるのだ。


そう今この私のバトル・フォームを発動させる集中する時間は彼女2人が上手く時間稼ぎをしてくれる。


会って間もないあの2人、初めて鉢合わせした時は嫌悪しか持てなかったが、今はどうだろう。 こうして逝ってしまった人がでてしまったものの、2人は私達と一緒に戦ってくれている。


だから同時に頼りがいのある“仲間”なのだ。


そして礼名、恵美の射撃がゼミニが搭乗とする機体の背後に弾が数弾撃たれる。


「何っ!?」


「周りはちゃんとみないとダメですよ」


しかもその弾丸を撃った場所からは煙が舞い上がっていた。


「機体にダメージだと…… そんな馬鹿な こんなヤツにマッド・アーマーに傷なんてつけれるはずがない!」


「あなたはまともに部下に目を向けていませんでしたよね」


「何?」


「つまりあなたは実際の戦闘で部下達の実力は見ておらず、把握しきれていないということ だからそのダメージが入ることはあなたの想定内には入っていなかったということです」


そうよ礼名 そうやって上手く敵を操って。


「黙れ! 黙れ! 黙れ!」


ゼミニが攻撃する方向が礼名と恵美の方へと向けられる。


「いけるか…… なあに大丈夫だよ周りにいるマダロイドの駆除は俺に任せとけばいい」


政希さんは私のバトル・フォームの邪魔にならないようにマダロイドの駆除に私の近くに立ってくれた。


そんな政希さんのためにも……いやみんなの為にも私はこの力を使う。


その時、力が1点に集中できた、そんな気がした。


「いける!」


「待ってたぜ蒼衣 どーんとかましてやれ! お前の本当の力を」


そう言うと政希さんは私から少し距離を置いた。


「バトル・フォーム!」


途端に私がそう叫ぶとドーンという爆発音と同時に、周囲に青い光が発生し周りのマダロイドを突風のごとくで吹き飛ばす。 次第にその発生した光が私を包み込み気がつくと――――――――。


















「………………」


「何!?」


私の着ていた服は機械装甲の付いた青いスーツを着ていた。ストライクの形状も前と変化している。


背後には美しい青い翼が両方についている。


私は自身を持ち、飛べそうな気がしたので地面を力いっぱい助走よく蹴って一気に敵マッド・アーマーの方へ攻撃を仕掛ける。ストライクを横に大振りするような姿勢をとって。


「食らえゼミニ! さっきのお返しよ」


ビシィィィン!! 機体に胴体に大きな亀裂が入り込んだ。


「馬鹿なこのマッド・アーマーがぁ!?」


そして私は礼名の横に立ち攻撃の体勢に入る。


「ごめんね 礼名時間長かったかな?」


礼名はにこっと笑い首を振り「いいえ」と言葉を返す。


「蒼衣さんだけずるいですよ 私だって……」


「でも礼名さっきのあのバトル・フォームだときついとかなんとか言ってなかった?」


私がそう質問すると平然とした顔で礼名は鼻で笑った。


「私はですね あれともうひとつのバトル・フォームがあるんですよ…… みていてくださいね………… バトル・フォーム………………」


すると礼名はさっきとは違ったバトル・フォームへと姿を変える。


「実はこっちがスッキリしていていいんですよ それに思う存分敵を狙い撃ち出来ますしね」


「えぇ」


まさか2つも持っていたとは正直驚きだ…… さて本題に戻って。


「くっ礼名! こんなことしてどうなるか君はわかっているのか!? 無許可で自分のXウェポンを使いやがって」


「“無許可”さあなんの事ですか? 散々人を馬鹿にしてきたくせに……そのバツなんじゃないですか」


「とぼけるな! 俺が……俺が1番……!」


「聞きたくありませんよね ねえ…… 蒼衣さん」


「そうよね 善人ヅラする悪党にはそれ相応のバツを与えないと」


「何…… 貴様ら何を言って……」


「さあ」







「惨殺の時間よ 今日も血が沢山飛び散りそうね」

「惨殺の時間ですよ悪党さん……」


そして








礼名は無数の銃口を向けて連射、私は斬撃使用一閃突きの連続攻撃で――――――――。





ババババババババババババ…………。

ブシブシブシブシブシブシ…………。










相手の機体ごと破壊し、倒した。大破したコクピットからは垂れるように血がドロドロと滴っていた。


そしてそこから血まみれになったゼミニ・エビンが顔を出し。


「俺の……………… 俺の……………………正しさ……………………は」


そのまま倒れこんで息絶えた。


私は彼を冷たい目で言った。


「偽りの正義の世界に自由の世界は決してない」


と。


すると横で礼名はその場で立ち、俯きながら涙を流していた。

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