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親友を作りたいなら女の子になればいいじゃない  作者:
2章. 天使との学園生活
23/40

23. 決戦

またまたギリギリに……。今回はなかなか書き進まずこのようなことに。その分いつもよりは長いです。次くらいに二章は完結です!クライマックスです!

 いよいよ、決戦の日を迎えた。利麻の話によると、放課後家庭科室に呼び出したらしい。

 緊張のせいか授業時間がより長く感じてくる。たまに全身から心臓の鼓動が伝わってくる。鼓動は早く、強く鳴っていた。

 昼休みに最終確認を済ませると、とうとう放課後を迎えた。クラスメイトが帰宅を始める中、俺たちは先生のもとに集まる。


「と、ここまで来たらやれるだけやって来い。ヤバそうになったら止めに入るからな」

『はい』


 三人で家庭科室に行くと、バタバタと準備を始めた。今回、練習の時にエリスはあまりにも色々あったためほとんどセリフがない。

 そのため、俺と利麻だけで先輩たちとやりとりをしないといけない。心拍数が上がっていく中、刻々と約束の時間が迫る。

 大丈夫、うまくいく。心の中で何度も唱える。


 ガタン!


 勢いよくドアが開かれた。そこには例によって先輩たちの姿が見えた。利麻は手早くスマホの録音をバレないように開始すると、スカートのポケットにしまった。


「よう、祠堂。それに、この間のやつか?」


 先輩たちは何やらニヤつきながら入ってくる。


「それで、昨日のメールの件だが。あれはどうゆうことだ?」


 利麻が送ったメール。文面から先輩たちが食いつくようにするために、利麻は苦労していた。

 先輩たちが釣られなければ話が進まない。そのため、メールはやや挑発するような文面になった。


 ーもうお金は渡せません。明日の放課後、家庭科室に来てくださいー


 シンプルで、かつ先輩たちが釣られる文面。このメールによって先輩たちはまんまと今日現れたわけだ。


 ニヤつきつつも、やや怒りが出ている顔でリーダー格の先輩は聞いてくる。

 向こうの覇気にややびくつきながらも利麻は冷静に答える。


「そのまんまの意味です。もうお金は渡せません」


 利麻の言葉に、先輩たちの表情に苛立ちが見え始める。


「この二人は私のクラスメイトで、相談に乗ってもらって、事情も全部話しました」

「はあ!? お前どういうつもりだ!」


 学校に報告するという言葉に、先輩たちは怒りと驚きを露わにした。だか、リーダー格の先輩は驚きつつも冷静に言葉を返してきた。


「ふーん。で、そこの二人は祠堂から何を聞かされたんだ?」


 まず、ここが第一ポイント。ここの回答次第で証言を取れるかが変わってくる。先生との練習を思い出しながら回答する。


「利麻から、先輩たちに脅されてお金を渡していることを聞きました」


 少しだけ、先輩がにやけたように見えた。


「へえ。じゃあ私たちの意見とは食い違うな」

「どういうことですか?」


 余裕そうな笑みを浮かべながら先輩は答えた。


「私たちは祠堂とただ貸し借りをしていただけだ」

「なっ!」


 エリスが先輩の発言に驚く。何かいいたそうな顔をしているが、ここは堪えてもらう。


「そうだよ。私たちはただ金を借りてただけだ」

「脅しなんて人聞きが悪いよな祠堂は」


 他の先輩たちも、とぼけたように言葉を漏らす。


「先輩たちは脅してない。公平なやりとりをしていた、そう言うんですね」

「ああ」


 今のままでは認める気はないみたいだ。なら、次に進むしかない。


「でも、私たち。先輩たちがやりとりしている現場を見たんです」

「あ?」


 俺の言葉とともに、エリスがカバンからスマホを取り出す。しばらくすると、とある画面を表示させて先輩たちに見せる。


「なっ、これ……」


 一人が声を漏らした。スマホの画面にはこの間の家庭科室のやりとりの様子が、窓越しに写っている写真が表示されている。

 あの時、俺は事情が飲み込めず気付かなかったがエリスはスマホに写真を残していた。

 それを練習の時に静香先生に言うと、


「それは、使い方次第で効果があるな」


 と言われて今回の作戦で使うことになった。


 現場を知られたからか、先輩たちに焦りが見える。でも、リーダー格の先輩はまだ落ち着いているように見える。


「これがなんだ?」


 冷たい声で聞いてくる。俺は目線を逸らさずに答える。


