無刀無双:プロローグ ~幼き商人と奇跡の再開~
内戦の激しさが増し続け、人の死体を見るのも今や日常茶飯事。
大量の血と死の臭いが漂う中、一人の幼き黒い髪を乱した少女が倒れている戦士の懐から血に染まった刀や甲冑を拾いまくっていた。
少女の着ているところどころ傷が入っている焦げ茶色の着物を更に足元の所に泥が付着していた。
少女は、血塗れの道具を重々しく抱え、近くにある川でその刀や甲冑に付いている血を洗い流し、再び抱え運ぶ。
戦場と化した三つの村を乗り越えて、歩いて二日もかかるリューガン村にやっとの思いで辿り着いた。
そこは、無法者が集う溜まり場。
前住民達を全て追い払い、蛮族達がその村を占拠し、居すわった。
だからこそここでの商売は、少女に取って格好の売り場なのである。
しかしながら、ここで一つの疑問が浮く。
『何故、少女は無事なのか?』
蛮族が在籍している村にか弱き少女が無事に済む筈などないのに、何故――と。
理由を挙げるのなら、少女自身の強さによるものだ。
そして、その強さの根本にあるものにこそ説明をしたら納得せざるを得ない。
それは、少女が拾った全ての武器を扱える事だ。
生存競争が激しいこの時代に、独り身の少女が生き残る為にありとあらゆる武器、武具や武術を他の人達から盗み独自で習得したからだ。
そして、この村で彼女を知らぬ者はいないと言っても過言ではない。
それ故に彼女に直接手を出す愚か者は存在しない。
それが、彼らに取っての死を意味するからに他ならないからだ。
この世界には古くから伝わる伝説が書き遺されてきた。
『その生涯に一片の敗北はなく、戦に出れば必勝。身体に傷一つなく、その姿は黒き輝きを放つ夜叉の如く、美しき少年である』
か弱い少女に大の男達が束で掛かっても勝てない事から、もしかしたら彼女こそが彼の伝説の者なのではないかと思い始めた者らがいた。
しかしながら彼の伝説が少年であると様々な文献や書物にはっきりと提示されている。
そして、少女もまた違うと自覚していた。
己がそんな大それた存在ではない事を。
■■■■
リューガン村では少量ながらも雨が降り続けていた。
パチャパチャと歩く度に聞こえてくる水溜まりと足裏が弾ける音。
「おい、嬢ちゃん」
世も常であるように無法地帯には、新たな流れ者が訪れる。
「ここは危ない場所だからよ。俺達と一緒なら安心だぜ、へへへ」
下心見え見えで気が引くような笑い声を発する大男と彼の後ろにいる二人の子分達。
そんな今すぐにでも襲い掛かって来そうな目付きを晒す彼らと幾度目か忘れてしまった似たような絡み合いに呆れた表情を浮かべる少女。
「下らない。私は一度たりとも助けを求めた事がない。判ったならそこを退いて。これ、意外と重いんだから」
後ろに抱えている武具を目で示しながら、感情が一切籠っていない声で少女は、素っ気なく大男の提案を一刀両断する。
恐怖も焦りもない少女の曇りなき眼に大男は激怒を覚える。
今まで怯えなかった女などいなかった筈なのに、ましてや十歳も満たない少女にその記録を邪魔させられるとは当の本人も思わなかった。
これ以上ない屈辱を味わった大男は怒りが沸点までに上昇し、背中に抱えていた鉈を取り出した。
「嬢ちゃんが悪いんだぜ。俺様を怒らせなかったら、その年で命を落とす事はなかったのにな~」
村中を歩く人々は、うっすらと大男を嘲笑する。
「止せ、命を粗末にするな」
「何、今更命乞いをしてもこの右手は止まらねぇぞ!!」
「「いいぞ、兄貴。そんなガキ何かぶっ潰しちまえ!!」」
