表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/67

呪い

病気びょうきなのか?」

 マイが王子おうじいただす。

医者いしゃがいうにはなんらかの毒物どくぶつではないかと。祈祷師きとうしどもはのろいとっております。」

 マイは椅子いすにすわると、粘土ねんどした。

「わしらの仲間なかま水銀すいぎんあつかうものがおる。かれらは短命たんめいだが、そのぎわておる。」


 国政こくせい正妻せいさいである第一王子だいいちおうじ摂政せっしょうとしておこなっていた。しかし、まだおさな実権じっけん母親ははおやとそれを臣官しんかんたちがにぎっていた。母親ははおや自由じゆうひとで、うたがうことをしない。ちかづいてくる人間にんげんにはなにかと優遇ゆうぐうしてしまう。さまざまな名誉職めいよしょくにつくが、大抵たいてい正常せいじょう人間にんげんなら敬遠けいえんするようないかがわしい集団しゅうだんのものであった。


「わしは医者いしゃではない。なおすことはできん。」

 そのから、マイは部屋へやにこもるとなにかをつくはじめた。

だれも、信用しんようできん。わたし助手じょしゅは、王子おうじおぬしがするのじゃ。」

 コペン王子おうじは、つちをこね、紐状ひもじょうにしたつちをくみげ、つつをつくる。

 マイはつつわせている。数日後すうじつごたかさ30センチほどの一体いったい土人形つちにんぎょうができた。

「これをって、工房こうぼうけ。出来上できあがれば仲間なかまとどけにる。」


 王子おうじは、かわいてかたくなった人形にんぎょうふくろにいれるといそいでかけた。慎重しんちょうにしかしいそいだ。人形にんぎょうとマイの言葉ことばつたえると、工房こうぼうとびらざした。

 2週間しゅうかん月日つきひながれた。工房こうぼうからは何人なんにんもの職人しょくにん巨大きょだいぬのにくるまれたものを背負せおってった。

 そのかんおうれたちべたりするものは厳重げんじゅう管理かんりされ、容態ようたいいていた。


 工房こうぼうからの荷物にもつとどいた。マイはおうとなり部屋へやはこませた。いくつもの大小だいしょうさまざまな筒上つつじょう土器どきだった。やがて、それは巨大きょだい人形にんぎょうとなった。あしにはつちれた。それはまるで植木鉢うえきばちのようだった。そこにえだしんをつくりいくつものつつをはめてくくりけていく。筒同士つつどうしひもとおあながいくつもいていた。それは、素焼すやきのおう実物大じつぶつだい立像りつぞうだった。

「これを数度すうどそとからかすかにえる位置いちけ。それで、てきはあせるだろう。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