「これが証拠です。これで先輩たちが脅したという事実です。これでも認めませんか?」


 後ろの二人は動揺を見せているが、この先輩だけはまるで窮地に立っていないように平然と振る舞う。


「ああ。私たちは脅すなんてことはしてない」


 やっぱり、これくらいじゃあ折れないか。今のところ作戦は、練習通りに進んでいる。こうなることも大体先生の予測通りだ。

 次の段階でこのリーダー格の先輩を揺さぶれなかったら、作戦は怪しいものになる。次が、勝負だ。

 手汗をかいた手を強く握りしめて、話を進める。


「わかりました。ここで認めてもらえれば、穏便に済むかと思いましたが。それならこのことを、学校に報告します」


 先輩たちの顔が引きつる。少しは動揺してくれたみたいだ。


「お、お前ら! 調子に乗ってりゃいい気になりやがって!」

「どうなるかわかってんのか!?」


 二人の先輩が怒りを露わにする。だか、やはりリーダー格の先輩だけは冷静を装っていた。怒る二人を沈めると問いかけてくる。


「学校に言ってどうする。祠堂の言葉以外に証拠はあるのか?」


 その言葉に、エリスが反発する。


「しゃ、写真があります。これならどうですか」


 先ほどのスマホの画面を見せるが、先輩は特に気にした様子もなく続ける。


「そんなものは大した証拠にはならねえ。あたしたちと真っ向から言い合えば不利なのは祠堂の方じゃないのか」


 先生の言った通り、先輩は写真を証拠としては弱いと思ってるようだ。でも、使い方はそうじゃない。


「写真だけじゃないです。さっき言いましたよね、私たちは現場を見たって。私たちは会話も少し聞きました。私たちの証言も合わせれば五分五分になるのではないですか?」


 もちろん、そうなるかどうかはわからない。でも、多少可能性はある。と思ってくれていれば、次に出る行動は……。


「ちっ、めんどくせえな」


 あからさまに態度が変わった。リーダー格の先輩も表情がこわばっている。これなら、うまく誘導できるかもしれない。

 利麻の方をチラッと見ると、少しだけ余裕そうな顔をしていた。


「祠堂。お前も知ってんだろ?バラしたりしたらどうなるか」


 先輩の目は鋭く、まるで獲物を狙うかのように恐怖を覚える。利麻はなんとか言葉を返す。


「わ、わかってる。その上で、話してる」


 先輩は大きなため息を一つこぼす。


「先輩は認めるんですね。利麻を脅迫して、お金を取ってたことを」


 この一言、一言さえ取れれば、利麻を、救える。喉が乾く、息が荒い。まるで時が止まったかのように感じながら、先輩の返事を待つ。


「ああ、そうだよ。それがなんだ?」


 ようやく一つ。確かな証拠を手に入れられた。高鳴る鼓動、それに相対して先輩は淡々と話進める。


「お前も祠堂から聞いてるんだろ?バラしたらどうなるのか」


 先輩の怒りからなのか、一言一言がピリピリと感じる。


「もう待ったとかねえからな。お前の家族、友人、どうなるかしらねえぞ」


 事がうまくいけば被害はないはず。そう思っていても、この言葉に万が一があるのではないか、他の人、家族にまで被害が出るのではないか。そう思ってしまう。

 思わず、一歩後退りしてしまった。だが、背中に何かが当たる。暖かい何かが。


「私は、もう怯えない」


 利麻が声を発する。見ると、手は震えている。顔は今にも泣き出しそうな顔をしている。それでも、声を出し、立ち向かっている。


「私だって、そんな脅しに屈しません!」


 後ろから声を発するエリス。背中に感じた感触はエリスの手であった。先輩の覇気に負けそうになってた俺を支えてくれた。

 利麻が、怖くても立ち向かった。エリスが支えてくれた。俺だって、俺だって、負けたりなんかしない。


「私も、たとえ何があっても負けたりしない!」


 声が教室内に響き渡る。空気は静まり返った。先輩の冷徹な目が俺たちに突き刺さる。でも、もう目線を逸らしたりはしない。


 ガタン!


「お前ら、もう下校時刻だぞ。何してるんだ?」


 不意に教室の扉が開く。外から静香先生が入ってきた。それを見るや否や先輩は諦めたようにため息をこぼす。


「帰るぞ」


 そう言って鞄を持って外へと出て行く。


「ちょっ、待てって」

「おい、ちょっと」


 慌てて二人も教室を後にした。残されたのは俺たちと先生のみ。扉が閉まると一気に安堵感が広がっていった。


 バタン!

 バタン!


