第六話:机の悪魔
さて昨日、とんでもないクソゲーつかまされて気分イライラでを眠りについた俺であるが、朝はスッキリ目が覚めた、デキる男はいつまでも過去のことにはこだわらないのである。
先日は何やら授業がなく半日で終わる日だったらしく、俺は今日から本格的に学校生活が始まるということだ。
ちょうどいい時間に学校に着き、朝のホームルームというくだらないものが過ぎ少し休み時間が過ぎた後、授業は開始される。
俺のこの学校の初めての授業は国語だ。
しかし、問題がひとつある。
まったくもってさっぱりわからん!
学校が違うから授業スピードや内容に差があるから分からないなどと言う、生ぬるい領域では無い。
そもそも俺は小学校3年生から不登校気味であり、中学校合計3ヶ月程度(しかも全て保健室登校)ぐらい、高校にいたっては3日しか行っていない、このため勉強は全くできない、高校も名前さえ書けば合格できるレベルの学校であった、しかし今俺が通っている学校は平均的な高校レベルの学力が要求される。
朝、なんとなく教科書を覗いたらチンプンカンプン、ヤバイのである。
授業も終わり、今日の学校も終わった。
「よっ! 唯人、お前も大変だな~、ま、でもすぐ追いつくだろ、俺も出来ることは手伝うからさ~」
チャラ男すなわち今城 大輝がそう俺に声をかける。
俺は授業の全てを“前にいた学校と進みが違うんで……”と言い訳していたので、学力レベルはここに合っているものだと思っているようだ。
「あんたになんか勉強を教わったら、100年経っても出来なわよ」
委員長の白鷺 美和子がそう言って大輝の頭を叩くと。
「あ、でも、わからいな事があったら私に聞いてね、あとたぶん必要だと思ったから私のノートのコピーをあげる、よかったら使ってね」
そう言って美和子は俺に綺麗な字で、丁寧に書かれ、見やすいノートのコピーの紙を、クリップで留めた状態で数十枚渡してきた。
「あ、ああ、ありがとう」
正直、学力レベルが小学校レベルの俺には無用の用物だが一応感謝しておく。
「委員長のノートは見やすいからな、俺も欲しいぐらいだぜ」
大輝がそう言うと
「あなたは書き方が雑すぎるの」
美和子は呆れたような笑みを浮かべる。
このような談笑の少し下あと俺は帰路についた
俺は家の自分の部屋で大声で叫ぶ
「ああああああ!!! どうしよぉ!!! 」
はっきりって“前にいた学校と進みが違うんで……”なんていう言いわけはせいぜい一週間ぐらいしか通用しない。そして一週間では絶対に俺の学力はそんなに向上しない。
終わった……。俺は学校に恥をかきに行くだけになってしなうのだ。
俺は天才だからな、学校のお勉強なんて本気出せば楽勝。なんて言ってみたいが本当は分かっているんだ俺は何にもできないどうしようもないバカだってことは。
「唯人……大丈夫だ」
一二三が俺の肩を叩く
「いや……無理でしょ」
俺は絶望に染まっている、下さないなぐさめならしないほうがマシだ。
「確かにな、でも唯人には私がついているだろう」
一二三は真剣だが優しい顔になる。
「え!? もしかして、勉強できるようにしてくてるのか!? 」
やったぜ! 一二三は不思議能力を持っているからな、俺が勉強できるようにするなんて造作もないだろ。問題解決、よかった、よかった。
「じゃあ、はい」
一二三がどっさりと大量の参考書を置く
「はい? 」
俺はつい間抜けな声を出す。
「時間を止めれば、たっぷりと勉強でいるだろ? 」
一二三は笑う
「ああああああああああああああああ!!!!!! 嫌だァァァァァァ!!!! 勉強したくないぃぃぃぃぃ!!!! 」
俺は全身の筋肉をバネのように動かし、逃亡しようとするが
「土管」
一二三がただ一言そういうだけで、俺は座らざるえなくなる
俺に逃げ場は、無かった。
これから俺は、勉強地獄へと放り込まれる。