1話
読み難いかもしれませんがお願いします。
誤字脱字はお知らせ下さい。
それは、暗闇から始まった。
「ここは何処だ?」
確か私は、年老いて死んだはず・・・
ひ孫にまで看取られた良い人生だった。しかし周りを見回しても暗闇のみ、しかも生前のように霞んだ思考ではなく若い時のようなはっきりとした思考ができる。これが死後の世界か?
身体を触ると柔らかさは有るものの暖かさは無い
「閻魔様でも出てきて説明してくれないかな」
私の声は反響して暗闇に飲まれる。
ん?
反響した?
「あ〜」
声に出し確かめ、手を伸ばす。手には触れる物が無いが反響からして室内か狭い場所なのはわかる。
足元を触ると硬く整備された床がある。
前後左右上下に声を出してみると、反響は一定のものでほぼ正方形か円柱の部屋だと推測される。
《技能:音響探査Le1を獲得しました。詳しくわステータスを閲覧して下さい。》
突然理解した文章に身体を硬直させる。
「す、ステータス?」
声を出した瞬間、頭の中に何かがちらついたと同時に一瞬白黒の世界が広がる。
理解できた白黒の世界は前方に広がる楕円だった。つまり背後も理解したことになる。
「なんだこれは?」
言葉と共に広がる白黒の世界は、今までに無い感覚であるにもかかわらず違和感は感じなかった。
そして、自分の意識をちらついた何かに集中してみる。
名前 ______
コア形態 人型 (オス)
Level 1
筋力 10
敏捷 10
知力 10
耐久 10
魅力 10
器用 11
体力 10
抵抗 10
魔力 10
技能 《技能:音響探査Le1》
称号 ______
魔素 600
なんか理解できた・・・
頭の中にステータスがある。しかし漠然と理解できるのは割と面倒だなタブレットのようにタッチパネルでも出来るといいんだが・・・
《称号:異邦人を獲得。技能:ディスプレイ獲得。技能:異界の知識を獲得しました。》
頭の中に再び文章がでると空中にステータスが表示される。
名前 ______
コア形態 人型 (オス)
Level 1
筋力 10
敏捷 10
知力 15
耐久 10
魅力 10
器用 11
体力 10
抵抗 10
魔力 15
技能 《技能:音響探査Le1》《技能:ディスプレイ》《技能:異界の知識》
称号 《称号:異邦人》
魔素 600
ディスプレイの端を持つと動かせる。これは光源になるか?
試してみるが周りは暗闇のままだつまりこれは自分にしか見えないのか?
あとは、タッチパネルをイメージしたのでステータスの名前を触ってみる。
《名前:____ 物や人物に与えられた言葉のことで、対象を呼んだりする際に使われる。
名前の設定ができます。》
次にコア形態をタップする。
《コア形態:人型 (オス) ダンジョンコアの形を表す。》
ダンジョンコア?さらにダンジョンコアの文字をタップする。
《ダンジョンコア:ダンジョンのコア。世界の循環を担うダンジョンの心臓。主にダンジョンの発生の際、近くにある魂を核に精製される物。》
・・・魂を核に?
つまり私は生まれ変わっということか?
しかし、日本でダンジョンなんてもの聞いたことが無いが
関係のありそうな称号異邦人をタップする。
《称号:異邦人 人型であり異界から訪れたものに与えられる称号。配下や知識に反映される。》
異界?つまりここは地球では無い?うむますますわからない事が増えてくるのか。あと配下と何だ?
《配下:ダンジョンの魔物。魔素を使用し召喚された僕》
僕?つまりこれは孫たちが遊んでいたゲームみたいな物か?
しかし、この流れでは差し詰め私の立場は魔王か何かか?
私はさらにディスプレイを調べる。
《魔素:魔力の変質した物。魔力の流れの中にあり、生物や物体から排出される有害なモノ。ダンジョンはこの魔素を様々なモノに変換する機構がある。魔素は魔力の流れを阻害し、モノを変質させる特徴がある。》
ふむ。つまりあれだなこのダンジョンと言うのは、浄化槽とかと一緒で魔素って言うのを無害化する施設って事だな。
私は、納得すると唄いながら歩き出す。選曲はひ孫が唄ってくれた軽快なアニソン♪軍歌なんか気が滅入るしな。
ふむ。部屋はほぼ正方形で玉座らしきものが一つとその真正面に門が一つ後は何も無いな。
《技能:音響探査がLe3になりました。技能:異界の調べを獲得。技能:歌Le2を獲得しました。》
歌に変化は無いが、認識出来る範囲と物の細かい部分まで判別出来るようになったな。
さて、魔素はどうしたら使えるのか?
思った瞬間にディスプレイが開きメニューが表示される。
魔素 600
ダンジョン作成
僕召喚
技能獲得
能力強化
とりあえずダンジョン作成をタップする。
内装
罠
宝
部屋追加
内装をタップし光源を天井に配置する。
消費5《魔光石の板》
部屋が明るくなり、無機質な黒い部屋が見える。魔光石の板だけ白いから天井の真ん中だけ白いな。これ付けたり消したりでき無いように見えるが、まあすることも無いので門でも開けてみるか。
門を開けるとそこは、洞窟だった。いや違うな。これは掘った跡があるし所々補強の木材が見える。松明の燃えかすもあるところを見るに人口の物だな。
更に見回す事で風化したトロッコやツルハシの跡も見受けられる。どうやらここは、使われなくなった坑道、廃坑のようだ。
一歩踏み出した瞬間、身体に悪寒に似た何かが走る。
《領域から出ました。危険です。》
領域?私は直ぐに扉を閉め一息つく。
ディスプレイにある警告文に触れる。
《領域:ダンジョン内又はその配下によって支配された場所。なお、ダンジョンを拡張した場合Levelが上がります。》
ダンジョンの拡張か部屋追加を表示しタップして見るが、消費が一番低い小部屋でも魔素が500も掛かる。今の残りが595・・・魔素はどうやって増やすんだ?ダンジョンや魔素を調べると
《魔素の補充:ダンジョン内に外から入っていたものから魔素は吸収される。死体などの場合は、その構成体全てを魔素に変換する事がダンジョン内では可能。》
つまり外から何かを連れてくる。別段殺すことも無いが、死体ごと魔素にした方が効率は良い。ふむ。私はもう一度門を開けると二度大きな声を出し閉める。
《技能:音響探査がLe4になりました。技能:拡声Le2を獲得しました。》
頭の中で探査出来た物を思い出す。拳より大きな鼠、私より大きな百足を確認出来た。そして私は、僕召喚を見る。
鼠や猫などの小中型の虫や獣はほぼ消費1毒などを持つと2に上がり大型の獣や虫は4〜7と言ったところか、さっき見た百足も目録にあったが、消費9と強敵みたいだ。