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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
1章 EX 【私の自慢のお姉ちゃん】
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~1章~EX 【理奈の想いその3】

一旦区切って5部構成にしました。


それは旅行の帰りだった。


夜道、鳥のさえずりが聞こえる森の中、私は父の運転する車の中でぐっすりとくつろいでいた。


「………………」


車の座席から起き上がる。


運転席には父、その横に母、そして私と璃沙は後ろに座っている。


徐々に眠くなり、少し私は寝ていた。


相当体が疲れていたのだろうと私はこの時実感した。


「お姉ちゃん起きた? あいにくまだ朝じゃないよ」


「見ればわかるよ、まだ全然暗いよ璃沙」


「まあ私もさっき起きたばっかりなんだけどさ」


璃沙は私が起きる前にもう起きていたらしい。


璃沙はあまり2度寝する子じゃないけど聞けば、車の振動で寝付けなかったみたいだ。


「璃沙寝付けなかったの? まあ人の事あまり言えないけど」


「音がちょっとうるさくてね」


璃沙はうつらうつらと目線を落としながら喋る。


今でも寝そうな状態だ。


「はあ……しょうがないな、ちょっとお姉ちゃんのそばに来なさい」


「え?」


「いいから……ここ」


私は私の膝をポンポンと叩き、璃沙を誘う。


「それじゃ……」


すると璃沙は私の方へ近づき、頭を私の膝につけ、膝枕にする。


優しく私は璃沙の頭を撫でた。


「これで寝れる?」


「私は寝れそうだけど、お姉ちゃんは?」


「ううん、お姉ちゃんのことなら心配しないで」


「どうして?」


「璃沙が寝ないとお姉ちゃん寝れないから」


「…………お姉ちゃん」


すると運転している父が急に私達に話してきた。


「理奈、璃沙お前達2人はどこの兄弟姉妹にも負けない硬い絆を持ってる、 だから2人ともその手を絶対何があっても離しちゃいけないよ、2人は2人揃ってからこそ力を発揮する姉妹だから」


