23…轟 念動 速
「とりあえず表と裏はじゃんけんで決めてね、あと審判はAIがやるから誤審の心配はない。それじゃあ1時間後に始めるから」主催者が言う
「誰がジャンケンする?」
「誰でもいいよ」
「じゃあツバサくんで」
清水の問いかけにオレが答えミナトが結論を出した。
「はい」誰でもいいとは言ったけどねぇ〜。それにオレは含まれてないよ?もう断れないけどね。
「最初はグージャンケン」
オレ「チョキ」
相手「グー」
あー、負けたか…
「表と裏どっち?」
「じゃあ表で」
これどっちがいいとかあるんか?裏の方がかっこいいだけな気がするけど
みんなのところに戻る
「裏になった」
「おー裏か」
「裏ンゴか」
「裏っすか」
なんだよみんなして、裏ってダメなの?
「裏って弱いの?」
「いや、裏の方が人気だよ」
なんやねん、こいつら
「ウォーミングアップを始めようか」
とりあえずキャッチボールをすると、ルカの方はありえないほどの運動オンチでゆるい球も取れないことがわかった。ルナはそれに比べれば少しマシだったがフライが壊滅的に捕れない。ミナトと先生はオレよりも運動神経がよかった。なんか悔しい
残る男どもは清水はなんか全部平均以上
佐藤は球は取れるが足遅すぎ
風神は球速いし、打てるし、捕れる。実質大谷だった。
矢吹は身体能力強化のおかげで結構凄かった。
オレは普通だ
30分ほど経つと清水から召集がかかった。
「とりあえず打順と守る場所を伝えるね。」
打順 名前 ポジション
1番 清水 ファースト
2番 ミナト ショート
3番 ツバサ センター
4番 風神 ピッチャー
5番 福島 レフト
6番 ルカ サード
7番 ルナ キャッチャー
8番 佐藤 ライト
9番 矢吹 セカンド
なるほど、こうして見るとやっぱ双子邪魔だな…まぁオレもそこまで運動できるわけじゃないけど
「ちょっといいか」風神が口を開く
「あんな子じゃ私の球を取れない気がするんだが」
「他に入れる場所もないんだろ。それより私がレフトって言うのは冗談か?」先生が答える。
確かに…まぁ20代っぽいし走れるだろ。
「あはは、始まってみてから変えることもできるし、一旦これでいい?」
みんなグチグチ言っていたがとりあえず黙った。
しばらく練習をし、いよいよその時は来た。
「さぁプレイボールだ」
とりあえず守備、センターかでも先生はルカちゃんのフォローに行くだろうしレフトもオレが守る気でいないとな。
「風神さーん、全力でね!」
「分かっている、オラァ」球を投げる、馬鹿みたいに速い。ストライクゾーンか?
「ひ、ひぃー」キャッチャーのルナがボールを捕ることを忘れ、腰を抜かした。は、はやくないか?その次のボールもその次も…キャッチャーがスリーストライク目のときも取りこぼしたためバッターそれを見て走り出した。ルナは慌ててボールを取りに行ったがその時には既にバッターは三塁にいた。
得点板には185キロと表示された。
「誰があんなん取れるねん」
「世界記録より20キロぐらい早いンゴ…」
「ターイム」清水が叫んだ。
「あ、あのもう少しゆっくり投げられないかな?」
「それだと負けてしまわないか?」
「あ、あの球捕れる人いる?」
誰も手をあげない。あれは無理だ。時間がたちタイムが終わりそうになった時、
「あの…自分ならいけるかもっす」矢吹が手を挙げた。身体能力強化か…
「矢吹くんを信じるしかないか…ルナさんはセカンドに入ってね、僕とミナトさんでフォローするから頑張ろう!」
「ツバサくん、『ギフト付与』使わないの?」
あ、忘れてた。ミナトと矢吹には付与できるやんけ
「今、やろうとしてたんだよ」
付与すると
矢吹は動体視力up
ミナトは「防御力up」
オレは経験値up
つまり3分の2不発で終わったが、矢吹には当たりの能力が行った。
試合再開、ノーアウト3塁!絶望でしかない
「矢吹くん、行くからな、オラァ」さっきよりも速い…捕れるか?
バンと音が鳴ると矢吹のグローブの中に球が入っていた。
「ツバサくん、これ凄いっすよ。球が止まって見えるっす」動体視力upすげぇ、あれ取れるんかよ。でも絶対手痛いよね?
「まだ1本だぞ、あと2本集中」
「バッターの君に言っておくことがある。私はストレートしか投げない」
その後2番(佐々木)、3番(安藤)は打たれることも無くアウトをもぎ取った。4番がでてくる。
「うーむ、どうするか」雷神が周りに聞こえない声でつぶやく
雷神はストレートを投げる
カキーンと音が鳴ると球はゆっくりと上にあがりそのまま、まっすぐ進みホームランになった。
「ヒャッハー、これは俺らの勝ちだぜ」
相手に2点入ってしまった。
「彼の能力は念動力よ、おそらく自分の目の前で球を止めてバットに当てたあと念動力で外に出してるのね」
「先に言えンゴ」
マジそれ、やられてから言うなよ…
5番は何事もなくアウトを取れたが、1回で2点も失点してしまった。ここで取り返したい。
「みんな、絶対勝とうね」




