突然の摩訶不思議 夕暮れの駅に現れたウサミミサラリーマン
バニーガールやらウサミミの子を見るたびに思い出す思い出。
あれはもはや10年ではきかないくらい前、高校から電車で帰る時だった。
18時頃であっただろうか。私の乗る電車は大きい駅で停車し、
発車を待っていた。何気なく停車している反対側のプラットフォームを見ると
次に来る電車を待つ人々がまばらに立っていた。
まばらに立つ人々の奥に階段があり、改札から連絡通路を移動し
降りてくる人の中に非常に目立つ人を発見した。
ウサミミを付けたおっさんがいる。
ウサミミは白ウサギっぽい白くシンプルなやつだ。
おっさんはウサミミ以外はごく普通なサラリーマン風で、
スーツを着て手提げカバンを持っている。
周りの人々は彼に対して何ら反応を示していない。
いや、反対側のプラットフォームのことであるし、チラ見くらいは
しているかもしれないがこちらからは分からない。
また、ウサミミサラリーマンはウサミミ以外は普通だ。
例えば、飲み会帰りらしく足元が覚束ない様子や、
挙動不審な様子が無い。彼の周りに連れらしい人物もおらず
18時頃というのもあるし彼は素面でウサミミを付けているようだ。
私はずっと他人である彼を見つめ続けるのも失礼なので
チラ見し続けながら、ウサミミ以外はごく普通な彼が
ウサミミを着用している理由を考えているうちに
電車の発車時刻となり、彼は見えなくなってしまった。
彼は何故ウサミミを付けていたのか、
未だにバニーガールやウサミミの子を見ると考えてしまう。
多分、一生答えの出ない問だろう。