表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/64

16…選 犠牲 択

「はい、話し合いは終わりね。全員自分の部屋に入って投票して」主催者の声が聞こえる


「みんな今日はスキップでね」清水が言うと大半が頷いた。


部屋に入るとタブレットが置いてあり、全員の名前とスキップという文字が表示されている。

(まぁ今日はスキップでいいか)

矢吹に投票しようかとも考えたが下手に市民を殺すのは得策ではない


それより今は誰を占うかだ。今1番グループの中で発言力がある清水を占うか、自分にとって不利益をもたらす矢吹や小池を占うか悩ましいな。だけど人狼側なら清水を殺したいだろうしこのターン死ななそうな福澤って女の子を占うか


しばらくすると主催者から電話がかかってきた。

「誰を占う?」

「福澤 雪で」

少し間が空いて主催者から役職を告げられる

「人狼だ」




「2日目スタート」

「ちなみにスキップ7人・植野1人・佐々木3人ね」

主催者の声で扉が開けられる全員が続々とでてくる。いや1人だけでてこない奴がいる斉藤だ。


「えっと、人狼にやられたのは斉藤さんかな?」

清水が言うと


「これで1人目の人狼が分かったわね、佐々木よ。私たちのこと嫌いなんだから殺したのね。この人殺し」安藤が叫ぶ


「そうよ、今日の議論でこいつ殺しましょうよ」

伊藤も叫ぶ


「ちがう、私じゃない信じて」泣きながら叫ぶ


「違うのではないか?私が人狼ならそんなあからさまなことはしないぞ」雷神がそう言うとすかさず佐藤も「自分が疑われることするのはただの馬鹿やで」


「この話は後にして、一旦役職の確認をするとしますか」清水が言うと


雷神「私は市民だ」

清水「私も市民です」

佐藤「市民ンゴ」

矢吹「市民っす」

安藤「市民」

伊藤「市民」

福澤「え、えっと市民です」

佐々木「市民です…」


「市民がこんなに多いわけないんだけどね。残りの2人はどうなのかな?」


小池「俺も市民だよ」


「後は植野くんだけだよ?言えない理由でもあるの」

「オレは占い師だ」カミングアウトしたら人狼に狙われそうで怖かったが仕方ない。しかも占ったものが占ったものだからな。


「オレが占ったのは…福澤だ…」福澤が泣き出す。ここで全員が福澤の役職を察しただろう。それ以上は誰も話さなかった。


「なんだこの空気は?殺したくないなら回復師が回復させればよかろう?」雷神が口を開く


「そうか、その手があったか」清水が喜びを表すが


「そしたら、もう1人の人狼がほぼ確定で死ぬっすね」


「どういうことですか?」


「今、回復させたら人狼に全滅させられるか。斉藤と2人と剣士を生贄に人狼を助けるか、人狼を探して通報するの3択になるっすね…」

何人かがこの話で理解できていたが、ちんぷんかんぷんそうなやつも数人いた。オレは多分理解できてるし説明するか…


「人狼に全滅この場合は生き残るのは人狼含め2人から4人、人狼を回復は斉藤は死んで回復させる2日間に2人死ぬ。更にそこに剣士が含まれてなければ剣士も死ぬ。生き残るのは7.8人。最後に人狼を探して通報、次回復できればこれは犠牲が1人しかでない!」オレが言うと話について来れなかった人たちも答えがひとつしかないことに気づいた。


「つまり、もう1人の人狼を見つけるだけでいいンゴ?」頭を縦にふる。


「流石に人狼を殺すよなぁー。まぁ今夜人狼に殺されるのはツバサくーんだと思うけどねぇー」


小池が言ってることは正しい。もう1人の人狼を通報する方が1番手っ取り早いし、占い師とカミングアウトしたオレが狙われるのは当たり前だ


「犠牲を最小で抑えるなら福澤を今日通報することを条件に、もう1人に名乗り出てもらうことだな」雷神はなんて恐ろしいことを言うんだと最初は思ったが、これが一番理にかなってる。確かにこれならほぼ確実に市民の勝ちで10人生き残れる。


「え、えっととりあえず福澤ちゃんは回復させる方向で?」話聞いてなかったのか?いやおそらくお人好しの清水が子供を犠牲に生き残ろうなんて言わないよな。


「あ、あのちょっといいですか」佐々木が言う。このタイミングで話すことはなんだ?役職か?


