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死刑の意味

「僕《ぼく》は、そんなに罪深《つみぶか》いのだろうか?」

 ショウゴは、さらに考《かんが》えた。


 この牢屋《ろうや》には、彼以外《かれいがい》にも死刑《しけい》や終身刑《しゅうしんけい》のものがいる。そもそも罪《つみ》をつぐなわせるなら、終身刑《しゅうしんけい》でいいのではないだろうか。

 近《ちか》く国王《こくおう》が退位《たいい》されるので、恩赦《おんしゃ》があるのではと噂《うわさ》さている。しかし、ショウゴが出《で》られることは無《な》いだろう。脱獄《だつごく》も考《かんが》えられる。しかし、単《たん》にそれだけで死刑《しけい》に踏《ぶ》み切《き》るだろうか?


 ショウゴは理不尽《りふじん》に搾取《さくしゅ》され続《つづ》ける同胞《どうほう》のために力《ちから》を尽《つ》くした。そのことが、そんなに悪《わる》い事《こと》なのだろうか?

「生《い》きていること自体《じたい》で、困《こま》る人《ひと》たちがいるのだろうか?」

 確《たし》かにショウゴが生《い》きていることは現政権《げんせいけん》にとって都合《つごう》が悪《わる》いだろう。すでに彼《かれ》は、レジスタンスの心《こころ》のよりどころになっている。彼《かれ》が死《し》ねば、多《おお》くの同胞《どうほう》が沈黙《ちんもく》するだろう。


「死刑《しけい》は、見《み》せしめに違《ちが》いない。」

 誰《だれ》への見《み》せしめなのか。同胞《どうほう》は言《い》わずもがなだが、似《に》たような反体制全《はんたいせいすべ》てのものへではないのだろうか。体制《たいせい》に抵抗《ていこう》していた自分《じぶん》の死《し》が、体制《たいせい》に利用《りよう》されようとしている。ショウゴは、死《し》よりもそのことに憤《いきどお》りを感《かん》じ始《はじ》めていた。

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