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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第4章【都市部編】
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【掴め 新たな力 前編】

 一昨日、急に殺人者に襲われて災難だったけど、なんとか倒して帰ってこれた。


 でも街中であれほど真面な相手いつぶりだろうか。でも最近中々勝ちを譲ってくれる殺人者が中々出てこらず、難戦ばかり私の身に起こっている気がする。


 例年現社会において殺人者は徐々に強くなっているんだとか。


 原因はというと、明確には示唆されていないが産まれてくる子供の配偶者、つまり親自体が強い者ばかりな為に、年々強い殺人者が誕生するとかなんとか。


 テレビや雑誌ではこのことに関して、色々な理論などが上げられている。


 その為、近所の店先ではこの件に関する本は、沢山見かけている。


 ――――あの後帰って早々美咲に治療して貰い、幸い死には至らなかった。


 けれどもあの殺人者から湧き出ていた憎悪、憎しみなどの悪感情は非常に気がかりだった。


 世界に表と裏があるように、人間の心にも表あれば裏もある。何かに恨みを抱える強さが強ければ強いほど武器はより一層恨みに満ちた強力な武器へと変貌する。


 逆にそれがない者ならその思念を受けて、Xウェポンは優しさに満ちた強さを持つ武器へとなる。


 それを踏まえ、これから強い殺人者と遭遇するということを考えると、政希さんの言うとおり戦いはこれから一向に厳しくなるかも知れない。


 今日はなんか礼名が連れて行きたい場所がありますと言って、ただいま一緒にゆっくりと街中を歩いている。


 相変わらず無表情だが、決して私に嫌みがあるわけではないだろう。


「それでどこにいくの?」


「蒼衣さん新しい武器ほしいとか言っていましたよね。丁度それ専門の機関見つけたのでそこへ向かっているんですよ」


 この都市部で、武器開発がメインで行われている場所と言えば1つしかない。


『新東京都 特殊武器開発部局』ここに住む殺人者は誰もが知っている言わば何でも屋さんだ。


 暫く歩くと開発部が見えてきた。大規模な広範囲の敷地奥に大型な建造物がある。前の校門には『新東京都 特殊武器開発部局』と書かれた看板がある。


 門は開いているので、そのまま出入りが可能だ。


「さて入りますよ」


 真ん中に敷かれたコンクリート製の黒い道路を進む。入り口に近づくと私達に応じるようにセンサーらしき物が反応すると、入り口の扉が間なく開いた。


「いらっしゃいませ。どういったことでしょうか?」


 出迎えてくれたのは、白衣を着ている如何にも清楚で技術者らしい容姿をした女性だった。


 恐らく彼女は受付係かなにかなんだろう。


「柚木礼名です。技術長に少し用事がありまして、今お時間大丈夫でしょうか?」


 礼名が口を開き要件を言う。


 すると暫くしてその技術長がいる部屋へと案内され、私達はその部屋に入った。


 入るとそこは広々とした機械音が彼方此方と響き渡る真っ白な部屋。


 所々に柱型な高さをした土台がある。その上にはガラスケースがあり、その中には試作中らしきXウェポンが展示されている。


 様々な人が熱心に開発する中から、1人の女性がこちらの方へと近づいてきて、私達に余裕そうな表情を浮かべながらこちらへと話しかけてきた。


「おやおや君たちかい? 私に要件があるという客人は」


「はい、その」


「あぁ自己紹介とかはいいんだ。誰なのかは顔見れば分かるしね」


 聞けば技術部の人達は、日々街中にいる殺人者のリスト表に目を通しているらしく、誰なのか見ただけで分かるらしい。


 知っていてくれているのはいいことだけど、せめて挨拶ぐらいはさせてほしいけど。面倒事は避ける主義なのだろうか。


 そして要件を礼名が私に手招きしながら言う。


「こちらの人にXウェポンを作ってくれませんか?」


























「ふむ、蒼衣君2個目のXウェポンがほしいのか」


「はい、私今までストライク一筋で戦ってきましたから」


「デュアルウェポンは通常、経験などを消費して新しい武器を作るが、今はそれほどの経験なくそこで我々にXウェポンを作って欲しいと、そういうことでいいかな?」


 因みに随分前に美咲と戦った時に使ったあの力、後々気づいたのだが一時的な物だったらしくあのあとその力をひきだそうとしても一切できなかった。浄化されて消えていったのだろうか。どうやら消費する経験が少なすぎると使用後浄化されてしまう使い捨ての物になってしまうんだろう。


