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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第2章【巡り会いしこの地で】
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【1つの想いを握りしめて】

新章スタートです。気を落とさずマイペースで週木ペースで書いていくので皆さんよろしくお願いします

それは唐突に訪れた。いつも通りに私は学校の宿題をしていると急に政希に呼び出された。


なんでも重要な話らしい、どんな内容かは知らないけども新しい任務が入ってきた……そんなところだろうか。


政希さんは政希さんのいる自室に来て欲しいと言っていた、そして今丁度その部屋の扉の前にいる。私はドアをノックして中に入った。


「失礼します、どうしました?」


「おう蒼衣きたか、実はな」


すると政希さんの目の前に1つのモニターが映っていた。そこには小柄な少女の姿があった。


この人はロシアの首相ヴェナルド・スヴェードだ。 そんんな偉い人が政希さんに何用だろうか。


「このロシアの首相 ヴェナルド・スヴェードさんから話があってな、それで……」


「あの……貴方が東城蒼衣さんですか?」


私は迷わず自己紹介をする。


「はい、東城蒼衣です、それでヴェナルド総理、話ってなんですか? 重要な話と聞いてはいますが」


「お2人にお願いあって電話を入れました……単刀直入にいいます、少し反ロシアの調査を手伝って欲しいのですが……詳しくはこちらの方に来てから説明するので」


「え、それってつまりロシアに行かないといけないのですか?」


そして政希さんは額に手を当て、目を瞑り。


「あぁ……そういう事だ」と思い悩まされそうな表情でそう答えた。


「それで予め俺の勝手ながら学校の休みは取らせて貰ったよ」


政希さん結構身勝手である、事前に言うことはできなかったのだろうか。


それに大きく出たものだ、日本を飛び越えてロシアで任務をすることになるとは。


「まぁ…………いいですよ」


「取り敢えず3日後だ……それまで体調管理はしっかりしておけよ」


「あの……政希さん? それって政希さんも同じなんじゃ……」


それに対して政希さんは咳払いをして「とにかく……3日後な」と私の話をスルーして先に話を進める。 逃げたよ……この人。


「それではお待ちしておりますね、お2人方それでは」


かくして重要な任務を受けることとなり、私達2人は急遽ロシアへ向かうこととなった。


そして出発の3日後がやってきた。







「それじゃ準備……いいか」


「はい、忘れものありませんか」


「大丈夫だよ、こう見えても忘れ物はしない立ちだ、心配ご無用だ」


行く手段は至って簡単だ、ヘリコプターの乗車券を買って乗る、新東京とロシアまでの直行便はない。 なので途中で降りて歩いて向かうしかない。


「まぁ蒼衣、疲れたらおんぶしてあげるからさ!」


そう言った政希さんに対して私は怖い笑顔で「嫌です」と答えた。











場所はロシアの外れに着く。ヴェナルド総理のいるサンクトペテルブルクまではまだ程遠い位置にいた。


周りは広大な草原、そして涼しげな風が吹いていた。


だがこんな場所だからこそ……殺人者(マダラー)の存在を常に忘れてはならない。


いつ襲撃してきても可笑しくないからだ。


だがその時はその時だ、もし出てきたらこのストライク……隙も与えず敵を切り込む……ただそれだけだ。


「いいか……サンクトペテルブルクまではこのルートで行こう」


そのルートは村や町に寄りながら行くという政希さんらしいやり方だった。


「人間食わないと生きできないからな、最低限食料は確保しておかないと」


まあそれもそうか、いざという時に倒れこんで餓死したら、話にならない。


それに途中村、町に寄って非常食なども買うこともできる。 それならこの行き方も決して悪くはない。


大地を踏みしめて歩く第1拠点となる村、町を目指して。


暫くしてやっと第1の拠点に着く。路上がタイルになっており、建物がその両サイドに建ち並んでいる。


人口はそこそこと言ったところか。 多くもないし少なくもない。


店も色々あるし取り敢えず回って見た方がいいか。