 気づけば尻餅をついていた。利麻も同じだった。


「どうしたお前ら? 腰でも抜けたか」

「大丈夫ですか? 二人とも」


 緊張のあまりいつも以上に力を使っていた足が、緊張が解けた事で力が抜けてしまった。

 尻餅をついた状態でも、足がプルプル震えているのがわかる。


「だ、大丈夫」

「私は、まだダメかも。足に力入らないや」


 二人してしばらく地べたに座る。エリスは見下ろしながらやれやれとした顔をする。


「二人ともだらしないですね。私みたいに堂々としてればいいんですよ、堂々と」


 誇らしげに胸を張るエリス。確かにエリスだけは先輩たちの圧の中でも恐れる事なく立っていた。

 まあ、先輩たちの発言に終始反応して何か言いたげにピクピクしてるぐらい度胸は据わっていたが。

 これもエリスと俺たちの場数の違い、もとい年の差というものなんだろう……。


「か〜な〜た〜?」


 エリスはまだ動けない俺の後ろに回ると、両手を持ち上げる。そしてガラ空きの脇をくすぐり始めた。


「やっ! ちょっと! やめ、や、は、はははは! ごめん! ごめんってば!」


 やっぱり、エリスには俺の心の声が聞こえてる。または、エリスのセンサーが年についての話題を心の声レベル感知している。


「え、襟澄?」


 利麻は何があったかよくわからずエリスに問いかける。エリスはニコリと微笑みながら。


「ただの双子のじゃれあいですよ」


 そう言って手を離した。俺はようやく解放され、笑いで歪んだ頬を直しつつ荒い息を整える。


「やっぱり、二人は仲がいいね」

「当然です。私たちは双子の姉妹ですから」


 勢いよく抱きつかれ体がねじれる。足がまだ動かせないため、体が変な体勢になって痛い。


 ようやく落ち着くと、俺たちは椅子に座り先生とこれからの話をし始めた。


「祠堂。スマホを貸してもらえるか?」

「はい」


 先生は利麻からスマホを受け取ると、操作を始めた。しばらくして、スマホから音が流れ始める。


「うん。これなら声もちゃんと聞こえるし証拠として問題ないだろう」

「それでは?」

「ああ。今回の作戦は成功だ」

「やった! やりましたよ奏向! 利麻!」

「うん」

「よかったー」


 全員で安堵する。これで当初の作戦通り証拠を手に入れられた。けど、問題はこれからだ。


「祠堂、これから時間は大丈夫か?」

「は、はい。大丈夫ですけど」

「そしたら、とりあえず親御さんに電話しろ。これから私が伺う」


 先生はそう言うと利麻にスマホを返した。先生は自分のケータイを取り出す。ケータイはスマホではなく、今では珍しいガラケーだった。

 ボタンを押すと、先生は電話を始めた。


「おお、私だ。なんだ? 迷惑そうに返事して。いや、今回はそうじゃない。ちょっと混み入った話でな」


 先生は電話しながら教室の端に移動してしまう。そのせいで会話の内容が聞き取りづらい。


「ああ……と言うわけだ。とりあえず準備はしておいてくれ。何? そんなのは後で構わんだろう。とりあえずよろしく頼むぞ。ああ、それじゃあな」


 先生が電話を終える頃には、エリスもご両親への電話を済ませていた。相手は誰だったんだろう。

 先生は戻ってくると再び話を始める。


「さすがに警察に行くのに親御さんに事情を話さないわけにはいかないからな」

「じゃあ、先生はお母さんに話すんですか?」


 利麻は不安そうな顔を浮かべる。その表情はご両親に心配をかけたくないという思いからなのだろう。

 利麻の表情を気にする事なく、先生は答える。


「心配するな。ご両親には不安が小さくなるよう配慮する。私を信じろ」


 先生なら、今回この作戦を思いついた先生なら本当にそうできそうな気がする。きっと利麻もそう思ったのだろう、曇った表情は晴れていった。


「はい」


 すると、今度はこっちを向いて話す。


「柏木姉妹は家まで送ってやるから帰宅しろ」


 その言葉に、エリスは異議を示す。


「私たちも行きます」


 でも、先生は首を横に振る。


「ダメだ。ここからは、祠堂とご両親、それと大人の問題だ」

「でも……」


 行けるのなら、利麻と共に行きたい。でも、先生の言う通りここからは利麻たちの問題になってくる。俺たちは力になれないし、邪魔になってしまうだろう。

 歯痒い思いをしつつ、エリスは引き下がる。


「というわけだが、私は仕事が終わるまでもう少し時間がかかる」


 時計を見ると、まだ五時を回っていなかった。


「というわけで、お前らせっかくだし部活でもして待っていてくれ」


