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12…拳 鋏 紙


「ここはどこだ」真っ白な部屋に大きなスクリーンがひとつ、それにかなりの人がいる。


「これはツバサくんが相手にしていた人の能力ね。いわゆるデスゲームが始まるわ」


「ここにいる全員でか?」

ざっと見ただけで100人はいそうだ。子供から老人まで男女関係ないな。パジャマの人もいるしここら辺にいた人たちが集められたのだろう。


「えぇ、おそらく生き残れるのは2、3人よ」

2、3人むちゃな確率だな。まさかここにいる人たちと殴りあったりするのか?


「何をやるか分かるか」


「主催者によって内容が変わるからなんとも言えないわね」


「そういえばミナトが戦ってた相手どうした?」

まぁさすがに相手を雑魚呼ばわりしてるぐらいだしもう殺したのかな…


「ニゲ…殺さなかったわ。本当は殺せたけどツバサくんに殺させて経験値を獲得させるためにあえて殺さなかったわ」

多分こいつ逃げられたんだな。分かりやすいな。

ていうかあそこに…

「その逃げた後輩の方もこの空間にいるな」


「いるわね。それにあれ、先生じゃない?」ミナトに言われ振り向くと先生がいた。


先生もこちらに気づくと近寄ってくる

「お前ら今どういう状況か分かるか?」


「なぁなぁ全部話すか?」先生に聞こえないように小さな声で喋る

「どうせバレるから喋ってもいいけど多分生き残れないから死んで記憶がリセットされるわよ」

「オレ先生の事結構すきだから死なせたくないんだけど」

「話すかどうかは自分で決めて。まぁツバサくんが死ねば先生の生存確率も上がるかもね」

話すか?いや話しても後々めんどうが残るだけだここは一旦スルーだな。


「オレ達も分からないんすよー」これが最善だな。下手に情報を与えてもこんがらがるだけだ


「そうか、それは残念だよ、私は他の人にも話を聞いてくる。くれぐれも気をつけてな」


「うっす」先生は人混みに消えていった。知らない人によく話しかけようと思うよな…


「あれでよかったの?」ミナトが聞いてくる。オレは少し困ったがそのまま伝える


「あぁ、できる限りは巻き込まない」


「そう」


【第1競技】「ジャンケン」大きくスクリーンに映し出される。


「2分の1で死ぬわね」

ミナトが言っている意味を理解するのに少し時間がかかったが確かにそうだ。


「ガチか」


「第1競技はジャンケンだ。5分以内に好きな奴と戦え。出さなきゃ負けよう最初はグージャンケンポンこれが掛け声だ。負けたヤツと戦わなかったやつは殺すからな」

やる気のない声だが恐らく先輩の声だ。


この説明を聞いても普通の人じゃ意味わからんよね


「ふざけるなぁー、ここからだせ。すぐに警察が来るぞ」1人の男が叫んでいる。周りの人達も声をあげようとした瞬間。


「バァン」と銃声が鳴り響く


「喋ったら殺すから」

その銃弾は男の隣にいた女に当たった。


「みゆき、おい大丈夫か、しっかりしてくれ」男が泣きながら撃たれた女に寄り添っている。彼女だったのだろうか。下手したら自分が撃たれるより…


「許さない、許さないぞ、お前を殺すからな」

男が叫ぶとまた発砲音が聞こえた。今度はしっかりその男が撃ち抜かれていた。ここで泣き始める者や吐き出す者がでてきた。


「うるさいヤツときたないヤツは殺すから」

うるさかった室内が一気に静かになる。


「やばいなこれどうする?」


今回はぬるいほうよ超能力者がほぼいない状況だからほぼ私たちの勝ちよ」


「いや、そういうことじゃなくてもういいや」


「カウントダウンスタート」先輩の声が聞こえる


「まぁとりあえず、相手探しからね」


「じゃあいったんわかれるか。後で合流する」

どうするか、じゃんけんで負けたら死、勝ったら人殺しか…


「おい勝負しろ」

メガネをかけた細長いやつに話しかけられた。


「いいのかオレで?負けたら死ぬのにそんな雑に選んで」


「ボクは…俺はゼッタイ勝つそれで家に変える」

めそめそしながらなんか話しているが聞き取れない。まぁジャンケンなんてどこまで行っても2分の1だ。


少しせこい気もするが死にたくないし自分にギフト付与しよう。自分を第一に考える。


「『ギフト付与』」知能指数up


空気を大きく吸う、そして頭の回転が早まるのを感じた。

「おい、せっかくだから心理戦にしようぜ。運だけじゃお前も不本意だろ?」


「オレはグーをだす」オレは相手に宣戦布告をした、

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