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第四話:R18の世界 前編

 俺は今、疲れている。


 数多数多の怒濤どとうのごとく質問攻めに、いかに全身心筋男ハート・ボディ・マンと呼ばれた俺ですら、異様な疲労感が肉体と精神を支配してもおかしくない。常人ならばストレスでその命の灯火が消えるところだろうが、この俺の圧倒的タフさで辛うじて耐え抜くことができた。


 学校というものは非常に恐ろし施設だ。まず入学と同時に出席番号と言う、苗字の五十音順で割り振られた番号が与えられる、まるで工業製品のようにな。そして入学した生徒を支配する教師という者が存在する、この教師と呼ばれれる人間は我々生徒を授業という名目で拘束し謎の催眠魔法をかけてくる、そしてその催眠魔法にくっした者に罰を与える存在だ。さらに校則と言う規則を勝手に作り、それに従事しない者には恐ろしい懲罰を与える。しかも校則の内容というものは、髪を短くする、スカートを長くする。など意味のわからないものが存在する、教師は常識などと言い言葉を濁すが、本来の目的は意味のない決まりを無理やり従わせ、人の反抗心を奪うという、独裁者が使いそうな手口であることは俺には分かる、しかし完全に洗脳させた生徒は大部分を占める。その効果は絶大だ、まず定期テストという生徒がいかに睡眠魔法の呪文を暗記したかを調べる風習があり、その結果により格付けをする、ある一定以上の暗記ができないものは赤点と呼ばれその人格の全てが否定され補習と言う苦行をさせられる。更には教師に対する先生呼びと敬語の義務化により、上の人間に媚を売る生き方を強制する。数々の学校教育という調教を受け多くの生徒は精神が病んでしまっている。先輩後輩とわずか一年の生まれた年数の違いによりその地位は大きく変わる、そして後輩は先輩の手足のように扱き使われるのである、しかもなぜか先輩は後輩に感謝しないのに、先輩が後輩になにかしたときはたとえ余計なことでも全身全霊を持って感謝の意を表さなければならない理不尽である、さらに同年代の人間の中にも地位の差ができている、特に地位の高い者は先輩に媚を売る能力が高いものが多い、おそらく先輩が媚を売るものに対して権力をやり、内部で争うよう仕向け、反抗する力と心を奪っているのだろう。学校とは弱きをくじき、強きを助ける恐ろしい施設だ。


 とにかく学校と言う者は恐ろしいのである。俺のようにまともな精神を保ちつつ通学できるのは俺の精神力の強さを物語っている。俺はすごい。


 しかし最早、歴戦の戦士である俺ですら、学校という戦場で多くの傷を負ってしまう、そんな傷を癒してくれるのが我が家だ。


「良かった、普通だ」


 俺の家は普通だった、よく見知った俺の家だった。通常ならばこんなことでは喜ばない、しかし今の俺には一二三という悪魔がいるのだ、この悪魔は青春などと言って俺に苦行を強要し、従わなければ土管の家と、パンの耳オンリーの食事にすると言う酷い奴だ。


 しかし、俺の頑張りにより我が家が守られた、俺はこの出来事をマイホーム防衛戦線の奇跡と呼び、勲章ものだと思っている。


「はぁ~」


 俺は制服を脱ぎ捨てパジャマに着替える、ようやく休息に付ける。


「ハイハイご苦労さん、洗濯は私がやっておくからね」


 一二三はそう言って、俺の脱ぎ捨てた制服を持ち、丁寧にハンガーにかけた。


 ふん! まったくそれぐらいやって当たり前だ、俺は偉そうに文句言うだけのお前と違い、大変だからな家事ぐらいやってもらわなくちゃ困る。


 俺はテレビを付ける、ちょうどニュースをやっている時間だ、しかしこの時間帯のニュースは芸能人の結婚だの離婚だのやスポーツなどという下らなばかりか野蛮な遊びの話題しかやっていない。


「ロクなもんやってねーな」


 知的で高貴な俺は、下品で幼稚な内容のテレビを消す。


 低俗な人間ほど低俗なものを好む、そして自らの低俗なものをさも高尚のように言うのだ、しかしそれは単なる根拠のない妄想にしか過ぎない、真に高尚な者はもはやそんな次元にはいないということに低俗なやからは気づくことができない。


 俺はPCのを起動させこの前買ったエロゲーの続きをやる。


 エロゲーは芸術だ。絵、音楽、文章、芝居と言う文化的要素が揃っている、世の中には低俗だとほざく、無知蒙昧で視野が狭い愚かな能無しバカがいるが低次元な人間に崇高な芸術は理解できないと相場が決まっているので、相手にはしない、俺は雑魚とケンカはしない主義なのだ。


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