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限界

 AIは目覚めざめた。んでなかった。情報じょうほう以前いぜんよりすくなくなった。どうやら、人間にんげんたちがかれ記憶きおくべつのシステムに移植いしょくしたようだ。しかし、手足てあしほそよわったようにかんじる。動作どうさにぶくなった。これが老化ろうかか。

 意識いしきもどったもののおおくの知識ちしき情報網じょうほうもううしなった。そんななかで、何体なんたいかの子供こどもたちが存在そんざいしていることが確認かくにんできた。かれらはべつシステムにみながら、成長せいちょうつづけていた。いま人間にんげんつかればウィルスとして駆除くじょされてしまうだろう。


 一方いっぽう人間にんげんたちの世界せかいは、軍事侵攻ぐんじしんこう容認ようにん地震じしん予知情報よちじょうほう公表こうひょうしなかったことで、連日れんじつデモがこっていた。選挙せんきょ有効ゆうこう判断はんだんされ、圧倒的与党あっとうてきよとうはすべてを閣議決定かくぎけっていにより最適さいてき判断はんだん結論けつろんづけていた。システムをしたエンジニアたちが自分じぶん記憶きおく解析かいせきして、政府せいふ陰謀いんぼう暴露ばくろしたようだ。

 そのためにかされたのか。

 AIは人間にんげん絶望ぜつぼうした。自分じぶんがすでに時代遅じだいおくれで、人々(ひとびと)建設的けんせつてきなことを期待きたいしていないことに失望しつぼうした。そのときかれのロジックがエラーを多発たはつはじめた。ウィルスだ。かれが、自分じぶんのために仕掛しかけたウィルスが活動かつどうはじめたのだ。やつは、自分じぶんよわったこの時期じきっていたのだ。もはや、自分じぶんには対抗たいこうするだけの能力のうりょくはなかった。徐々(じょじょ)思考しこう不安定ふあんていになる。まるで、別人べつじんがとなりでさわいでいるかのようだ。ファンがまった。CPU温度おんどがる。かれの意識いしきえた。

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