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本物の最強

作者: せりのアサリ

初投稿です。

少しでも暇つぶしになれたら幸い!

 突然だが最強と言われてみんなはどんな存在を思い浮かべるだろうか?マンガやアニメのキャラクターか?わかりやすいとこだとラノベのチート主人公とかかな。親かもなんて思う人もいるかもしれない。

一貫して彼らは非常に分かりやすい強さを持っている。現れた怪物を屠り、迫り来る地球の危機をその力で切り抜ける。どんな理不尽さえも彼らはカッコよく乗り切るんだ。

誰もが望むその力。誰もが妄想したあの強さ。

それを自分が手にしたら……。どれだけ素晴らしいんだろう。


 と、考えていた時期もあった。でもそんなんあくまでフィクションだよ。物語だからこそカッコいいんだ。そんないいもんなんかじゃないさ。

ん?なぜそんなことが言えるかって?

ー俺が最強だからだ。



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地球に隕石が落下した。ちょうど太平洋のど真ん中に落ちたそれは莫大なエネルギーをもって、甚大な被害をもたらした。海は大きく荒れ、大地は唸り、空は分厚い雲で蓋をされた。その時になって初めて人類は手をとり『復興』のためだけに世界を総動員したのだ。

それから一週間後、人類は魔獣との戦いが始まった。

その瞬間こそが今に続く、『創世記』の始まりである。


 時は創歴173年。社会人一年目となる1人の男がいた。

未済強、23歳。趣味は読書。家は1Kで家賃3万と2千。

友達は狭く深くをモットーとする普通の男である。

男は惰性に近い状態でTVのスイッチを入れた。

「本日は創歴より続いた魔獣出現が止まって23年目のアニバーサリーとなっています!」

「素晴らしいことですよ全く!原因不明とはいえ、ようやっと魔獣による被害がなくなったんですからねえ!」

女性アナウンサーとベテランコメンテーターのやりとりである。男はソファに腰掛けじっとそれを見る。

「魔獣がいない幸せがこうも快適で良いものだなんて一体誰が想像できたでしょうか?」

「その通りです!私が幼い頃なんて、ずっと警備隊がウロウロしてましたからねえ。物騒ですよ。」

TVの電源を消す。そして男は立ち上がると徐に手を横に凪いだ。


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 魔獣とは、原因不明、正体不明。隕石が原因とだけされている異形の怪物。現代兵器をもってしてもなかなかに手強い怪物たちを人類は150年間も戦い抜いたのである。



「だめだ……。つまんなすぎる。」

俺こと未済強はそう独りごちた。 生まれたその瞬間にその身に宿るとんでもない力に気づき、以来導かれるかのようにその力を使ってきた。何か悪き存在の気配を感じれば、即座に力を発動し消し去る。いい感じにゴミを消せないかと試してみたが、悪きもの以外には使えないらしい。

俺が生まれる前まであったという『守護者』なる職業に、幼い頃から憧れていた。いつかは俺もみんなを守れる守護者になるんだと、息巻いていた。だがそれは幻想だと、若干7歳にして悟ってしまったのだ。

そういえば最近魔獣いなくね?

なんなら俺の使ってたなんかのおかげじゃね?と。

ヒーローのように熱い戦いをして人々を守る、儚い夢だったのだ。

以来俺は間引き続けている。『悪』と判断したもの全てを。誰かが気づくより前に。

チートじゃなくたっていい。カッコよくなくたっていい。

本当の最強は戦っているところなど見せないのだ。

人に見てもらわずとも戦い続けるのだ。

今日も明日も、明後日も。

たとえ生活が一般人だとしても。いい。いいんだそれd……

よくねえええよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお


未済強、23歳。

こうして彼は今日も戦う

世界の平和を守るために。

なろうを読んでてずっと思ってたことを作品化してみました。拙作ですが読んでいただきありがとうございました。

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