■第17話: 鍛冶屋のおやじ
ウィリアムはシルバーホークの町の門をくぐり、静かな通りを歩きながら鍛冶屋を探した。彼の背中には錆びた黒いダガーが装備されており、その鞘からは長い旅の跡が感じられた。彼はダガーを新たなる輝きで磨きたいと考えていた。
町の中心部にある鍛冶屋「スチールフォージ」に辿り着くと、鍛冶屋の看板が風に揺れていた。扉を開けると、店内は暖かい炉の炎と打ち鳴らす音が満ちていた。カウンターの後ろに立つ老鍛冶師がウィリアムの姿を見て、頭を少し上げて挨拶した。
「ようこそ、若者。何かご用かね?」老鍛冶師はウィリアムを親しげに迎えた。
ウィリアムは礼を言いながら、ダガーを取り出し、その錆びについて相談した。「このダガーを磨けるかどうか、お願いしたいんですが。」
老鍛冶師はダガーを手に取り、一瞬鋭い目で観察した後、頭を傾げた。「若者、この錆はかなり深いな。これはただの錆ではなく、何らかの特殊な魔法の影響があるように見える。私には手に負えないかもしれない。」
ウィリアムの心が少し沈んだが、彼は落胆することなく深呼吸をし、店主に感謝の意を示した。「わかりました。ありがとうございます、おじいさん。」
老鍛冶師は微笑み、ウィリアムに向けて手を振った。「諦めるなよ、若者。他の鍛冶師がこの錆を磨けるかもしれんからな。頑張れ!」
ウィリアムは心に残る言葉に励まされながら、「スチールフォージ」を後にした。彼は今宵の宿を探すために町をさまようことにした。その一方で、ダガーの錆が魔法によるものであることが示唆されたことは、新たなる謎を彼の旅に与えることにもなった。
良いオヤジだった




