60…天 日常 才
「レベル1な訳ないだろ?これだけ多くの人間を操作してんだからそこそこ高レベだろ」
「ネクロマンサーを使えば何人でも操作することができるんです。でも人を殺しても操ってる人に経験値が入るので私はこれ以上強くなれません」
なるほど、まさかとは思うけど死んだ人間が経験値を稼いでレベルアップするとかないよな?ま、ないか
「だいたい分かった。超能力者を倒して増やしてを繰り返していると、」
こいつそういえば死んだ清水さんの能力使えてたよな。ここにいる大量の人間が全員超能力者だとしたらかなりやばいぞ。ま、ないか
「この人間て普段どこに隠してんだ?さっきまでいなかったよな?」
「えっとあの青い服来てる人分かりますか?」
青い服、青い服、あ、一人いるなボロボロすぎるけど原型は青っぽい
「あの人の能力で影に収納してるんですよ。」
「ほえぇ便利ぃ」
こいつ何個能力使えるんだ?あそこの人間1人3個能力があるとすれば100は使えることになるぞ。ま、ないか
「なぁ、襲われてから殺してるのか?それとも殺しに行って殺してるのか?」
「しょうもないこと聞くわね。佐々木さん答えなくてもいいわよ」
「いえいえ全然隠すことでもありませんし、歩いてて能力者がいたら殺してるだけですから」
「どうやって見分けてんだ?佐々木って鑑定持ってないだろ」
「あの黄色い服の人、生前は結構強かったらしくて鑑定のレベルが60あるんですよ。」
ほえー鑑定が60ってスキルの振り方にもよるけどレベル100を余裕で超えてるようなやつじゃね?ま、気のせいか
これ以上聞いても多分変なこと言うだけだな。気のせい気のせい、多分絶対あんま強くないはず…そんな行き過ぎた化け物じゃないはず…
「なぁ、ミナトオレと佐々木が戦ったらどっちが勝つと思う?」小声でミナトに聞く
「ん?100%佐々木さんね。ていうかあなた誰が相手なら勝てるの?」
佐藤ぐらいには勝てるわ。舐めんな
「今日帰ってゆっくり寝よ」
「明日テストですけどね」
「ん?佐々木今なんて言った?」
いいやありえない。テスト前日に普通食べ放題行くか?
リュウはテスト前日でも別に行く、雄平ってやつもペンギンが元ならテストとか気にしないな、ミナトはあれとして佐々木は?
「おい、佐々木じゃあなんで今日食べ放題なんて行ってんだよ」
「えっとその…」モジモジして言わない。友達に誘われて断れなかったとかか?悪いことしたかもな
「佐々木さんの代わりに私が言ってあげるわ。佐々木さん元々、姫王秀学園にいた超エリートだからこんな偏差値50の中間代表みたいな学校じゃ勉強するまでもないってことよ、」
姫王秀ってあれだよな。親が権力者、高額支払い者、超天才のどれかに該当しないと入れないとこだよな。
「佐々木、147×151は?」
「22197です…」
「すげぇ、合ってんのか分かんないけど」
「ま、ノー勉でも1位取れるって余裕から今日付き合ってくれたんじゃない?」
たしかに天才だけどうちにも外れ値が2人いるからな
「佐々木1位取れたら飯おごってやるよ」
「え?いいんですか…悪いですよ。」
「あなたバカね。破産したいの?」
「テストが終われば分かるよ。」
2週間後
テスト返却日
「毎日徹夜したんだ。赤点ではないはず。」
国数英理社の五教科のテスト、ボーダーラインは5個とも30点未満が死亡
国語▶︎29
数学▶︎11
英語▶︎14
理科▶︎34
社会▶︎54
ふぅ、これは耐えたか?5分の2も助かったんだ。
リュウは全て赤点回避、雄平は全て赤点、ミナトは帰国子女を自称してるくせに英語赤点
佐々木は
国語▶︎100
数学▶︎96
英語▶︎100
理科▶︎100
社会▶︎100
げ、4教科100点かよ。危なかったァ。さすが満点対策の数学だ。
うちの学校には何故か2人天才が紛れ込んでいる。1人は授業中ずっと寝てるのに毎回100点、もう1人は常に勉強をしていて100点。ある時勉強してる方が数学の先生に言った。問題を難しくしてこの学校の1位を明確に決めたいと、教師はそれを了承した。そして誰も解けないような問題を2問、1問2点で置かれた。この2問は成績には影響させないらしい、だから数学は26点なら赤点ではない。オレには関係ないけど
「佐々木、残念だったな。多分2位か3位だよ」
「この点数でですか…数学のあの問題解けた人いるんですか?フェルマーの最終定理は一応証明した人がいるので暗記すれば可能ですが、100点はありえません。もしいるとしたらリーマン予想を解いた最初の人類になりますよ。それに丸を付けたらここの教師も教師で凄いです!」
めっちゃ暑く語ってるけど何言ってるかわからんな。出会ってからいちばんハキハキ喋ってる気がする。
「廊下見てきてみ、TOP10は出てるから」
佐々木が廊下に行く、ま、オレも一応見とくか乗ってるかもしれんし
廊下の掲示を見るとオレの名前が乗ってた。あ、補習組も書いてあるんだったわ泣
1位は
五教科で500点、椎名 天
2位は
数学で1問落とし498の知念 一冴
3位が佐々木と
佐々木が呆然と順位を眺めてる
「お、3位だったな。」
「正直舐めてました。この学校凄いですね…学会に報告とかしないんですか?」
「確か、先生は盗作で発表しないって言ってるし、椎名さんはめんどいからしないって言ってた。」
「あぁもったいない…、先生にリーマン予想の答え聞いてきます。それでは」
「さて、帰るか」
誰かに首根っこを掴まれる。振り返らなくても誰かはわかる。逃げるか?いや逃げたら来年も2年生をやることになる。
「やぁ、先生元気?」
「あぁ、元気だよ。植野くんが留守にしてる間も元気だったよ」
「それで本日はどう言ったご要件で?」
冷や汗が止まらない。ていうか首根っこ痛い、『硬化』してるはずなのにどんな怪力だよ
「いやぁ馬鹿だとは思ってたけど、自分の名前も読めないのか?今日から毎日補習だよ」
目の前の掲示を指さしながら親切に教えてくれる。ていう生徒に馬鹿とか言っていいのか?訴えるぞ!
「逃げたら?」
「来年お前だけ教室が変わらないだろうな」
「よし!補修を始めましょう」
「相変わらず、切り替えだけは早いな」
呆れた顔をしたが、その直後少し笑顔が見えた気がする。




