56…無 決闘 理
「げほっけほっ。ちょ…ま」
痛すぎる。涙出てるし口も血の味しかしない。
「その程度ですか?真面目にやってくださいよ」
数分前
「では、始めましょうか」
「ターーーーーイム」
急に大声を出されてメイドさんが呆気に取られているがスルーだ。
このタイムの間に『ギフト付与』『宝箱』『鑑定解析』をすませよう。
ギフト付与▶︎防御力upと身体能力強化
宝箱▶︎小刀2本
鑑定解析▶︎失敗
まぁまぁだな。小刀は割と嬉しい、硬化あるから防御力upはいらんわ
「よし、始めよう。負けそうになったからって愛着×手数=完成度使うのなしだからな」
「使いませんよ。武器や能力も要りません。あなた相手なら左手…いえ右手1本で十分です。」
「どっち利き?」
「右利きですが何か?」
左手だとわんちゃん負けると判断したのか意外と冷静?いや能力なし武器なしに負けるわけないだろ。まぁ能力なしって言っても身体能力強化などのオート発動はついてるから。そこそこ早くてそこそこパワーがあるだけってことだろ。
「1発ハンデで殴られてやろっか?」
「いいのですか?それで死にますよ?」
「言い訳ねぇーよ。嘘に決まってんだろ。」
「あ、当たり前ですがさっきまでと一緒でどちらかが死ぬまでですからね。始めましょう」
「え、ちょっま」
1歩の踏み込みで5mちかくの距離を詰められる。避けるか、いや避けられない。
『硬化』(起死回生発動)
ボンッと言う轟音の後、20メートルほど吹っ飛ばされた。硬化と防御力upだぞ。
硬化の後なんか声が聞こえた気がしたけどまさか起死回生発動してないよな?いやありえないそれでこの威力なら発動しなかったら死んでた可能性がある。冷静に考えろ、メイドさんが起死回生を発動させたのか。それで納得がいく
「中々やるねぇ。ノックバックだけは褒めてやるよ」
「まさか立ち上がるとは思っていませんでしたよ。」
最高乱数引いたのにノーダメで驚いているな。でも今のを耐えれたってことはオレにもう負けは無い。
でもあの速度厄介だな。攻撃が当たる気がしない。
まぁ分析も兼ねて炎打っとくか
炎を数発飛ばす。何故かメイドさんはよけずに全て当たる。
「やったか?」
まぁ避けなかったってことはどうせビクともしてないだろう。
しばらくして煙が薄れる。
ノーダメ?いや服が半分燃えてるな。
下を向いている。だがうっすら見える顔が赤い。今攻撃しに行けば当たるか?
「あの…能力使っていいですか?」
「いやダメでしょ?ちなみになんの…」
「『異空間』て能力で服を取り出しても?」
「どうぞ」
まさか炎なんて効かねぇーよってやろうとしたら服が燃えて恥ずかしくなったのか?バカなのか?
咄嗟に許可したけど、もうちょい揺すれば良かったな。
異空間から服を取り出すと一瞬で服が変わった。
まさかこの一瞬で着替えたのか?クソ、心眼か瞬発力upなら見れたのに…
「ありがとうございます。お礼に攻撃を1度当てていいですよ。」
「まじ?本当に死ぬよ?降参しよ?」
「大丈夫です。起死回生が発動しない限り私にダメージは入らないと思いますから」
舐めてんなぁ。
とりあえず『融合』を使い小刀2本を1本の日本刀に
そして左手で炎をだしそれも融合する。
「燃える日本刀どうだ!かっこいいだろ?」
「萌え萌え侍さんですね。どうせ意味ないので早くしてください」
「もえもえ?まぁいいや。よけんなよ」
思っきり振りかぶり斬りかかる
(½発動、2分の1の確率で腕力が上がります。失敗しました。)
メイドさんの右肩に当たる。服が少し破けただけだ…鉄でできてんのか、こいつ
「わかりましたか?無駄ですよ?」
腹にパンチが飛んでくる。
体がふわっとして床に転がる。
頭に違和感が…そっと触ってみると血が着いている。血に気づくと体全体が焼かれたように熱くなった。
「さっきより弱くなりました?」
「…なってねぇーよ」根性でまだ立ち上がれるけど次は死ぬな。ていうかもう足元フラフラしてるし無理かもな。それにしても痛てぇ硬化は付けたままなんだけどな
また距離を詰められる。
殴られたがさっきより威力は弱い。あぁ痛てぇ。最近こんなことばっかだな。
まさかこれ殺さないようにいたぶってるとかないよな?
今度はグーではなくパーで腹を押される。
「げほっけほっ。ちょ…ま」
涙出てるし口も血の味しかしない。やっぱこれいたぶってるな
「その程度ですか?真面目にやってくださいよ」
やべぇな声が出にくくなってきた。次の攻撃で死ぬかもな
あーなんでオレ立ってんだろ。最初から負けってわかってたのに意外と頑張っちゃってるな。
起死回生にかけるか…
日本刀を構えようとするが力が入らず持ち上がらないため。素手で構える。
「次で終わりにしようか…」
「分かりました。次の一撃に魂を込めます」
真剣な眼差しが伝わったみたいでメイドさんも全力で答えてくれるらしい。
「マリさんだっけ。じゃあね」
お互いが踏み込み距離を詰めた。
立っていたのは…




