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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第0章【青い翼がはためく日】
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~序章~ 【蒼い少女】

 透き通った髪の色。


 髪型はボブであり、目はタレ目で、彼女の優しい眼差しがこちらを見つめる。

 おっとりしていて、穏やかな様子。この彼女は、紛れもなく、私の親友黄江理奈(きみえりな)は私が3時間もの立ち読みしている間、理奈はずっと一緒に帰る約束をしていた。


 生憎にも今日理奈は学校の当番が回っていたので、学校終わって即一緒には帰れなかった。

 いつものパターンなら学校おわるとすぐ、一緒に帰れるのだが……。


 理奈からは、先に帰ってもいいと勧められたのだが、1人で帰るのは少し寂しい……という自分のわがままな発言を理奈にそう言うと、待ち合わせで一緒に帰ることにした。


 外装がレンガでできているコンビニ。そこの外で午後17:00に落ち合うと約束したのだが。

私は、雑誌に夢中で、理奈を待ち時間より1時間待たせてしまったのだ。

正直言ってホント申し訳ないと思っている。


「蒼衣ちゃん」

「理奈、待たせてごめん、すっかり忘れかけてた……」


私は眉をしかめ、理奈に一言謝る。

そうすると理奈はうんうんと頷き、にっこりと笑う。


「蒼衣ちゃん……行こう? もう遅いし」

「ちょっと……理奈!?」


すると理奈は強引に私の腕をしっかり掴み、私を引っ張り出す。

なんか説教をする母親みたいだけど……。

ひたすら理奈の腕の力によって、私の体は動かされる。私は無意識に足を動かすばかりだ。


それから数分、私達2人は、何事もなく、楽しく雑談しながら、夜の帰り道を1歩また1歩と歩く。

だいぶ住宅街に近づいてきたので、辺りには機械建造のマンションや一軒家ばかりだ。


照明は辺りを丁度いい明るさで照らしている。

 暫くすると、2つに別れた道に着いた。ここは、いつも理奈と別れる道だ。……ということは、ついに理奈と別れる時間が来たということだ。


因みに理奈は、左の道を真っ直ぐ行ったところに建っている1つのマンションに1人暮し。理奈は家事から何まで全てやりこなすので、生活でまず困ることはないという……。


「それじゃ、蒼衣ちゃんまた明日ね、ごめんね、こんなに遅くなっちゃって」

「いいよいいよ理奈、私は理奈が無事ならそれでいいの」


また私は目を瞑り頷く――――――――。


「気をつけて、帰ってね……また明日」

「うん」


――――――そう最後のセリフを交わすと、私はハイタッチをして私は理奈と別れた。




家の帰り道。

 私は本を読みながら歩いている。家までは、一本道なのだが家までの距離が結構あるので、1回ごとに行き帰りで大体30分かかる。つまり、行き帰り往復で1時間はかかる。

 毎日交通機関バスやトレインには、大勢の人が長蛇の列を作り待ち時間が長引いてしまうので通学時間は非常に長い。


といっても、家はごく普通の一軒家。しかし、私からすれば、場所が場所なので、少し引っ越しを親に検討してもらいたいものだ。


私の家族は母と私。つまり母はシングルマザー。1年前、父を戦いで亡くし以後2人暮し、基本家のことは母が養ってくれている。


 申し遅れたけれども、私の名前は東城蒼衣(とうじょうあおい)、ここ新東京都A地区に住む高校2年生だ。

 殺人者(マダラー)もとい学生をする都市部の人間だけど実戦に関してはまだ一端とは言い切れない。


 帰る途中、私はとある電子看板を目にする。


【学生の方は、夜出歩く際、もしくは下校する際はくれぐれも殺人者(マダラー)との接触にご注意下さい】


「……死殺者(デッドマン)は0人か。最近は注意警報は流れてないけど油断禁物ね」


殺人者(マダラー)。この街及びこの世界に住む特殊な力を持った能力者。戦う戦士という見方もできるかもしれない。

 私達はその力によって作り出されるそのXウェポンを使い幾多の戦いで各国武器を振る舞いながら戦ってきた。

 色んな力と武器を持つ殺人者がいるけど、それは人の個人差があるから1番強いのは誰なのか、そういう明確な候補はあがっていない。


現在2815年。

人類の戦いは未だ続いているけどそれでも前よりかは、豊かになっている方だと私は思う。学業に一般科目が復活し戦いが殺人者の取り柄ではなくなってきた。

 これは平和への前兆かそれとも。


 私達は殺人者(マダラー)、殺し合い、戦い、生きていく者。過酷な環境下で生まれたけどそれでも私は今という時間を大切にしながらこれからも生きていたい。1秒でも長く。


 そう考えていた私は、足を再び動かし家へと向かった。暫く歩くと、大きな一軒家が私の家だ。

 途端に私は家のドアの前で、足を止める。


ドアは白い自動式で、繊細な縦長い線の模様がドアについている。この線は夜中になってくると発光し、辺りを照らす。

 私は深く息をついた。そして玄関前の階段を上り、自動ドアがシュっとスライドしながら開く。


「ただいま」


 家にいる母にいつも通り言うと、向こうから騒々しい足音が聞こえてきた。まるで馬が駆け出すかのような足音。

 ただ私が帰ってきただけなのに。


「遅かったわね、蒼衣。待ってたわよ♪ ニッコリ」


元気そうな顔で出迎えてくれたのは私の母。名前を東城未里(とうじょうみさと)という。

色とりどりの花柄模様をした和服を着ており、髪型はとてもよくきまった花月巻きをしている。


それから私は、夕飯を済ませ、入浴も終わらせ部屋で少し一休み。

 椅子に腰掛けながらリラックスに腕を伸ばす。


「うーん。今日の実戦訓練けっこうきつかったなその疲れが出たのかな」


 日も落ち夜中の時間帯になっていたので。


「そろそろ行くか」


 椅子から立ち軽い外出の支度をする。予備用の武器、エナジーボックス。これでよしっと。


電子時計は21:30を指している。

自分で予定していた時間になる目前、私は部屋を出て、家の玄関の外へ出る。


「今日はとても見晴らしのいい夜空ね」


 外からは涼しい風が都内の静寂な街にそよいでいた。

 風の音を耳に澄ませながら、そっと目を瞑り右手を開く。


 周囲から青い燐光が集まっていきやがて光はある物を象る。その“ある物”を手でしっかりと握りしめ。


それは細く、美しい青みのかかった(つるぎ)。繊細で意図も容易く斬れてしまいそうな切れ味の良さそうな鮮麗(せんれい)された剣。

 一太刀振り払って武器……Xウェポンを掲げて頭角の建物を経由して疾走する。


「行こうかよるの戦場へ」


夜に潜む外敵を殺す……それが私東城蒼衣(とうじょうあおい)の違う側面である。

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