「お腹空きました」


「分かったよ、丁度俺も腹が減ってきたところだ、食うか!」


「政希さん、それでどこへ行きましょうか?」


……と私が視線を向けたその先には何やら美味しそうな食べ物が置いてある店を見つけた。


透かさずそれに目が眩み政希さんの袖を軽く引っ張った。


「なんだよ……」


「アレ……」


そっと政希さんは近づく。すると、美味しそうなものがふんだんと置いてあった肉、魚、野菜から何まで豊富だ。


「ついでに食料も確保しておきましょう。」


すると政希さんは嫌々ながら料金を支払い、私達は目的地へと向かうのだった。








それから4日後ようやく目的地であるサンクトペテルブルクへと到着した。


「やっと着きましたね」


「ああ、それじゃあ向かうか」


ヴェナルド総理のいる軍事邸へと足を運ぶ。


すると巨大な白い柱で覆われた屋敷を目にする。


「大きくて立派なお屋敷ですね」


「通称スヴェード邸、ヴェナルド総理の父親がロシア残党の戦いの終戦後建てた家なんだ、だがそれから総理の両親が殺されて結局この家は後始末できない状態になった、それで最終的にはヴェナルド総理が首相になってから軍事邸として改装したって聞いているぜ」


「なるほど、つまり元々は前の総理の自家だったけど、今は家だけでなく、軍事邸としても利用しているというわけですか」


「その通りだ、まぁここの兵士に寄れば結構明け暮れているんだとか」


「えぇ…… それってどういうことですか?」


明け暮れているとはどういうことだろう。


気にはしたがそれを胸にしまって、ヴェナルド総理のいる場所へと進むのであった。


そして扉前まで来た。近くで見るととても立体感を感じる。なんというか遠くで見るより近くで見る方が迫力があるというか。


すると大きな罵声が建物の端から聞こえてきた。


「「おいっ! 何回言えばいいんだッ 腹に力を入れて声を出せッ」」


「はっはい……」


私はしゃがみこんでその声がする場所を覗き込んだ。


「どうしたんだ蒼衣、急に覗き込んだりして…………」


向こうには5列以上の軍服を着た兵士が並んでおり丁度練習の真っ最中という感じであった。


通常の黒い軍服と違いこちらは全体的に白い、真っ白と言わんばかりに白すぎる。


特に指導している人の威圧感がとても強い、さっきの罵声はひょっとしてこの人が原因か。


にしても鼓膜が破れそうになるくらいとてもうるさい。それにさっきから1人1人に注意深く叱っているように見えるのだが。


「あぁ……この人か」


「政希さん?」


「いいか、蒼衣今あのがみがみ叱っているあの人が…………総理の護衛長であり、軍隊の指揮を務めているヴィセット・ハディウスだ」


「あ……あの人が?」


なんとあの前にいるのがヴェナルド総理を護衛しているヴィセット・ハディウス……という人らしい。


どうやら今は見た感じ発声練習の最中…………だろう。


「うるさくて軍事内でも評判が悪い人なんだよ…………まぁいい行くぞ」


「は、はい」


政希さんに言われるがままに扉の方へと戻ろうとした…………その時。


「「なぁあにっ!??ヤツだ!! 隠れていないで出てこぉい!!」」


ギクっどうやら見ていることがバレてしまったらしい。 やばい。とてもこれはやばい。


すると政希が私の肩に手を乗せてきて……。


「蒼衣もう手遅れだ、潔く負けを認めろ」


「………………」


私は自然と膠着状態になってしまった。


サッサ……足音が聞こえ徐々に距離が縮まっていくそして。


「「こぉのぉくせぇええものがァ!このヴィセット・ハディウスが成敗してくれるッ!!」」


するとそのヴィセット・ハディウスは持っていた両手銃を振り落とそうとした。


「いやタンマタンマタンマタンマタンマタンマタンマタンマタンマタンマタンマタンマタンマァ! 俺です!ヴィセットさん! 落ち着いて下さいって」


すると振り落とそうとした両手銃攻撃を取りやめた。


間一髪である。 政希さんがいなかったら今頃どうなっていたことやら。


「「んんッ!!貴方は政希殿ではありませんかッ!!」」


そして私の耳元で彼女ヴィセットさんの声が、サイレンの音のように響き渡った。

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