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出会い
「デートしよ?」
遊が刹の手を掴み、微笑む。
「ああ。駅前のショッピングモールで良いか?」
遊は頷き、刹を引っ張る。
近くの殺風景な公園を横断し、舗装された道を真っ直ぐに進む。
その先で、一人の異様な少女(体格は自分達と同じーつまりは高校生くらいのー)がふらふらとよろめきながら歩いていた。
何が異様か?まず、ぼろぼろで薄汚れた布で体を覆っている点。普通は衣服を身につける。
第2に裸足な点。今時、人は裸足では歩かない。
第3に血のような赤いもので薄汚れたブロンドの短髪の点。何かヤバい系の人なのだろうか?
第4に、彼女の体が傷まみれな点。血を垂らしながら歩いてる姿はひとつのホラーだ。
最後にー
彼女の背中からは小さく翼が生えている点。人に翼は無いはずだ。
遊が後退し、刹の後ろに隠れる。
刹はひとまず、声を掛けてみた。このままだと倒れて野垂れ死にそうであったからだ。
「大丈夫ですか?」
少女は無言で倒れた。
刹は救急車を呼ぼうとも思ったが、やめた。あらぬ疑いを避ける狙いだ。
ひとまず、デートは中止にして、刹の家まで戻ることにした。