黒歩
「希里、学校へ行く準備はできた?制服とか大丈夫?」
母さんが、心配して俺の部屋に来た。
今日は、新しい学校に通い始める日で
小学校や中学校1年生の時のときめき感は全くもってない。
「まぁ・・・・、できたはできたけど・・・
制服が黒服というのが・・」
明らかに、制服にしては生地が厚いと思うんだけど。
「何言ってんの、かっこいいじゃない!!軍隊服みたいよ!!」
お母さんはキラキラの笑顔で、俺の制服に見とれていた
妙に恥ずかしくなってくる・・・。
「おぉ、何?希里の新しい制服?」
げ・・兄貴!?_
ドアから、ひょいと顔を出して、こっちをみている
「へぇ、かっこいいじゃん!!新しい学校で、いい女の子見つけろよ?
まぁ、大丈夫か。俺の弟だし」
兄貴《五反田有馬》は、一言で言うと「チャラい」
毎回いつも違う女の人と歩いているのを見かける。何股しているんだろう・・・。
だが、おれより頭が良く運動神経抜群。
「似合ってるってお兄ちゃんも言ってるんだから、自信持ちなさい」
お母さんが、俺に向けてピースするが
「いや、別に、そこは問題ではなく。」
「あ、そういえば、お母さん。香水変えた?良いね」
でた!!
「お兄ちゃん、すごい!!わかったの!!さすがね♪」
誰だ、こんなチャラいやつを産んだのは・・・・・お母さんまで口説くつもりか!!
俺は、苛立ちながら家を出た
「さて、と。なんだっけ?学校の名前?」
俺は、ポケットから紙を取り出す
そこには、手書きの地図と学校名を書いていた
「黒歩学園か、変わった名前だなぁ」
交差点を右。塚畑病院をまっすぐ。2つ目の信号機を右。
郵便局を左。
やたら、頭がこんがらがる。この地図と文での案内をかいたのは、兄貴。
「兄貴。絵心だけないんだよね」
もう、地図はあてにならない!!!
「カラオケしょっぷ[ミサワ]を左に進んでいくと、
そこがゴールって・・・・・」
書いてある通りに進み、顔をあげた
「ま、まさかここ?・・な訳ないよねー。」
嘘であって欲しかった。
今にでもお化けがでそうな洋館。手入れも行き届いてなく、荒れている植物。
そして、黒歩学園と書かれているプレートは完全に錆びていた
「ははは。・・・・・・ってまじかよ。」
俺が、目を通したこの学園のパンフレットには
『創立2年のピカピカの校舎!!』なんて書いてあったのに!!
「絶対20年は、たってるな」
とにかく、門をくぐり校舎に入り、職員室に行こう
黒歩学園の門を俺はくぐった
まず第一段階、ミッションクリア
その時だった
門をくぐり抜けた瞬間、叫び声がきこえた
「よけろ!!!!!!そこの男子!!」
「え?」
俺は声の主の方に、顔を振り向けた
シュッ
なんかが俺の横を通りすぎる
それと、同時に俺の頬に生暖かいものを感じる
頬を触ってみると、触った手は赤の色に染まっていた
「っ、血・・・・なんで!?」
足に力が入らなくなり、地面に座ってしまう
そして、あたりをよく見るとあらゆる武器を持ったたくさんの生徒たちが
戦っている。
「アンタ、そこどき」
俺の目の前に、誰かが立ちはだかった
顔を上げて真っ先に目に写ったのは、両手にもっていた二丁拳銃。
そして、その人は俺に言った
「あんた、ちゃんと、前見とかんと・・・・ケガするで」
銃口を俺に向けながら。