表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

到来する暴走者(2)

現実に魔法なんてあるわけがない。 魔法のように非常に便利で神秘的な力があったら、私が急流でそんなに苦労する必要はなかった。 瞬間移動や時間停止魔法でその状況を免れればいいのだから。 いや、このようなファンタジーのような想像をしなくても、魔法が現実に存在しないことは悲しいほど明白な事実だ。 誰もがそのようなことをしてみようと努力するが、これに成功したという話はないというのがその証拠だ。


ところが、今この少女はそんな妄想のような話をしている。 もしかしてこの子、まさか?


「もしかして中二病なの?」


少し心配そうな声で質問した私を少女は変な人を見たように見た. 心配してくれる私を彼女がかえって心配そうな目で見るのを私はどう受け止めればいいのだろうか。 もしかして深刻に否定的に見なければならないのではないか。


深刻になった雰囲気を壊したのは、少女の笑いだった。 心配そうな顔で,一気に明るい表情を浮かべながら,彼女は私にとってかなり厄介な質問を投げかけた.


「人とは違うユニークな服。 他人には分からない難しい単語を知っているということ。 確かです。そうなんですよ。 やっぱり、勇者さまですよね?」

「勇者さま? どういうこと?」


勇者さま?それはどういう意味だろう? あれ、僕が知ってるあの勇者さまかな?


私は勇者とは、どういう意味か、しばらく考えてみた。 もちろん、勇者という言葉の辞書的意味がわからないわけではない。 しかし、その単語が予想もしていなかった状況で飛び出したため、頭がぼうっとなってしまった。 そのため知っていた意味さえよく思い出せなかった。


「だから、勇者なら、魔王を打ち破るとか、世の中を救うとか、とにかく英雄的なことをするあの勇者さ? いや、本当に。 おまえ、本当に中二病にかかったんじゃないのか」

「それがどういう意味なのか分かりませんが、勇者さまは勇者さまです。 確かですよ。そういうことですって」

「いや、だから、おれは勇者さまじゃなくて、世の中に魔法なんかないんだよ。」


足をすくってみてももう妄想が暴走した少女は自分の気分に酔ってとても浮かれているようにポール

ぴょんぴょん跳ねるのに忙しかった。 私の話は眼中にないに違いなかった。 どうして私があんな変な子に出会ったんだろう。 惚れ惚れする気持ちも消え去り、失望感だけが湧き出た。


しばらくがっかりした私は今の状況も理解するのを兼ねて少女に質問をした。


「それはそうで一体何だ、ここは? 急流もあるし。 森もあるし。」

「この世界の名前は"コピータル"帝国です。 この川は、「パリブース」の川です。 近くに村が1つあるのですが、その村は「セテリス」村だそうです。 あのう、もしかしてお聞きになったことないんですか。”


少女の質問に「知らない」と答えようとしたら、一瞬、不吉な感じが私を襲った。


「話している途中、すまないけど、あの、何か飛んできそうじゃない? 何か感じられてね。」

「何も感じません。 飛んでくるって、どんなものですか。


「私の勘違いかと思い、空を見上げた。 太陽が送る光がまぶしくて目を開けるのが難しかった. 平手で光を遮りながら空を見ると、悠々と漂う雲の間をぬいて、飛んでくる何かが目に入った。 小さな点のようだったそれは、見れば見るほどはっきりした形を持っていった。


「最初は、普段経験しなかった非日常的な事件のために、私はしばらく無駄なことだと考えた。 しかし、無駄なものだというから「それ」が噴き出す存在感は凄かった。 「それ」が近づくにつれて発する音も、目に見える「それ」の形もすべて現実のようだった。 しかし何よりも「それ」が現実に存在することを如実に分からせてくれる点は。


すべてを崩壊させ、壊してしまうような、そんな生き方だった。


強力な殺気をまき散らしながら、「それ」は私に向かって真一文字に飛んできていた。 正体不明の不審者にやられた時の恐怖が身震いするほど蘇った。 まさか, 川で会った彼ではないだろうね. 違うと思いながらも頭は続けて誰かに踏まれていたことを再生した。


腰から感じられた痛み 彼が私を持ち上げる時に感じた浮遊感。 急流で生きるために全力を尽くしたこと。 今日経験したあらゆる試練が頭を早くよぎった。


回想の中に沈んでいく私を現実に戻したのは少女の叫びだった。


「危ないよ」


叫びながら少女が鋭く私を引っ張った。 少女の力があまりにも強くて抵抗さえできなかった. そのまま後ろ向きに数十センチのバックステップをし、その間に「それ」は私の座っていた位置と激突した。 その影響で破片が私のほおをすれすれにかすめた.


少しでも遅れていたら、私は正体不明の何かと激突してしまっただろう。 なんとか助かったので本当に幸いだった。


そう思いながらも、震える心臓を静めることができなかった。 流れる冷や汗を拭う気さえできず、私はあわてて私の居場所に視線を釘付けにした。


見るも信じられない光景がそこにあった。 私がいた場所にクレーターができていた. 半径はそれほど大きくないが、かなり深く凹んだ痕跡からして、地面と衝突した時に「それ」が起こした力がもの凄いことを推測することができる。


もし私の隣の少女が私を引っ張ってくれなかったら、私はもうこの世の人ではなかったに違いない。 潰れたまま生を終える自分の姿が浮かんでしまった。 冗談じゃなかった。 状況の深刻さを少しずつ感じ始めた私は,もう1度唾を飲み,後ずさりした.


死んじゃう。 ない 本当に死ぬかもしれない。 それゆえ、私の前に降りかかってきた不幸に対する不平が溢れ出るのは至極当然だった。


「何だよ。 何でずっとこんなことばかり起きるんだろう、一体どうして?!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