「…………父さん」


父のこの言葉が、私の心に大きく響いた。


それはきっと璃沙も同じように感じていたであろうと私は思った。


「理奈、璃沙もう寝なさい」


「わかった」


私達2人はそう返事をして、目を瞑ってもう1回寝ることにした。


これが父と交わした最期の言葉となってしまった。












…………今思えば、なんで私は素直に返事をして寝てしまったんだろう。


今でもその日のことを後悔している。


思い出すだけで、締め付けられていそうな痛みを感じてしまう。


『あの時私がねていなかったらな』とずっと思ってしまう。











だって











次私が目を覚ます頃には――――――。









お父さんとお母さん……………………。












私の目の前で()()()()()から。











焦げ臭い臭いがして、私は目を開けた。


そこには燃え盛る炎が目の前でメラメラと燃えていた。


最初は摩擦熱で火が点いたのかと思っていた。


だが臭いを嗅ぐと焦げ臭く、悪臭のする恐ろしい臭いが漂ってきたのだ。


若干ガソリンの臭いがする。


「ガソリンの臭い…………?」


現状を理解できなかった私は燃え盛る火の方へと近づく。


近づいた。


……。






……。





……。







違う、これは、摩擦熱の火なんかじゃない。



これは車が燃えている火なのだ。


燃えている物の影がうっすらと見え私は車と判別ができた。


そしてこの車に見覚えがあった。


そうそれは、この車は父の車だったからだ。


だとしたらと思った私は辺りを360度見渡す。目を凝らしながら。


「父さん! 母さん! どこ!? いるなら返事してッ!」


しかし私が声をかけても返事は返ってこなかった。


けど暫くするとほんの僅かな……蚊の鳴くような声が聞こえてきた。そこは燃えている父の車の裏側。


ゆっくりと車の裏側をみた、そこには璃沙が倒れていた。


慌てて私は璃沙の方へと駆け寄り、倒れている璃沙を私は手で支えて起こした。


「璃沙!? 生きてる……!? 大丈夫?」


「………………」


璃沙はゆっくりと目を開ける。


そしてゆっくりと口を開いた。


「お姉ちゃん? お父さんとお母さんは」


「…………」


返事を返すことができなかった。なぜなら父と母はもう死んでいるだろうと察しがついたからである。


その事実を私は璃沙に告げることはできなかった。


なぜなら、妹の悲しむ顔を見たくなかったから。


「聞いて璃沙……そのことは後で話すね、今は逃げるのが先」


「どういうこと? お姉ちゃん」


私は勘付いていた、誰かが私達を狙ったということを。


そしてそいつは父と母を殺した張本人。


「隠れないで出てきて、いつまでそこに隠れているの……そこにいるのはわかっている」


すると向こうから誰かが現れた。


「さすが、あのマカの子孫ではあるな」


金髪の髪をし、白衣を身にまとった男性、その彼の視線は私の方へと目力を入れながらこっちを見ていた。


「貴方なの? 私達を襲ったのは」


すると彼は。


「いかにも、君達を襲ったのはこの私だよ」


「いつから私達をつけていた?」


「ずっとだよ、君達がこのエリアに入ってから……」


「何?」


「いやいや、探したよ最強の魔術師の末裔を」


「何を話している?」


彼が何を言っているのかは、よくわからなかったが明らか私を狙っているようにみえた。


「それを君に言う必要はない、急だが君を捕まえさせてもらうよ! そして君には私の実験台となってもらう!」


「嫌だと言ったら」


「嫌だと言うならこうだ」


そういうと彼は手のひらを出してこいこいと仕草をした。


そうすると後ろにいた璃沙が凄い引力で彼の方へと、引き寄せられ彼は璃沙の首を掴み璃沙に銃をあてがった。


「な、何を!? 私の妹に何をするッ!?」


「君が応じないのなら私は君の妹をこの銃を使って銃殺する!!」


彼は同行しないのなら璃沙を殺すということを持ち出してきた。璃沙の口の中に銃口を突っ込んで…………。


「………………ッ!」


璃沙は苦しそうに叫び声をあげ、目を丸くさせながら涙を流す。


「やめて……妹から離れて!」


我を忘れ、私は妹を救おうと彼の方へと走った。


しかしこれは甘い考えだった。


「往生際が悪いな……君は」


路上隣の木から大量の人型マダロイドが出てきたのだ。


避けようと必死でやろうと試みたが、悪い場所だったので避ける時間もなかった。


瞬時にそのマダロイド達は、私の足を目掛けて持っていた銃を構えて発砲した。


グヂャャャャャャアァァァン!!


何かが切れるような音がして、私はその場で倒れた。


倒れた途端、断末魔のような痛みが下半身から走った。


「ア“ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“ッ!!」


「どうだね、マダロイドが撃った銃の痛みは」


凄い激痛だった。けどそれだけじゃなかった。


一切足の感覚がなかった。


気になった私は自分の足の方をみた。すると――――――。


「嘘………… でしょ…………?」


なんと両足がみごとに切断されていたのだ。それはまるで魚を包丁で切ったような切り口だった。


「君が身動きできないようにちょっと足を切断させてもらった……これでもまだ言うことが聞けないのかね……君は」


璃沙を救いたかったけどこの時の状況の私は無防備だった。


足を切断された今の私は、腕を使い引きずって前に進むしかない、けれどもそうしたところでさっきと同じ羽目になるだろう……と思った私は他の策を……考えに考えた。焦りに焦りながら……。


「どう足掻いても無駄だよ……君は私の下した運命からは逃れない、そうしないと君も君の妹も助からない……さあ早く大人しく私の言うことを聞けェよ!」


彼は言いたいことをゴチャゴチャと言った。


でも為す術もない、だからといってこのまま彼の言うことに従うつもりは無い。


従ったところで私は実験台にされてしまう。


最悪……私は殺されてしまうだろう。でもそうなれば璃沙が悲しむだろう。


だから私は彼の言うことを聞かなかった。


“力”が欲しかった。 そう彼を倒せるほどの……妹を救える力が。


ここで璃沙を見捨てたら、璃沙との約束を私は破ったことになる。


そんなこと断じて……断じてするものか、私は欲しい……力が……『殺人者(マダラー)』の力が……と。


すると……。










……。











……。








切断された足の切り口から、新しい足が生え、再生し始めたのだ……それはまるでトカゲのようだった。


次の話で続きを書こうかなと思います。ですので、一旦ここでこの話は区切ります。

恐らくこの調子だと5部構成になりそうな傾向がしますね。

それでは皆さんありがとうございました。

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