第一話 白(しろ)い空間(くうかん)
みなさんこんにちは、この度新作を始めます、お楽しみに(。・ω・。)ノ♡
意識は、ゆっくりと戻ってきた。
まるで長い眠りから目覚めるような感覚だった。
高瀬悠斗が目を開けたとき、最初に見えたのは天井でも街灯でもなかった。
そこに広がっていたのは――
白。
ただ、それだけだった。
どこまでも続く白い空間。
壁もない。
空もない。
地面さえ、はっきりとは分からない。
柔らかい光が霧のように漂っているだけだった。
「……あれ?」
悠斗は何度か瞬きをした。
そして、ゆっくりと体を起こす。
体は驚くほど軽かった。
「ここ……どこだ?」
声を出してみる。
しかし、その声は静かな空間に吸い込まれていくようだった。
悠斗は周囲を見回す。
だが、何もない。
白い世界が広がっているだけだった。
「……夢?」
そう思った瞬間、ある記憶が頭に浮かんだ。
会社。
終わらない残業。
夜遅くの帰り道。
重くて動かない体。
そして――
暗闇。
「……あ」
悠斗は小さく声を漏らした。
思い出した。
あの日、仕事の帰り道だった。
何日も続いた残業で体は限界だった。
気がついたときには、視界が暗くなり――
そのまま意識が途切れた。
「もしかして……」
悠斗は自分の手を見つめた。
確かに手はある。
体もちゃんとある。
だが、不思議なことに――
疲れが全くない。
痛みもない。
まるで体そのものが軽くなったようだった。
「じゃあ……」
一つの考えが浮かぶ。
「俺、死んだのか?」
その言葉は、驚くほど静かに口から出た。
普通なら、もっと混乱してもおかしくない。
だが悠斗は、なぜか落ち着いていた。
もしかすると――
前の人生が、あまりにも忙しすぎたからかもしれない。
「……まあ、いいか」
悠斗は小さく息を吐いた。
すると、その瞬間。
ふわり、と空間の光が揺れた。
まるで水面に波が広がるように、白い世界が静かに変化していく。
そして――
悠斗の前に、一人の女性が現れた。
長く輝く髪。
白い衣。
まるで光そのもののように美しい姿。
その女性は、やさしく微笑んだ。
「ようこそ、異世界から来た魂よ。」
悠斗は目を見開いた。
「……え?」
こうして――
高瀬悠斗の新しい物語が、静かに始まった。




