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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第2章【巡り会いしこの地で】
33/139

【追憶、今そして……】

それは1年半前ぐらいに遡る――――――――――。












柚木礼名、彼女は九州エリアの大分エリアにて1人娘として両親に何不自由なく育てられていた。


だが今から1年半前、そんな礼名に人生を左右させるできごとが起こる。









「緊急要請ですか?」


礼名の家にある日、九州軍の軍が1人尋ねて来たのだ。


要件は礼名を九州軍に加入させてくれないかと。


だが戦いを望まない両親はそれを拒み続けた。


ではなぜそんな軍の人間が礼名の家に来たのか、それは当時九州は韓国軍と交戦状態で人手がとても少なかったからなのだ。


それで人手不足で緊急要請のため礼名の家に軍の人間がきたのだ、だがそれでも両親は拒み続ける。


「家の礼名はを戦いに巻き込まないで下さい」


そう言い追い返そうとしたその時である。


突如として外から大きな足音が鳴り、大勢の軍兵が銃口を向けながら大人数で入ってきたのだ。


「なんのつもりですか……これは」


「応じない場合、貴方々家族全員ここで殺しますよ……」


「娘さんを渡せば命だけは助けてあげましょう」


「くっ…………」


九州軍は最初から強引に軍に入れようと考えていたのだ。九州の軍はとんでもないブラックな軍で気に食わない者、従わない者は殺すそんな制度が軍にあった。


しかし、表向きにその情報は口外せず、表向きは善人気取りで九州エリアを支援していた。


そんな両親は軍の人間に言われるがままに礼名を惜しみながら引き渡すのであった。








それなら礼名は本格的な軍事知識、戦闘知識を身につける。同時に発現したXウェポンシュナイダーが彼女の体に宿り戦いの準備は万全に整った。


そして九州軍と韓国軍の戦いが始まる。


直前作戦開始前、機内である人物と出会う。それが橋本恵美である。


彼女は偶然にも礼名と同い年で、礼名一家と同じ経緯で軍に入れられたのだ。


「あなたは? 私とそんなに変わらないと思うけど」


「礼名……柚木礼名です 年齢は15」


「そっか奇遇だね私もあなたと同じ15」


「そうなんだ……それで名前は?」


「恵美、橋本恵美……恵美でいいよ」


「よろしくね恵美」


「こちらこそ、今日は一緒に頑張ろうね」


そして2人はお互いの無事を祈り、戦いに臨んだ。











勝利の行方は――――――――――――。











礼名と恵美の気のあったコンビネーションで韓国を圧倒し、敗退まで追い込み、九州軍の完全勝利で終わった。











それから1年後、ロシアの首相ヴェナルドから成績を称えロシアからの勧誘を2人はもらう。


2人はやむを得えずロシアからの勧誘を受け、正式にロシアに入ったのだ…………だがしかしこれが礼名にとって大きな傷跡になることになるだなんて……この時は誰も予想していなかったのである。











「ダニットよ、私があなた達2人のリーダーを務めるわ、よろしく」


「よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」


ダニット、彼女が当時彼女2人のリーダーを務めており、ミスなく任務に励んでいた、ダニットは歳の差は10歳上ではあったものの可愛く本当の姉のように2人を育てた。


軍人としてではなく……人間として。







だがそんな優しい彼女をある任務で失うこととなる。


これが礼名が自分のXウェポンを使うことが怖くなったトラウマの要因となる。同時に無表情、無感情になったその本当の理由も。


「礼名ちゃん……早く撃って」


恵美は敵に追いつけず気絶していた。その相手は素早いXウェポン使いであった。


手が打てない彼女は1つの手段を下す。











ガシッギィィィイイイイイ!!







隙をついて彼女は羽交い締めし、身動きの取れない状態にした。


しかし、殺せるほどの力はもうほとんど残っていなかった。


そこで彼女は通信で数メートル離れた礼名に()()()()()をする………………それは。












「私ごとシュナイダーの弾で貫け……それがこいつを倒すためのたった一つの手段よ」


そして礼名は涙目になりながら。


「出来るわけないじゃないですか!! この引き金を引くということはあなたを殺すということ……そんなこと」


「礼名ちゃん、これは命令よ……私はせめてあなた達2人だけでも助けたいと思ってる…………短い間だったけど楽しかったよ……さあ撃って!!くッ!」


そして礼名はシュナイダーを手で振動するように震わせながら恐る恐る……その引き金を引く


カチッ……。


引き金を引く音が瞬く間の如く鳴った。


「うわあああああああああああああんッ!!」


その礼名の悲しい叫び声は喉が枯葉てるようなそんな大きな声だった。


ビシュ――――――ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!




