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地獄

「もうにたい。」

 そうおとこおもった。でも自分じぶん意思いしでは指一本動ゆびいっぽんうごかせない。いままで何回死なんかいしんだろう。かれからだをのっとったあるじは、かれたびわっていった。それはあたかも古着ふるぎ着替きかえるかのようにいとも簡単かんたんだった。

 これはゲームだ。つまり、かれからだ操作そうさしている連中れんちゅうは、実際じっさい苦痛くつうはほとんどあじわうことがない。だから、いろんな無茶むちゃができるのだ。


 何度なんどがけからちただろう。

 何度なんどじゅうたれただろう。

 何度なんどくびんだろう。


 ゲームオーバーのたびからだはリフレッシュされる。いたみはのこらない。しかし、毎回まいかいただただ恐怖きょうふ苦痛くつうあじわう。これが、映画えいが?いや、これは現実げんじつだ。無限むげんつづく、せい苦痛くつう地獄じごくというものがあればまさしくこういうことをうのだろう。理論上りろんじょうは、ひとつの細胞さいぼうからでも再生さいせいができる。しかし、それではあかぼうからの出発しゅっぱつになるのでゲームキャラとしてはあつかいにくい。なので、ある程度原型ていどげんけいがあるうちに再生さいせいされる。それでもしあわせなことに、再生さいせいかえたびに、記憶きおくうすれていった。他人たにんうごかす自分じぶんからだが、どんなおもつみおかそうと、最悪感さいあくかんしょうじない。だから、意識いしきうすれていく。

千年せんねんものはレアだったんだが、こいつも限界げんかいだな。」

 それが、何百なんびゃく、いや何千回目なんぜんかいめぎわいた最後さいご言葉ことばだった。

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