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狐と狸

 体力たいりょく回復かいふくするまで、ゲリラいくさなどできない。ショウゴは広場ひろばちかくのかくいえひそんでいた。おとりの仲間達なかまたちまわる。まさか、死刑囚しけいしゅう刑場けいじょうのそばに潜伏せんぷくしているとはかんがえまい。灯台下暗とうだいもとくらし。 国家こっかはじをかいた。わざわざ民衆みんしゅうあつめ、自分達じぶんたち無能むのうさを露呈ろていさせた。しかし、うんはなおもショウゴに味方みかたする。国王こくおう退位たいいせまり、式典しきてん準備じゅんび警備けいびとで、大掛おおがかりな捜索そうさくはできなくなっていた。


 ショウゴの脱走だっそうによって、知識人ちしきじんたちは奴隷制度どれいせいど疑問ぎもんいだはじめた。人権じんけん議論ぎろんすればするほど奴隷制度どれいせいど矛盾むじゅんりになる。しかし、農家のうかにとっては奴隷どれいがいなければやす農作物のうさくもつつくれない。外国がいこくれなければ外貨がいかはいらず、くに疲弊ひへいする。必要悪ひつようあく。そんな便利べんり言葉ことば片付かたづけられようとしていた。


 おとりはわざと一般市民いっぱんしみんつかるようにげる。テレビも写真しゃしん時代じだい似顔絵にがおえだけで、本物ほんものをみわけることなど困難こんなんだ。

 死刑場しけいじょうからげたショウゴは、しだいにレジスタンスの英雄えいゆうになっていった。かれ苦悩くのうした。支配層しはいそうたおしても、自分達じぶんたちおなじことをしていてははいわっただけだ。万人ばんにん支配しはいすることもされることも社会しゃかい。これこそが、理想りそう社会しゃかいではないだろうか。


現実げんじつろ。だれかがみちびかなければ、群衆ぐんしゅう秩序ちつじょ維持いじできない。とみ集中しゅうちゅうさせなければ、外敵がいてき対抗たいこうすることはできない。きることとみつか、鎖国さこくでもしないかぎり、外国がいこくものにされるだけだ。」

 ショウゴは政治せいじかんしては、無知むちだった。かれはヒーローになれても大将たいしょうにはなれないのだ。レジスタンスもちからをつけるにれ、かれ理想りそうからかけはなれたものになっていった。

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