■第40話:約束の涙
喜怒哀楽が激しいエリサ
ウィリアムはエリサが去った方向に向かって急ぎ足で歩き始めた。王都の露店街を抜け、少し静かな通りへと入っていくと、彼はエリサの姿を見失ってしまった。人通りも少なくなり、ただの一人の男性として彼は進んだ。
ウィリアムはエリサを探すために、王都の街を静かな路地に入っていった。目の前には高級な宿と比較的安価な宿があったが、彼はエリサが選びがちな安価な宿を期待して探し始めた。
数分後、横の路地に座っているエリサの姿が目に入った。彼女は何かにひたっているようで、周囲の騒がしさに気づいていない様子だった。
ウィリアムはエリサが少し泣いていることに気づき、心配そうに彼女の近くに座った。
「エリサ、どうしたの?何かあったのか?」ウィリアムが優しく尋ねた。
エリサは涙を拭いながら微笑んだ。「ごめんね、私…ちょっと感情がこみ上げてきて。」
「大丈夫だよ、泣くのは自然なことだよ。何か僕が悪いことをしたのかな?」ウィリアムが心配そうに謝罪した。
エリサは頭を横に振りながら言った。「いいえ、ウィリアムが悪いわけじゃないよ。ただ…昔のことを思い出して、少し感傷的になっちゃったの。」
ウィリアムはエリサの手を取り、やさしく握った。「昔のこと?」
エリサは深呼吸してから、少しずつ話し始めた。「覚えてる?私たちが約束したこと、魚を捕まえに行くこと。あの時、私、本当に楽しみにしてたの。でも、その後…」
ウィリアムは彼女の言葉をじっと聞いていた。「その後、何があったんだ?」
エリサは再び涙を流しながら続けた。「あの日から、何かが変わった気がして。私たちの間に距離が生まれてしまった気がするの。」
ウィリアムは言葉に詰まりながらも、エリサの手を握り締めたままでいた。「ごめん、エリサ。本当にごめん。もし何かがあったなら、僕は…」
エリサは彼を見つめて微笑んだ。「いいえ、ウィリアム。あなたに非はないわ。ただ…もう一度、一緒に冒険をしたいなって思って。昔みたいにね。」
ウィリアムは彼女の願いを受け止めながら、心からの謝罪の気持ちを伝えた。「もちろん、エリサ。今度こそ約束を守るよ。一緒に新たな冒険を始めよう。」
エリサは安心したように頷いた。「ありがとう、ウィリアム。それが一番の幸せ。」
二人は再び抱擁を交わした。