撃った直後に礼名はダニットの最期の言葉が聞こえた。それが本物か、木霊かはわからないが確かに礼名には聞こえたのだ。











「礼名ちゃん……ありがとう……生きて」










その後礼名はゆっくりとダニットの方へと近づき、シュナイダーをほおり投げた。


「こんなもの!! 誰も!! 誰も!! 救えない!! 救えないじゃないッ!!」


怒りを露わにした礼名はほおり投げたシュナイダーを自分の足で血が出るまで涙目で何度も何度も踏みつけた。


救えなかった自分が情けなく思いその感情が制御できず、表に出てしまったのだ。











2人はそれからロシア軍をやめた。


「どういうことですか!? 礼名さん 恵美さん……」


「見ての通りです、これ以上私にはここに留まる理由がない……ヴェナルド様……いえヴェナルドさん」


その一言を言い残しヴェナルドの言う言葉に聞く耳を持たなず早々に立ち去って行った。


「待って…… 礼名さん!! 礼名さん!! 待ってください!!」


しかしその言葉は礼名には届かなかった……そして礼名は。


「私に………………救えるものなんて……………………1つもない、私はただ“命を奪う生きた殺人マシン”ですよ」








「………………………………礼名さん」


「ヴェナルドさん、礼名の代わりにその思い受け止めておきます」


「恵美さん、あなたは……」


「私は礼名について行きます……彼女を見届ける必要が私にはある……それでは」


恵美もそういうと早々に礼名の後を追い立ち去っていった。


それから2人はイラクへと足を運び、軍へと加入する。それはもう無意識に体と口が動くように感じで自然とその言葉が出てしまった。


その感情は大事な物を奪う者への怒りで溢れかえっていた。


「私の下につけ、そうすればお前のその心を緩和できるかもしれない」


「お願いします」


かくして2人はイラク屁と加入する。そして2人が配属することとなった班『サバラ』のリーダージェニクに仕えることとなった。


「君達2人のリーダーだ、よろしく頼む」


だがジェニクはほかの兵士と違い本当の娘のように気を使うよういつも2人を気にかけていた。 当然礼名も例外では無い。


「礼名、お前なんでそんな表情しているんだ」


すると礼名は。


「心が欠けていますから」


と言いながらポロリと涙目を1滴流す。


ジェニクはその欠けきった礼名の心を開こうとはしたが、対処が見つからず日が過ぎていった。


(誰か礼名を救ってくれるやつは現れないか)


そんなことを任務中もずっと考えてジェニクのは一瞬頭が一時停止してしまう。


「……………………ジェニク………………さん?」


愛らしい顔と首を傾げる礼名を見ると心が痛んだ、何故なら表情が生きていなかったのだからだ。






そして礼名は任務を着々とこなし現在に至る――――――――。


























「とまあこんな感じですかね」


「……………………」


「……………………」


なんてことだ……柚木礼名がそんな辛い子だったなんて、俺には耐えきれない話だ。


「今の話嘘じゃない……よな?」


「そんな話するわけないですよ…… 私はただ礼名を救って欲しいんです貴方達に」


「俺達2人に柚木礼名を救えと? でもこんな状況だ……どうしろと」


厳重なセキュリティが施された牢屋、外側から誰かが開けない限りまず、出ることは不可能だ。 壁、床共々強固なコンクリートで埋め尽くされており掘って抜け出すのも無理な話だ。


「今のおふた方の状況じゃあ無理です、どう足掻いても……そこで」


「恵美お前が鍵持っているとか!?」


「残念ですが持ってませんね……あれは上の人間しか持てないですし」


ぽんっと蒼衣は俺の方に手を乗せた。


「仕方ないですよ……政希さん」


多少の期待も寄せてはいたが、まあ現実はそうも甘くないか。 とても悔しい気分だな……はは。


さすがの蒼衣もお手上げ状態か、どうしたものか。



コンコン…… コンコン……。


誰かが階段から降りてくる、誰だ。


「あ、来ました、来ました……」


「?」

「?」


その足跡の正体は――――――――。


「お困りのようだな……」


「あんたは……?」


中年ぐらいの迷彩服を着たおじさんが姿をあらわした。


「ジェニク・エビンだ…… ちょっと天童政希話いいか?」


「あ……はい」


その人は柚木礼名の話にも出てきたジェニク……ジェニク・エビンだった。

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