20…武 超能力者 人
敗者復活戦が始まるとそれぞれ動きだした。
一応さっきのグループのメンバーを見ると安藤と伊藤が合流していた。2人とも選んだ武器は銃だ。
こちらからは聞こえないが2人は何かを話している。作戦か?
「アンちゃん、もうやだよ。約束通り一緒に死のう」
「そうだね…イトちゃんとカナちゃんと過ごした時間は私の宝物だよ。ありがとう」
2人が泣きながら話しているがこちら側からは聞こえない
「じゃあね。アンちゃん、あっちでも3人で仲良くしようね。」
「うん、一緒に行こうね」
安藤と伊藤は2人は自分の頭に銃を当て「バン」と銃を撃ち2人で静かに倒れた。
頭からダラダラと血が出ている…
「安藤、伊藤、脱落あと12人」
主催者が何か言っているが頭に入ってこない。今は2人の死体と喋っていたときの2人が脳内をぐるぐると駆け巡っている。
しばらくして我に帰った時、ちょうど残りの人数が報告される。
「小泉、脱落あと5人ね」
スクリーンを見ると死体が至る所にあった。
「福澤と小池は残ってるのか…あと3人は知らない奴だな」
あれ?小池いなくないか?スクリーンには4人しか映っていない。
しばらくすると1人が急に口と腹部から血が吹き出し倒れた。
「今どうなったんだ?」
「超能力でしょ。今までの見てなかったの?」ミナトが答える
そうか小池の能力に『透明』ってのがあった。おそらく自分自身を消すことができるのだろう。これは小池の勝ちか
「原田、脱落あと4人」
「あと残っているのは、姿を消している小池、うずくまっている福澤、妙に自信がありそうな顔をして竹刀を持ったお兄さん、強そうなお姉さんだな」
竹刀を持ったお兄さんが急に誰もいないところにきりかかる。
「あれ何してんだ?」
「まぁ、見てなさい」
その後も何度も誰もいないところに斬りかかっている。しばらくするとそこから小池がでてきた。
「ちっ、てめぇ超能力者か?いったい何レベだよ。鑑定しても偽装されててわからねぇよ」
「超能力者とはなんだ?俺はただ自分の感覚を信じて剣を振るっているだけだ。」
「あいつほんとに一般人?」
「ええ、そうね。武人だわ」
小池は舌打ちをするとまた姿を消した。
しばらくすると今度は女の人が急に目の前をアッパーした。そうすると口から血を吐いた小池がでてくる。
「安心しろ、私は超能力者だ。身体能力upと心眼であなたを殴ったの、次は殺すわよ」
小池からの返事がない。静かに倒れる。
「小池、脱落あと3人」
「あ、これで死ぬんだ」女は驚いている。随分人を殺すのに慣れてるな、きっと強いんだろう。男と女どっちも鑑定してみるか
『鑑定』
名前⋯藤江 刀路 (フジエ トウジ) Lv0
通称⋯特になし
身長⋯161cm
体重⋯58kg
性格⋯真面目
性癖⋯清楚
趣味⋯自己研磨
悩み⋯自分より強い相手がいない
ギフト⋯なし(付与可能)
名前⋯河村 りき (カワムラ リキ) Lv2
通称⋯特になし
身長⋯175cm
体重⋯68kg
性格⋯脳筋
性癖⋯M男
趣味⋯漫才を見る
悩み⋯最近変なやつらに命を狙われている
ギフト⋯「筋力2倍」「身体能力強化」「心眼」「火」「鑑定」(付与可能)
鑑定してみた感じ、筋力2倍程度なら藤江が勝ちそうだな…
「なぁ筋力3倍ならいい勝負出来たかな?」
ミナトが「何言ってんだこいつ?」って顔で見てくる。
「な、なんだよ」
「まさか筋力2倍ってパンチ力が2倍なるだけとか思ってる?」
「そうだけど違うのか?」
はぁとため息をついてから話し出す
「パンチ1つにしても握力2倍×上腕二頭筋2倍他にも広背筋2倍とかで普通のパンチの数十倍の威力がでるわ」
まじかよ、そんなのずるだろ。でもよく考えたら女の人のパンチを2倍にしたところで小池が死ぬわけないよな。前言撤回おそらく河村が勝つな!
そんなことを話していると藤江が少しずつ河村の元へ近づいている。2人の視線はバチバチにぶつかっている。
2人が2メートル程度まで近づくと会話を始める。
「女を斬るのは私の流儀に反するがこの際仕方ない。許せ」
「女って、なめんなよクソチビ」
「てめぇぶち殺すぞ」先程までの藤江からは考えられないほど大声で叫びながら。河村へ斬り掛かる。
かなりの速さで何発も竹刀をぶつけているが所詮は竹刀筋力が2倍の河村にはダメージが入らない。1度間合いをとる
「それで終わりか?」藤江も速かったがこっちは人間じゃない速さで藤江に襲いかかる。
「バケモノめ」逃げずに竹刀を構える
「オラァ」
女とは思えない声と同時に人間とは思えない威力のパンチを藤江にぶつける。藤江は漫画でしか見た事ない吹っ飛びをみせた。
「10メートル以上飛んでないか?さすがに死んだか…」オレが呟くとミナトが答える
「あれはさすがに死ぬわね。」
ミナトがそういったのと同時くらいに藤江が起き上がる。
「これは理不尽な威力だな。」
オレ「なんで生きてんの?」
ミナト「なんで生きてるの?」
河村「なんで生きてんの?」
「ボクシングのスリッピングアウェーの応用だ。事前に体を浮かして後ろにジャンプしといたんだ」
あの一瞬で攻撃を避けるのではなく、受け流すことを選択するのは流石としか言いようがない。でもたぶん普通死ぬよね?
「私も少し本気を出すか」
藤江はそう言うと竹刀を床に置き素手でかまえた。




