26…怒 動向 涛
8回の裏
1番清水、バットを構える。白倉は今回も念動力の球を投げてくるだろう。
白倉がボールを投げる。1球目は振らずに見た。そして2球目ボールがバットに当たりツーベースヒット。
おぉーと全員が歓声を上げる
「心眼便利だよな」
清水の能力は「心眼」「時止」「隠蔽」だ
心眼は今までわかってるだけで
「失明しても見える」「動体視力が上がる」「念動力などの超能力の力の動きが見える」欲張りセットだ。
時止は0.3秒の自分以外の時間を止めることが出来る能力。短そうに感じるが意外とできることが多い。
この2つの能力を使い、ツーベースをもぎとった。
2番ミナト
速度低下でボールを飛ばし、空中で大玉化させる。100回は見た光景でランニングホームラン。
清水とミナトが帰ってくる。
ここで3番オレ
見どころなしで来ているからそろそろだ。
3球で終わった。アウト
4番雷神
ここまでほぼ毎回ホームランを売っているうちのエースだ。
「少し私も本気を出すか」
雷神がそう言うと周りの空気が重くなるのを感じた。ここまでは本気じゃなかったのか?
バッターボックスに入るとより一層の空気が重くなり、キャッチャーが尻もちを着いた。ベンチにいるオレたちですら怯んでしまうほど重い空気だ。
数十秒後白倉が我に返り球を投げる。今までも何度かボールゾーンに投げられていたがそれもすべて打っていた。しかし今回は物理的に手が届かなそうな場所だ。ほぼ申告敬遠みたいなものだ。
しかし、横から球をキャッチャーに寄せとらせようとしたその球を雷神は見逃さなかった。小さく下がる。それにビビりキャッチャーもさがる
メキッパッン
と音が鳴ると
バットの上部とボールは粉々に砕け散っていた。
「やりすぎたな」雷神がそう言うと辺りに拡がっていた重い空気は薄れて行った。
「この場合はどうなるんだ?」
「さぁ?こんな場面見たことないもの」
審判が出した答えはツーベースヒットとの事だ。
まぁ、妥当なのかもな
「5番は福嶋先生ね、まぁ超能力者にもならなかったし無難にアウトかしら」
「多分そうだろうな」
1球目、バットにボールがあたった。
ヒットだ。1アウト1塁3塁
「先生、ここで打つか!」
「白倉も疲れてきてるのかしらね」
「次は双子か、先に打つのは妹のルカか」
「今回使えそうな能力は、ルカちゃんの方は何も無かったわね」
そう、ルカは攻撃に使えない能力を引いてしまった。1つだけまだ使えそうなのがあったが審判にルール違反と言われてしまった。
つまりここは…予想通り三振し2アウト目
7番のルナが出てきた。
「ルカ大丈夫だよ後は任せて」
「お姉ちゃん!任せるよ、行ってらっしゃい」
この2人明るくなったな…
ルナは「騎士」という能力を持っている。これは全ての道具の扱いが大幅に上がる能力だそうだ。
白倉がボールを投げる。真っ直ぐのボールしかし振ったら曲がるか下がるか分からない。
バントの構え。
「バンドじゃ無駄だ。当たらないだろ!」
カンと音が鳴るとボールは小さくころがっていた。
ファウルとフェアゾーンのギリギリで三塁手が取るかどうか悩んでる間にルナは走った。
結果はフェアで2アウト満塁
「今なんで当たったんだ?」
「見てなかったの?ルナちゃんボールが下がる前提でバットを下に落としてたわ。」
「落としたバットにボールを当てたってことか!えぐいな」
ここで登場するのが1番意味が分からないスキルを得た佐藤だ。
「さ、佐藤ファイトー」
「任せるンゴ」バッターボックスへと歩いて行った。
ここで佐藤が叫ぶ
「悲報ワイ幸運すぎて適当にバットを振るだけで満塁ホームランになる」
そう叫ぶと敵は?を浮かべていたがオレたちはガッツポーズを決めた。
「ふざけてんじゃねーぞ」白倉が球を投げると佐藤が適当にバットを振る。
「ボ、ボールが動かねぇ」
白倉は念動力を使っているのにもかかわらずボールを自由に動かせない。
そして佐藤のバットに当たり見事満塁ホームランを決めた。
4人が帰ってくる
「佐藤もお前らもナイスだぞぉー」
「みんなのおかげで1点差まで来たよ」
「次は自分っすか…」
「自信もって行こう」清水が言うとより矢吹はテンションを落とす
「自分が今ここで使える能力は身体能力強化ぐらいなのに素の風神さんより弱いんすよ。自信なくすっす」
雷神が少し考えたあと近づく
「すまないな。私が弱くなってやることは出来ない、しかし君が強くなることなら出来るはずだ。自信を持ちたまえ」
パァンと矢吹は自分の顔を引っ張ったいた。
「勝ってくるっす」元気が戻ったようだな
1球目空振り
「よく見るっすよ。今の自分は動体視力も上がってるんすから」
2球目空振り
「焦らなければ行けるっす」
3球目カキーンとボールがバットに当たった!
「よし、あいつやるな」
「いや待て、矢吹が遅い?」全力で走っているが全く進んでいない。まさかこの能力!?
「中本の能力ね」
「俺は気づいたんだよ。別に守備の時に能力を使ってもいいってな」
中本は叫びながら外野が拾ったボールを受け取り矢吹に触れる。
「タッチアウト、チェンジだ」




