表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/67

土器、土器、土禁!

 栄養えいようのある穀物こくもつや、根菜類こんさいるいきだけでは調理ちょうりができない。そこで、こわれやすい貝殻かいがらなどにわる調理道具ちょうりどうぐとして土器どきまれた。貨幣かへいでの売買ばいばい発展はってんするにしたがい、土器製造どきせいぞう専門職せんもんしょくとなっていった。


 質素しっそだが、使つかいやすい、ムジル

 丈夫じょうぶつぼ得意とくいとするタコキチ。

 コップなどをつくるバカらやアホやら。

 いきおいがある人気にんきのノリダケ。

 つち木材もくざいもとめ、年寄としよりたちがやまうつむ。すみはじっちゃん、うつわはばっちゃん。

 うつくしい土器どきをつくる名工めいこうたちが登場とうじょうする。


 初期しょきおう長老会ちょうろうかいのリーダーのような存在そんざいで、くに自治区じちくあつまりであった。たがいに物資ぶっし供給きょうきゅうしたり、援助えんじょをしたりしていた。農作業のうさぎょう時間じかんとの勝負しょうぶだ。おな時期じき一斉いっせい耕作こうさくはじまる。はたけたがやし、たねき、る。ひろくなるほど短期間たんきかんでの人手ひとでがいる。そのためには、複数ふくすうむら協力きょうりょくしあわなければいけない。農家のうかにとってもメリットはある。収穫しゅうかくしたものは、個人こじん資産しさんではなく、共同きょうどうのものだ。だから、病気びょうき災害さいがい全滅ぜんめつしたところがあっても余裕よゆうのあるところがたすけられる。

 かれらにとって、不作ふさくというのは個人こじん問題もんだいではなく、不幸ふこう事故じこのようなものであり、だれがいつなってもおかしくないものだった。


 そんなゆるやかな時代じだいは、情報化じょうほうかともわる。ゆたかな土地とちはいつもゆたかであり、まずしい土地とちはいつまでもまずしい。場所ばしょそのものに貧富ひんぷ原因げんいんがあることがわかると、土地争とちあらそいがこる。くに無駄むだあらそいがこらないようにするための組織そしきへと進化しんかした。

 土地争とちあらそいは、うみでもやまでもどこでもこった。ひと世代せだいわるにつれ、よりゆたかさをもとめるようになる。とみ再配分さいはいぶんとしてのぜいまれた。数年すうねん一度いちど飢饉ききんのための備蓄びちく必要ひつようになった。あまった備蓄びちくざいきずくものもあらわれた。


 権力けんりょく財力ざいりょくによる腐敗ふはい対抗たいこうするために、宗教しゅうきょうによる価値観かちかん統一とういつ必要ひつようとなった。仲間なかまへのいのちとうとさと自己犠牲じこぎせいによる協力きょうりょく。このことが宗教集団しゅうきょうしゅうだんにとってはもっとも大切たいせつおしえである。なかでも仲間なかまという限定げんていされたものへの愛情あいじょうつよとなえる宗派しゅうはが、やがて権力けんりょくむすびつき拡大かくだいしていく。


「ドイツだ?マイ先生せんせいってのは。」

 まちから名工めいこううつわもとめて商人しょうにんがやってくる。

「なにかね。ずいぶんとえらそうだが。余計よけいつちじらないように、ここは土足厳禁どそくげんきんだよ。」

 老婆ろうばおくからてくる。

王子おうじ病気びょうきになった。いそいで身代みがわり人形にんぎょう必要ひつようだ。」

 マイ先生せんせい工房こうぼうでは、器以外うつわいがい精巧せいこう人形にんぎょうつくられており、そのをはせていた。当時子供とうじこども病気びょうきになると人形にんぎょう身代みがわりをさせてなおすという風習ふうしゅうがあった。よりひとちかいものほど効果こうかがあるとおもわれていた。木製もくせいならばやし、陶器とうきならことわりにんでくれるとしんじていたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