だい18わ ふつかめのあさ
ふつかめのあさ
つぎのあさ。
そらがうすくあかるくなりはじめたころ、
キャラバンのなかでひとり、またひとりとめをさましはじめた。
「おーい、みんなおきろー!」
たいしょうちょうのガルドのこえがひびく。
「きょうじゅうにまちにつくぞ!」
そのこえで、しょうにんたちもいそがしくうごきはじめた。
ばしゃのじゅんび、
うまのせわ、
にもつのかくにん。
ゆうともからだをおこした。
(もうあさか……)
ゆうとはかるくのびをする。
よるのゴブリンのさわぎはあったが、
キャラバンにはだれもけがはいなかった。
「おはよう、ゆうとくん」
あかるいこえがきこえた。
ふりむくと、リーナがたっている。
「おはよう」
「きのうはびっくりしたね」
「ゴブリンのこと?」
「うん。でもごえいのぼうけんしゃがつよくてよかった」
リーナはほっとしたようにわらった。
やがてキャラバンはしゅっぱつする。
ばしゃのしゃりんが、
ごとごととおとをたてながらうごきだす。
まわりにはひろいそうげんがつづいていた。
あさのかぜがきもちいい。
ゆうとはあるきながら、
みちばたにあるくさやいしをみていた。
(このせかいのざいりょう……)
こころのなかでスキルをつかう。
(ぶんせき)
【そうげんのくさ】
やくようざいりょう
かんたんなかいふくやくのざいりょうになる
(へえ……)
ゆうとはしゃがんでくさをすこしつみとった。
そのようすをリーナがみていた。
「なにしてるの?」
「ちょっとざいりょうをあつめてる」
「ざいりょう?」
「れんきんじゅつの」
そのことばに、リーナのめがかがやいた。
「え!?ゆうとくん、れんきんじゅつしなの?」
「うーん……まだれんしゅうちゅうかな」
ゆうとはすこしくるしそうにわらう。
ほんとうは、
このせかいにきたばかりだとはいえない。
「すごいなあ」
リーナはかんしんしたようにいう。
「れんきんじゅつしって、まちでもあんまりいないんだよ」
「そうなの?」
「うん。ポーションとかどうぐをつくれるから、すごくべんりなんだって」
ゆうとはこころのなかでおもった。
(なるほど……)
もしうまくつかえれば、
おかねにもこまらないかもしれない。
そのとき。
キャラバンのさきから、
しょうにんのこえがきこえた。
「みえてきたぞ!」
「まちだ!」
ゆうとはまえをみる。
すると――
とおくのへいせんのむこうに、
おおきなかべがみえていた。
たかいせきのかべ。
そして、
そのなかにひろがるまち。
「あれが……」
リーナがうれしそうにいう。
「とし レグナード!」
このちいきでいちばんおおきい
しょうぎょうとしだった。
ゆうとはそのこうけいをみながら、
しずかにいきをのむ。
(ついに……まちか)
ここから
ゆうとの
ほんとうのぼうけんがはじまる。