 部活をして待つって、と思いつつもこの時間なら部活以外で学校に残るのも難しいか。

 すると、利麻は目を輝かせ始めた。


「やった!それならせっかくだから腕によりをかけて何か作っときます」

「ああ、これからも大変だろうから気分転換しておけ。終わったら呼びに来るからな」


 そう言うと先生は教室を後にした。残った俺たちは利麻に促されるがまま部活、料理研究部の活動をすることになった。


「利麻、今日は何作るんですか?」

「決まってんじゃん! カニ玉だよ!」


 そんなこんなで調理を開始すると、利麻は活き活きとし始めた。楽しそうに料理をする利麻は今までで初めて見る姿だったかもしれない。

 先生が戻ってくる頃にはそこそこに品々が並んでしまい。結果、それぞれ持って帰ることになった。



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「さあ乗った乗った」

「これが先生の車、ですか?」


 先生が言っていた家まで送る、は車で送ってくれることだった。家庭科室の片付けが終わると滅多に寄らない学校の駐車場に向かった。

 先生の車は思ってたより大型で、乗ろうと思えば九人くらいは乗れそうなミニバンだった。


「ああそうだ。これの方が荷物とか運ぶのも楽だし、何かとちょうどいいんだ」


 先生はキーでドアを開けるとエンジンをかけた。エンジンの音とともに目の前のドアが自動で開いた。


「ほら、早く乗らないと日が暮れるぞ」


 言われて俺たちは三人真ん中の座席に並んで座る。ドアがまた自動で閉まると、車が動き出した。


「と、じゃあさいしょは柏木の家からだな」


 車はいつもの通学路を走る。先生の車ということだからか妙に緊張してしまう。


「奏向ちゃん、襟澄、今日はありがとう」


 タイヤの回転やエンジン音が静かに聞こえる車内で、利麻が口を開いた。


「お礼なんて言うことないですよ。友達として手助けをしただけです」

「それに、利麻はこれからでしょ? これからが本番だよ」

「うん。わかってる」


 利麻にとっては両親に話すこと、警察に話すこと、問題を解決すること。これからの方が大変に思える。

 でも、一番最初の難関、利麻が立ち向かう勇気を踏み出せたことは大きい。きっとこれからのこともうまくいくと思う。


「もし、迷惑じゃなかったら、メールとかしてもいいかな?」


 外を見ると、家の近くの風景が見える。もうすぐ着いてしまう。


「もちろん。なんでも連絡して」


 利麻を手助けできるのも多分ここまでだ。あとは見守ることしかできない。


「ありがと。ありがとね」


 その言葉とともに、車は停車した。車は家の前に着いていた。


「よし、到着だ」


 外には何故か母さんが立っていた。


「いつもお世話になっております。柏木です」

「いえこちらこそ、この度はどうも」


 先生は車を降りると母さんと話をする。俺たちも車を降りる。


「利麻、頑張ってください! 絶対大丈夫ですから」

「うん。ありがと襟澄」


 利麻の顔からは不安が消えていないように見える。何か、何か利麻が元気になる言葉を……。


「利麻!」

「ひゃ、ひゃい!」


 声が大きすぎたのか利麻が驚いてしまった。思わず手で口を押さえると、声を調整してもう一度話す。


「これが終わったら、私たち、入るから!」

「入る?」


 利麻ともう一度楽しく喋りたい。利麻の元気な姿が見たい。また、利麻と一緒に料理がしたい。


「うん! 料研、入るから! だから、頑張って!」


 利麻の表情が変わった。目にはうっさら水の滴が見える。でも、不安そうな表情は吹き飛んだようだ。嬉しそうな笑顔を俺に見せてくれる。


「うん、うん! 私、頑張る、頑張るから!」

「連絡してくださいね。どんなことでも大丈夫です、相談に乗りますから」

「うん。ありがとう二人とも」


 利麻の両手を二人で握る。その手は暖かくて、すごく安心する。




「それじゃあ失礼します」


 先生と利麻は行ってしまった。これからどうなるか、俺にはわからないし力にもあまりなれないだろう。

 でも、絶対にうまくいく。不思議とそう思える。ううん、そう信じる。


 車が行った後も、しばらく襟澄と二人で車が行った方を見つめていた。暗い青と夕陽のオレンジが混ざった空は神秘的で、一番星が光輝いていた。


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