 早い話が一時的な強化を施したXウェポンといった方がいいだろう。


 でもあのあと経験はほとんど残っていなかったので、当然デュアルウェポンは作れない。


 けれども一時的な力とはいえ、あの美咲をも圧倒する力は凄まじかった。なんというかまた殺人者の知らない面を知ることが出来たというか。


 ……消費する経験は人によって異なるらしく、私の場合その量に満たないみたい。


「技術部、開発部では擬似的にそういう人向けにXウェポンを開発できる。補うエネルギーも備わっているため、作ることが出来る。必要最低限に君のXエナジーを少し貸してくれればいい。それだけで数時間でできるだろう。だがどんな武器ができるかはわからん」


 運要素が絡むような感じか。


 けどないよりはマシなので差し出してみよう。このまま1人デュアルウェポン無しっていうのもなんか私の癪に障るような気がするし。


 私はXエナジーの一部を取り出して、彼女の方へと出した。


「決意は固いようだな。よし早速取りかかる。……できあがったら試運転戦闘もできるからやりたいのなら一向に遠慮なく言ってくれ」












 私達は外で暇つぶしに話すことにした。


 試運転戦闘は、礼名が承ってくれるらしくそこに関しては安心した。


「蒼衣さん、どうして蒼衣さんは戦い続けるのですか? 私はその理由が未だに」


 今更にも道に戸惑っていた礼名は話を振ってきた。


「……どうしてだろうね。特に理由はないけど、どちらかというと何かを守るために戦っているとかかな」


「そのなにかとは?」


「例えば『平和』とかかな」


 これといって特別な何かがあるというわけでもない。ただ組織に入る前は、何の理由もなく戦い続けていた。


 もしあの日政希さんに出会わなかったら、私は殺戮マシンかなにかになっていたかも知れない。


 今だからこういう答えが出せたけど、そんな夢見な戯れ事は、他の殺人者に言うと笑いの的だが。


 だが決してこれを100%叶いもしない、夢とは言い切れない。


 人の心に僅かな希望が残っていれば、その為に人は何度だって立ち上がって行けるものだと。


 だからこういう夢現(ゆめうつつ)なことに思い耽るというのも決して悪くないと私は思う。


 微かな光が、周りを照らしてくれる道しるべになるような気がするから。


「平和ですか。…………蒼衣さんらしい答えです」


 礼名は一瞬、口元を歪めて微笑んだ。胸中彼女も、私と同じ事を思っていたのだろうか? ……礼名はいつもこうやって飄々とした顔しか浮かべないけど考えていることは大体一緒なんだな。


 本当かは分からないけど。


「私も何のために戦っていると聞かれれば、真っ先にそう答えますよ。なんだか私達意思疎通してるような感じですね」


 でも大分礼名も以前と比べて、表情を作る頻度が多くなってきた。前なんかずっと無表情だったし。


 変わった感じがするな……礼名は。


 すると技術長から電話が届いた。


「できあがったぞ、もう来ていいぞ」


 約1時間半と言ったところだ。かかった時間は。


 それなり余興は出来たし、ある程度礼名と沢山話せて私は嬉しく思う。


「行こうか礼名」


「はい、行きましょうか」


 そして再び技術長のいる部屋へと向かった。











 部屋に入るとそこには――――。



 青黒い両腕よりも明らかに極太な大型大剣を担いでいた技術長の姿がそこにあった。


 あれが新しい私の武器なのか?

読んで下さりありがとうございました。

1日遅れにはなりましたが、頑張って書きました。

新しい力が手に入るから技術部に行きましょうと言う礼名。

連戦で強敵も増えていく傾向がありますのでその対策用ですね。

次回新しい蒼衣の武器出ますが性能はいかに。来週も是非見て下さると嬉しいです。

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