「やっぱあんたが人狼?」


「ち、違います。あ、あのそもそも回復師って生きてるんですか?斉藤さんて可能性は…」


「あ、確かに」

盲点だった。その場合は今日福澤通報が安定するのだが…


「わ、私、最初のジャンケンお母さんとやったんです。お母さんはいつも優しくて、今日もおうちで晩御飯にカレーを食べていました。そしたら急にここに連れてこられてました。お母さんは状況を感じて、私を生き残らせるために、私とジャンケンすることを選びました。お母さんはグーを出すと言ってグーをだしてくれました。私はパーをだして勝ちました。そしたらお母さんが目の前で死にました。最後にお母さんは私に「あなたは生きて…強く、長く」」そうすると福澤がまた泣き出した。くそ子供のくせに泣き脅しとか卑怯だぜ( ¯꒳¯̥̥ )


「回復師いるなら名乗り出てやってくれ」清水が言うと手を上げる人物がいた。


「私よ…」伊藤だった。


「あーもう、今夜雪ちゃんを市民にするわ」ここで重要なミスをしたがこの時は気づかなかった…


「ありがとう」

「あ、ありがとうございます。」

福澤と何故か清水もお礼をいった。

ここからしばらく議論をしたが特に進展はなかった。



「じゃあ、今日もスキップっすか?」


「うん…後は一応植野くんに誰を占ってもらうかだけ話し合おう」清水さっきまでの優しいお前はどこに行った。一応ってまるでオレが今から殺されるみたいじゃないか泣


「1番怪しい佐々木でいいんじゃないの?なんなら今すぐ通報する?」伊藤が言う。命がかかってる場でこういうこと言うやつほんとにだるい。イライラするけど今は抑えろ


「うーんそれより、矢吹君の方がいいんじゃない?最初に疑われてたけどちゃんと発言してくれてるしここで白って確定させるのはどうかな?」


「自分は占われた方がお得なんで特に言うことないっすけど。怪しい奴占った方が良くないっすか?」


「占われたくない理由でもあんのかよ?」小池の言葉に矢吹の表情がかたまる。まさか2人目の人狼は


「じゃあ自分でいいっすよ」


「じゃあ今日はスキップでオレは矢吹を占えばいいんだな」


「そうだね」


「はい、話し合い終わりー投票してください」


「それじゃあ、みんなまた後でね」


夜のターン

オレはスキップを選んだ。

そしてここで清水に電話を選んだ。だが通話中になっていて話すことができない、仕方なく佐藤に電話をかけた。

「なんやで?」電話に出た。

「オレは多分今日人狼に殺される。」

「それは残念ンゴねぇ〜」

こいつムカつくなぁー

「もしオレがここで死ぬようだったら、ミナトってやつにお前にあたって悪かったって伝えといてくれ、あとリュウに…いやなんでもない。ミナトってやつに伝えといてくれよな」


「わかったンゴ、男の約束やで」

「ありがとう、それじゃあ」


それからしばらくすると

「誰を占うか決めたか?」

「矢吹」

少しの間の後

「矢吹は市民だ」


「そうか、できれば明日に繋げたかったな…」



「夜のターン終了」主催者の声が聞こえる

「スキップ8人・佐々木2人ね」


オレの部屋のドアが空く。生き残ったのか?だとしたら昨日の佐藤とのやり取り恥ずかしいな…


部屋からでると明らかに人が少ない。いないのは…3人!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