57…復 最恐 活
目の前には膝をふるわせているメイドさんがいた。
思い出せ何があったか…確か最後の攻撃をした。起死回生や½は発動せずに攻撃をくらい…そこから記憶が無い。
体にあった傷はなくなっていない。ゲロ痛いまんまだ。
メイドさんは何に脅えているんだ?
「どう…なったんだ?」
「いや…別に何も無かった。この勝負お前の負けだ。治療してやるからそこで寝とけ」
高橋の言葉を聞き緊張がとけその場で息を引き取るかのように静かに眠り着いた。
意識が戻ると全身包帯まみれにされていた。嫌がらせか?
「執事さんこれなんですか?」
目の前にいるのは執事さんだけなのでとりあえず聞いてみる
「あばら骨が4本、右腕前腕骨折、肝臓が破裂です。輸血しなければ確実に死んでいましたね。」
「え?でも全然痛くないよ?」
「あと3時間したら麻酔が解け全身に激しい痛みがきます。その前に回復師が間に合うかどうか…」
「麻酔もう一回してもらうのはダメなんですか?」
「中毒になり死にます。」
「死!?」
早く来てくれまじ…あのワープの人使えよ。名前忘れちゃったけど。
「ちなみにメイドさん最後震えてた気がしたんですけどなんでですか?」
「気の所為ですよ。」
気のせいかまぁ痛みで意識が朦朧としてて震えてるように見えただけだろ。
数時間後
なんか体に違和感がでてきたような
「し、執事さん…回復師はあとどれ位で…」
「…少し部屋を外しますね。」
「執事さん!?執事さん!?」
数十分後
「痛いたいたいいたーーーいああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ」
更に数十分後
痛すぎる。ショック死しそう声も出ない…
更に更に数十分後
「……………」
更に更に更に数十分後
「あ〜これは酷いですねぇ。一気に治すので少し痛みますよ」
「ガッ」
今までで経験したことのない激痛を受けた。痛みで意識が飛んだが痛みで意識が戻るという頭もぐわぐわする生き地獄。
数分後
「痛みが消えた?」
「私は回復師の復回 シデス です。」
「変な名前ですね。本名ですか?」
「もう二度と出す気がないから作者が適当につけただけですよ。」
「なるほどです。ならどうしてここに尺を使ったんですか?」
「後で回収しますので安静にしててください。」
遡ること数時間前
植野とマリの戦いは最後の一撃で終わった。
植野が繰り出した攻撃はマリ避けられた。
避けたマリは使わないと約束した超能力を解放し力いっぱいで攻撃をした。
植野の体は原型を保てず木っ端微塵になった。
その瞬間現れた。死神が…
男が植野の肉塊に近づくとまるで時を戻すかのように肉塊が集まり肉体が再生した。
形が戻った事を視認するとマリの方に振り返る。
マリは背筋が凍った。本能でどう足掻いても勝てないと察したからだ。ただマリは植野とは違い実践を数多く経験している。だからこそ咄嗟に『鑑定』を使用出来た。『鑑定』で見えた能力はただ1つ
『数値旅行者』解析をする前に能力が使えなくなった。
ふと我に帰り自身を鑑定するとかなり弱体化されていた。これもまた本能で察する。先程まで植野に負ける可能性は0%だった。ただ弱体化されたステータスでは植野に1%にもみたい確率だが負ける可能性がでてきたと。自身が負けるまで植野は蘇るのだと察した。それと同時に自身のステータスなどいつでも0にされかねないことを感じた。
より一層恐怖が増す、植野に対する殺意は全て消え死神への恐怖だけになった。瞬きの間に死神は姿を消した。しかし動けない。
高橋が何か言っているが何も頭に入ってこない。
それから何分いや何時間たったのだろうか。我に返る。その頃には残っているのは剛力と高橋の2人になっていた。
「あれはいったい…なんなんでしょうか?」
今にも泣き出しそうな声で問いかける。
「俺も実物は始めてみた。あれは勝てない…」
「能力は1つだったと思うのですが…思い出せません…」
「1つって、6段階目ですか!?」
「分かりません。反射で鑑定はしたのですが。恐怖で記憶が…」
「『数値旅行者』ですね。」
どこからかから歩いてきた執事さんが話に割り込む
「知ってんのか?教えてくれ」
「えぇ1度戦いを拝見した事がありますからね。その能力は全ての数字に干渉できるというものです。時間も数字ですしレベルも数字です。万物は数なりという言葉もあるぐらいですから、なんでもできます。」
「回避する方法とかはあるのか?」
「申し訳ございません、そこまでは…」
「いや、いい大まかな内容がわかっただけでもな」
「でもどうして植野様に死神が憑いているのですか?」
全員が知らないと首を振る。
「一旦、植野のことは保留にしよう、それより…」
「それより?」
マリが問い返す。マリ以外全員の目が泳いでいる。
しばらくの静寂の後高橋が口を開く
「なぁマリのレベルっていつ戻るんだ?」
「え、まさか…」
慌てて自身を鑑定する。
「あ、これ、え?」
自身のステータスを見てふらっと気絶する。
「「マリ!」」




