38…因 黒装束 縁
場所を聞き忘れていたことに今更気づいたが、さっきの爆音のおかげでどちらの方角かわかる。
「いやー、さすがに緊張してきたな」
「あ、あのワイ、ペーパードライバーんご、運転に自信ないンゴ」
「どうやってここまで車もってきたんだよ、さっきみたいに運転してみろよ」
「さっきは能力ンゴ」
「今回も使えよ」
「戦い前だし温存したいンゴ」
「あの私が運転しましょうか」
「そういえばルカ殿の能力は道具系に強いンゴな」
「ルナです。はい、車の運転も自信があります」
「能力があるとは言え運転を中学生か…^^」
「まぁ、この際どうでもいいや。早く行かないとミナト怒るぜ」
全員が車に乗り込む中1人だけ寝てる奴がいた
「起きろー、なんであの爆音で寝てられるんだよ」
「やかましいな、起きてるわ」寝てただろ朝のオレかよ
車に乗って進み始める
「運転安定してるね^^みんな避難してるからこっち車線空いてるね^^」
「そうだな、これなら10分かからず着きそうだ」
五分ほど走ると全力疾走でこっち来ているミナトがいた。
「危なかったわ、追われてたのよ」
「ほーん、ちなみに何人?」
「全員できたわよ。生き残ってるのは幹部2人とリーダーあと雑魚が7人ね」
「え?目の前のがそう?」
こくりと頷く、終わった心の準備ができてないわ
「でもなんで戦ってこなかったんだ?」
「大技使うとしばらく能力使えなくなるのよ」
「植野殿…」
「言うな…その技を使うって分かってたのに一人で行くとかやっぱアホだろとか言うな」
オレと佐藤はガチめに殴られた。
結構痛い、どれくらい痛いかと言うとクラス全員の前で怒られた時の心ぐらい痛い
「バカね。二人で行ってもあの爆発で死ぬでしょ」
「ボクなら行けたで」
刹那が答えたが何故かオレと佐藤がもう一度殴られた。
「すみませんした。囲まれてるけど降りる?」
「轢き殺せへん?、それから考えよか」
「嫌ですよ!」
「どうせ殺すなら楽に殺してあげよう^^」
「あぁーもう」バァンと音ともに1人引いた
「ほんまに轢きよった。冗談通じへんのかいな」
「えぇ!」
「嘘やで、ようやったな。こっからは任せんかい」
そう言って降りたのでオレたちも降りることにした。
「相手は9人か…おいミナトどれがリーダーだ?」
「あの黒装束の!1度あいつに近づいて挑発してから全力で逃げて」
ここから引き離したいのか。相手は1人の方が集中できるし移動するか
「わかった!」
相手側に余裕ぶっこいてるやつが1人いる。1度こちらを見たがすぐに刹那の方を向く
「ミナト僕も移動するからここはゼンと頼む。おいタヌキ野郎ついてこい」
ということはあれが屈狸?オレと同年代ぐらいじゃないか?
「植野殿よそ見してる暇はないンゴよ」
「わかってるよ、行くぞ」
走ってリーダーに近づくが佐藤はついてこない
「おい!」
「疲れるから無駄に走りたくないンゴ。あっち方向に行くから後で連れてくるンゴ」
あの野郎覚えとけよ。次こういうことがあったらめんどくさいことやらせるからな
JuGGleRでいちばん強い屈狸は刹那が戦い、リーダーはオレと佐藤、相手の残った1人の幹部と6人の下っ端は佐々木、ミナト、ゼン、ルナの4人が相手をする。
だがミナトは今能力が使えないし、ゼンはおそらく幹部と戦うとなると、6人の下っ端相手がルナと佐々木になってしまう…
まぁ気にしないようにして自分の相手に集中しよう
黒装束に近づくと見覚えがあった
「お前、ペンギンを殺したやつか…」
「ペンギン?ペンギンなんて殺したことねぇーよ」
「おい、お前なんであの時オレを殺さなかった?」
「は、雑魚なんていちいち覚えてねぇーよ。どうせ超能力者になりたてとかだったんだろ?」
「あたりだ…、お前オレと戦えよ」
「口の利き方がなってねぇーぞ」その瞬間オレの首スレスレに日本刀が横切る
あっっぶねぇ。危うく首とお別れするところだったぜ
「よく避けたな。能力か?」
口が裂けてもまぐれなんて言えない。
相手がこちらを見て目を見開いている
「ギフト付与持ちかよなんだよ。もっと先に言ってくれれば良かったのに。ぶち殺してやるよ」
「ちょっと待て面白い話がある。よし…」息を大きく吸って
「お前らー!目をふさげー太陽拳を使うー」
全力で大声をだした。
「クソが!」相手が目を塞いだ。よし
全力疾走で佐藤が行った方角に走りだす。
「ちっ、そもそもそんな能力ないじゃねーかよ」
走って逃げながらミナトや敵の様子を見る。
あれ?全員目をつぶって動いていない?こいつらまさか…
「まて、ミナトー!お前らさっきのハッタリだから目をつぶるな」
「な、なに?罠だったのか」相手の1人が叫んでいる
佐藤が見えてきた。あと少し…
ここで相手が構える距離は50メートルぐらい離れている。走って追いかけてきていない。つまりここは間合いってことかまずい次は避けられない。




