19…復 敗者 活
「敗者復活戦!?さっき殺されるはずだった4人から1人選ばれるのか?」オレが聞くと主催者が答える。
「違う、ABCの3グループの中で1人だ」
そう言うと部屋の扉が開き元々いた部屋に繋がった。ジャンケンで死んだ人達は跡形もなくなっている。
しばらくするとAの扉も開き中から人がでてくる。
出てきたのは4人、見たことないおじさんと女子中学生の双子、それとミナトだ。
次にBが開く、こちらは6人だ。見たことない人が5人と先生だ。よかった知り合いはみんな生きてる。
「Aが4人、Bが6人、Cが7人で今が合計17人あと1人欲しいから、殺されるヤツから1人だけ復活させます」
こいつは何を考えてるんだ?18人にして野球でもやらせるつもりか?まぁ大半の種目が偶数の方がやりやすいんだろうな…
「とりあえず準備するから生き残った人たちはくつろいどいて。」
しばらく空いた時間ができると皆が話しかけてくる。
「植野殿、人狼は誰だったンゴ?」
「安藤だった。」さっきまで部屋に閉じ込められて死ぬか生きるか他人任せになってた人達は安心したのか、オレや雷神を質問攻めにする。
一段落ついて、ミナトのところに行く
「あの、さっきは強く当たってごめん…」
オレが謝るとミナトはキョトンとした顔になる。
「あ〜、気にしてないわよ」
「良かった…それにしてもミナトたちのところ人死にすぎじゃね?」率直な感想を言う。
「人狼側が勝ったから人が少なくのよ」
「よく生き残れたな」
「えぇ、まぁ人狼側は簡単だしね。」
あ、こいつが人狼だったのね。
「一応、どんな感じだったか聞いても?」
「一日目に鑑定で全員の役職見て、電話で剣士と協力して、初日で占い師を殺し、夜のターンで毎晩3人ずつ殺すと2日目の夜で終わるわ」
「な、なるほど。い、いい作戦だな」
こいつも結構やばいよな。オレが変な顔をしているとミナトがあぁという顔で
「あのおじさんが人狼で双子の1人が剣士、もう1人は市民ね」
いや、そこが知りたかったわけじゃねーよ。まぁいいや。
「先生のところ行こうぜ」
「私はパス、あの人あんま好きじゃないの」
うーん、オレは結構お気に入りだけどな…
ミナトは前に恥をかかされたからな
「先生、お疲れ様です。どんな感じでしたか?」
「どんなって…まぁ大変だったよ。最終的に市民が勝ったのは良かったが2回も市民を通報してしまった…」
「そう…ですか」オレがうつむいていると、先生が口を開く
「まぁ君が落ち込むことじゃない、それより任せた4人は?」そういえば任されてたんだった…
「2人…殺されます。」
「まぁ2人残っていれば上出来だ。次からは守れなかったものより守った者の数を報告しろよ。今回は運も絡んだからな」
2人守れたのか?あれは守ったんじゃなくてたまたま2人残っただけだ…
中央のスクリーンが点灯する。体育館ぐらいの部屋の中にいる負けた人がいる所が映し出される。
「おっと、主催者が何か言い始めるぞ」
「敗者14人には今からただの殺し合いをしてもらいます。武器は3択、3発の拳銃、13cmのナイフ、竹刀です。好きなの選んでください、」
おそらくあちら側にも聞こえているのだろう。あっちでざわめきが起こる。
「先生これは…」
「ひどいおこないだな。」この人はこんな時でも冷静だ。
「いた、ツバサくん」ミナトがこちらに来る。
「ミナト…」吐き気と涙が込み上げてくる。
「なんでそんなきもい顔してるのよ。気持ち悪い」
オレ今どんな顔してんだ…
顔を触ったり、あわあわやっていると
「そんなことしてないでちゃんと見なさい。ツバサくんなら何の武器を選ぶ?」
オレならなんだ拳銃は当たれば強いが素人は当たらないと言うし3発しかない。ナイフはリーチは短いが殺傷力があり最後まで使える。竹刀は殺傷力はないが安定したリーチをだせる、
「うーん、ナイフかな。最後まで戦うなら流石に」
「私なら竹刀ね、それでツバサくんみたいな人と戦ってナイフも調達するわ」
それはオレが弱いということですか、そうですね。弱いですよ。
「まぁ、今回はどれを選んでもあまり関係ないわね」急な真剣モードだ。
「どうして?」
「私よりは弱いけど、かなりの実力者が一人混じってるわ」
小池のことかな…流石に超能力者はズルだよな…
「武器は全員選び終わったな。さぁ殺し合いスタートだ」
こうして敗者達の殺し合いが始まった。




