第15話 薬草(やくそう)探(さが)し
翌日の朝。
悠斗は小さな籠を持って村の外へ歩いていた。
目的は一つ。
薬草集めだ。
昨日、ポーションを作ったことで村人たちはとても喜んだ。
だが――
材料がなければ作れない。
だから悠斗は自分で薬草を探すことにしたのだ。
村の門の前で、見慣れた声が聞こえた。
「ユウト!」
振り返ると、リナが手を振っていた。
弓を背負い、小さな袋を持っている。
「リナ?」
「どうしたの?」
リナは笑った。
「薬草探しに行くんでしょ?」
「一人だと危ないから、私も行く」
悠斗は少し驚いた。
「いいの?」
リナは胸を張る。
「こう見えて森には慣れてるよ」
「弓も使えるし!」
確かに昨日の戦いでも、リナの弓は正確だった。
悠斗は頷く。
「じゃあ、よろしく」
二人は並んで森へ向かった。
森の入口に入ると、空気がひんやりする。
木の香り。
鳥の声。
穏やかな風景だ。
悠斗は地面を見ながら歩く。
すると、すぐにそれを見つけた。
小さな緑色の葉。
(これだ)
悠斗は心の中でスキルを使う。
(分析)
文字が浮かんだ。
回復草
ポーション材料
悠斗は嬉しくなった。
「見つけた」
リナも覗き込む。
「あ、本当だ」
「よく見つけるね」
悠斗は苦笑する。
「ちょっと得意なんだ」
その後も二人は森を歩き続けた。
回復草。
赤実草。
小さな薬草を次々(つぎつぎ)と見つけていく。
やがて籠はいっぱいになった。
リナは驚く。
「すごい量だね」
「これだけあればポーションいっぱい作れるでしょ?」
悠斗は頷いた。
だがその時。
悠斗の目がある植物に止まる。
少し青く光る花。
(これは……)
分析。
魔力草
中級ポーション材料
悠斗は目を見開いた。
(レア素材……!?)
リナが首を傾げる。
「どうしたの?」
悠斗は静かに答えた。
「たぶん……すごく珍しい薬草だ」
リナは驚く。
「えっ!?」
「そんなの初めて見た!」
悠斗は慎重にその草を採った。
胸の奥が少し高鳴る。
(もしかしたら……)
(もっとすごいポーションが作れるかもしれない)
この時、悠斗はまだ知らなかった。
この小さな草が――
後に 王都の錬金術師たちを驚かせることになる とは。




