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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第1章【動き出す運命】
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【託されし思い】

【新しい種】のちょっと後の話です。

2815/4/18_


「ですって……政希さん? 聞いています?」


ふと意識が戻る。


あまりにも通話の時間が長かったもので、少し俺は意識を失っていた。


現在俺は、家にいる。だが家には俺以外誰もいない。俺の目の前には、電子画面で表示されたモニターが映っている。 見えるのは、白髪団子ヘアのツインテールをした、9歳の幼女がいる。


この電子モニターは、マダラースコープのビデオ通話によって映し出されている映像だ。…………で誰と話しているかというと、とあるロシア人とお話中である。


彼女の名は ヴェナルド・スヴェート。 ロシアの現首相(しゅしょう)に当たる人だ。


1年前に、前のロシアの総理が何者かによって殺害され、その総理の跡継ぎとして、娘のヴェナルド・スヴェートさんことヴェナさんが後を継ぎ、現在のロシアの総理をしている。


当初では、幼い子供は総理大臣にすることは固く禁じられてはいたが、他に十分に国をまとめる人物はいなかったため、止むを得ず次期総理を娘に決めたようだ。


当時の俺は、それを聞いてとても驚いたが、今からすればもう()うの昔の話。


彼女は、ロシアの国を国一丸で治めつつ、そしてこの俺、天堂 政希のお世話役及びサポート役のじんぶつである。


ロシアとは、2年前の戦いで同盟を結び、今では、ロシアと日本は友好条約の関係に当たる。


もっとも、以前のロシアは1度滅びた国であったため、かつては、ロシア残党と呼ばれていた。


日本との条約を結んだことにより、日本の協力を得て再びロシアを復活させることに成功したのだ。


が、全ての町を取り戻したのでは無く、サンクトペテルブルクのみ。他の半数の地区などは他の国の者が占領していたり、ロシアに反発する反ロシアが1部の領土を奪っている。


ロシアは、反ロシアといずれかは和解し、“ロシア”という1つの元の国へと戻すのが最終目標らしいが、未だに反ロシアとできていない。


話を戻そう。今俺はどんな状況かというと、ヴェナさんに怒られている状況だ。


俺の建てた組織“ノヴァスター・オペレーションズ”は今のところ、入ってきた人はいない。


通常組織のメンバーが集まらない組織は1週間の内に、組織全てを管理している機関から潰されてしまうのだが、ヴェナさんが機関に話をつけてくれたお陰で、ギリギリ潰されるのを免れているって感じだ。


よって、潰されるのは当分先の話なんだが、ヴェナさんは、毎回毎回機関に話を付け、延長延長と、何度も何度も話をつけてくれているみたいだが、とうとうその話の有効期限が近づいてきたらしく、機関から「次はもう妥協できませんよ? それがいくらロシアの総理のお願いでも」と言われたらしい。


それで早く組織のメンバー集めやれやれって五月蠅(うるさ)く、最近何回も何回も、電話してくるんだが、今日もこうして五月蠅く叱られているっていう状況だ。


それでさっき話が長くなりすぎて、少し意識が飛んでいたってところだ。


「聞いていましたよヴェナさん? で何の話でしたっけ?」


「政希さん? 結局聞いてないじゃないですか……私の話」


少し笑いながら、暗いヴェナさんの表情を俺は感じ取った。


「だってヴェナさんの説教話長いじゃないですか?」


ヴェナさんは少しため息をつき、(ひたい)に手を当てた。


「ま~~さ~~き~~さ~~ん~~!?」


「これで何回目ですか? 私言ってますよね? 早く組織のメンバー集めないと本当に潰れてしまうって…………少しは自覚を持ってくださいよ」


腕を組みながら眉をひそめながらヴェナさんは言った。


「すみません、なるべく早く集めます」


「“なるべく”じゃなくってこれは必ずです…………さもないと…………」


ふと嫌なビジョンが浮かんだ。俺の組織に誰も入ってくれず、組織が潰れゆく未来のビジョンを…………。


「政希さん、これは政希さんのためでもあるんですよ? この大きな1歩は貴方にとって、とても大きな1歩になり希望となるんです………… ここ逃したら後がないですよ?」


「…………」


黙り込んでしまった。 だがくよくよしていたら、本当にヴェナさんの言う通り後がなくなってしまう。。そうならないためにも俺は――――――。


「分かりましたよヴェナさん…………俺頑張ってみますよ………… この俺の思いを胸に秘めて…………」


するとヴェナさんは鼻で笑い――――――。


「期待してますよ政希さん……それでこそ政希さんです」


「あ、言い忘れてました……」


……?なんだまたなんか説教か?


「十文字総理が政希さんに来るように言っていましたよ?」


「あ……そうですか……それでは今日中にでも行ってみます」


「そうですか……なら私はこれで…… これからまた私は会議があるので……それでは……」


ピッ…………通信が途絶えた。


十文字総理という人は、名の通りここ日本の現首相だ。


総理は俺を呼んでいるらしいので、俺は総理のいるXタワーの内部にある総理の部屋へと向かうことにした。


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