11…雑 幸運 魚
「あ〜疲れたしそろそろ帰るか」オレが伸びをしながら言う、それにリュウもミナトも同意して帰ることになった。
「そうね、今日はもう遅いし私が送っててあげる」
その言葉は男子が女子に言われたらおしまいなような気がするけどオレは自身の安全のために頭を下げるしか無かった。
「じゃあね、リュウくん」
「じゃあな」
「また明日な」
「ツバサくん、気づいてる?私たちは今尾行されてることに」
「尾行?」
「声が大きい」
「あ、わりぃ」尾行してる奴は超能力者でほぼ確定だろうな、どうするミナトを押し飛ばして走って逃げるか?
「何人?」
「2人、気配からしてあまり強くないわ」
「よし、やろう」
「おい、尾行してるのは分かってんだぞ、出てこいや雑魚ども」ビビって逃げるだろ三下共なら。こっちにはミナトさんがいるんだからな
「おいおい、舐められたもんだぜ」
「こいつら殺っちまいましょう」
いかにも下っ端な2人がでてきた。
「ツバサくんバカなの?私知らないわよ?なんで勝手なことするの?バカなの?」
「さて俺たち2人の技見せてやるぜ」
「はいっす」
下っ端2人はナイフを取り出す。
「え?弱いんじゃないの?」
これはまずい。ブキ使うのは反則でしょ。
「『鑑定』」また失敗しました。とでてきたゴミ能力だ。その様子を見てミナトが鑑定結果を音読してくれた。
「あっちの後輩っぽい方は身体能力強化と物理攻撃無効が厄介ね。先輩っぽい方も身体能力強化、それと早く殺さないと厄介なスキルがあるわ。まぁどちらもレベル10にも満たないから頑張れば勝てるわよ」
「いや逃げるぞ、勝てるわけないだろ」なんかすごい哀れな目で見られてるけど、ハモノコワイ。オレレベル1だし
「ギフト付与を私と自分に使って」言われるがままに使う。ギフトってワンチャン武器とか付与されるってこと?
「『ギフト付与』お、すげぇオレには幸運値up、ミナトには体力値upだ。」
「じゃあツバサくんこのナイフで好きな方を刺してきて私があまりをやるわ」物理攻撃無効は意味わからないから先輩の方だな。
「わかった」今回こそは絶対に殺す、自分を守るために。
「おらァー」オレが先輩の方に襲いかかるが軽々避けられてしまう。
「わりぃな、お前は本当に弱いけど死んでくれ」
先輩がナイフで斬りかかってくる。その時オレは体制を崩し転び、たまたま攻撃を避ける。
「ラッキーなやつだな」
転んでいるオレにナイフを振り下ろす
「2度はねぇーぞ」
オレは刺された
「ぐ、死ぬ、あれ」
今日買った数量限定の鉄でできたメモ帳を胸ポケットに入れていたので助かった。
さらに先輩がバランスを崩し倒れてきてオレが持っていたナイフが脇腹に刺さった。
「ぐはぁ、てめぇいい加減しろよ。」
勝ったのか?殺してないしこれが一番理想的な勝ちだ。
「絶対に殺す、『絶対君主』」先輩がそう叫ぶと真っ白の部屋に移動していた。




