2…証 譲渡 明
授業がおわり再び会話に戻る
「オレが超能力者って証明するために今日の放課後ショッピングモールに行きます。いいですね？」
適当な人間を鑑定して名前でも当て続ければ信じてくれるよな。あと知らない人にも使えるか試してみたいしな
「別にいいよ 買いたいもんあったし」
さすがペンギンちょろいぜ！
「リュウは？」と聞くがノーと返事を貰ってしまったのであきらめる。まぁ一人でも超能力を理解してくれれば一旦いいや。
宣戦布告でもしとくか…
「今日の放課後楽しみにしとけよ！」
ペンギンが「おー」とやる気のない掛け声をくれた。何もないよりはいいけどなんかカンに障るな。
「リュウキはなんで険しい顔してんだ？うんこか？」
「ツバサ、何かあったらすぐに連絡しろよ。」
「え、ちょ俺無視？」
何かね？何言ってんのか分からないけどとりあえず頷いとくか。ペンギンはうんことかしょうもないこと言ってるから無視されんだよ。
やばいうんこばっか考えてたらオナラが出そう。スカすか、爆音で誤魔化すか？いやオレには「隠蔽」がある。
ここは普通にだしつつ隠蔽と叫べば
「隠蔽」ブブゥ〜
かなり音鳴ったけどこれで隠蔽できてんだよな。
2人の顔を見るとこちらを白い目で見てる。多分隠蔽できてねぇーわ。クソ能力が
「そろそろ授業始まるね」
「お前さすがに汚い」
「2人ともうんこマンかよ」
「…」
放課後ショッピングモールについた。
知らないおじさんが通るあの人にしよう
「鑑定」知らない人にも使えることがわかった。これひょっとしてかわいい女の子に使えば性癖分かるんじゃね？
「ハハハハハハハハハハハ」勝ったな
「どうしたん？いつもよりキモイぞ？」
ちっ、こいつせっかくのいい気分を台無しにしやがって。オレのウハウハエロエロ計画の邪魔すんじゃねー
「で？超能力はどうした？」忘れていた、とうとうオレの力を証明するか。あ〜エンタキーを、ターンって叩きたい気分だぜ
「さっきのおじさんは佐藤太郎って名前だ、趣味は釣りらしい」ドヤ顔で言ってやった。これで認めざるを得なくなるな。
「へー、それでどうやって証明するの？」
「ん？だから佐藤太郎さんだって」
「いやもうその人いないし、俺の見立てではあの人は鈴木次郎さんだな」
あ、そういえば証明できない。コミ障のオレにはあの人に話しかけて名前と趣味を直接確認することもできないし、知らない人に急に名前と趣味聞かれるとか普通に考えておかしいし怖い。
「これはやめだ…」
もう1回ペンギンの鑑定でもするか
なにか話題に出来そうなものもあるかもしれないし
「鑑定」
うーん知ってる情報ばかりだ
ん？一番下に付与可能って言葉があるな。
オレの能力はギフト付与だ！つまりペンギンに超能力を与えられる？試してみるか
「ペンギンお前に超能力をさずける。これで失敗したらもう信じなくていいぞ。」はいはいと軽くあしらわれたがこの際どうでもいい。
「ギフト付与」おそらく成功した。
「なんだこれ、多分超能力使えるようになった。」
ペンギンが言う、つまり成功だ。
「それで何の能力使えそうだ？」
「硬化と炎色だと思う。使い方はわかんないけど多分使える」オレと同じ感覚におちいってるな。
「硬化って言えば固くなるんじゃね？」意外とこの能力が簡単に使える事を理解してきたからな、それで多分行ける。
わかったと静かに頷き
「硬化」といった。
見た目に変化は無い触ってみると全身が鉄のように固くなっている。
「すげぇ、鉄みたいに硬いぞ」オレは興奮しながら言った。あ、興奮してるけど別オレは固くはなっていない。どこがとかは特にない
「体の重さはいつもと変わらないのにすご」
「な、超能力使えるだろ！」
「あ〜、使える本当に使えるすげぇよこれ」ペンギンがはしゃいでいるのを見るのは嬉しい。しかしオレより分かりやすくて強い能力が正直羨ましい。
「なぁ炎色も使ってみようぜ」
「やっぱ炎の色を変えられるのかなぁ！俺すげぇことになってるやべぇよマジで」こいつ急にめっちゃ興奮するなさっきまでオレに呆れてたくせに。
「じゃあ、外行って試すか。」
「うん、でもその前に固形燃料とライターとマシュマロ買ってくぞ」
「能力早く使いたいんじゃねーんかよ」
オレとペンギンは河川敷の方に移動する。その道中もペンギンは体を硬くしたり普通に戻したり交互に繰り返していた。べ、別に羨ましくなんかないんだからね。
ここら辺なら人通りも少ないし周りに燃え移りそうなものもない。
「火つけるぞ？」
「あぁ、早くしてくれ早く試したい！」
ライターを取り出そうとペンギンから目を離した瞬間。
___ペンギンが死んだ。
___足元にペンギンの頭がころがってきた。