大振りの強烈な一撃。
並みの人なら一溜まりもなかったのだろう。
しかし、少女はクスリと笑みを浮かべ、次の瞬間、鉈が地面に突き刺さる鈍い音が雨音すらかき消して聞こえた。
大男は、状況を理解できず、若干の遅れが生じたものの身体の異変に気づく。
「「あ、あ、兄貴。う、う、腕がぁぁぁ!!?」」
狼狽える二人の子分に大男は恐る恐る自分の腕を見やる。
「ああああぁぁぁ!!俺得様の腕がぁぁ!!」
気を乱す大男。
気絶する程の痛みと腕を失った事実、その二つの現実が合わさって精神的ショックを引き起こす。
少女は、うつ伏せになっている大男を蔑んだ目で見下す。
「これで誰が命を乞う立場なのか判ったろ。もう理解したならさっさと道を譲れ!」
少女が手にしていたのは、彼女が売り捌こうとしていた一本の刀だ。
彼女の太刀筋は見事までに素早く、目で追う事ができなかった。
少女の華奢な身体のどこにそれ程の力が備わっているのか不思議に思う所だが、彼女の実力は本物そのものだ。
自分達の頭が小さき少女に倒される光景を目の当たりにした子分二人は、恐れを成し、少女に道を譲ろうとした、その時――。
「生意気な小娘がぁぁ!!好い気になってんじゃねぇぞぉぉぉ!!」
怒りが頂点まで達し、もう片方の腕で鉈を手に取った大男は、再び少女に襲い掛かる。
「戯けが、貴様の抵抗に何の意味もない事をいつ気づく……」
『あああぁぁぁ!!』と荒れ狂う大男の雄叫び。
最早理性など吹っ飛び、ただ本能のままに従う獣が如く突進する。
少女は、しなやかで最小の動きで大男のもう片方の腕を切り飛ばし、そして、まるで世界が静止したかのように思わせる無駄のない動作で次の一手を加える。
刀を上に掲げ、大男の頭部から胸部、下部へと通し刀を振り下ろした。
次の瞬間、繁吹き雨が血繁吹きに変化した。
肉片と化した大男から吹き出る鮮血を半径二メートルにいる者全員に覆い被さった。
「「兄貴ィィィ!!!」」
子分達は、肉片となってしまった大男の元へ駆け寄る。
少女は、少女らしからぬ冷たい目つきのまま、その場を立ち去った。
降り続ける雨は凄みを増し、豪雨となっていた。
哀れながらも、この雨を見ていると先の大男に涙しているみたいだった。
相手の力量もロクに測れず、身の程を知らずに命を散ってしまった男の最期。
悲しくもこれがこの世界での生き方。
狩るか狩られるかのそんな理不尽で不自由な世界。
覆い被さった返り血も降り続ける雨によって流れ落ちた。
その赤い水滴がぽたぽたと滴り、少女は難しい顔をし、自分の足元を見ながら歩いていた。
「人間に怯える事はない……本当に恐ろしいのは……」
そこで少女は口を塞ぐ。
あの冷静沈着な少女ですら身体がぞっとすさせる存在。
その瞬間――
ドカーン!!!
通常ではあり得ない爆発音。
道端に広がる長い横壁の一部が破壊され、瓦礫と土煙が飛び散った。
少女は衝撃によって尻餅を突いた。
「何だ!」
突如破裂した壁を見詰め、少女は状況を確認する。
土煙が雨によって薄れ、その中から巨大な黒い蟷螂が現れる。
「よ、妖魔!!!」
この世に点在する、少女が本当に恐れる存在、邪悪の念から生み出される妖魔は、その姿形は実に同じものなんて存在しない。
人の不の感情を糧に増殖や成長を繰り返し、力を得る怪物。
少女は、足を竦ませ、か弱い商事に値する素振りを表す。
しかし、滅多に現れない妖魔が何故このタイミングと場所で出現したのか、皆目見当がつかない。
少女は、以前一度だけ妖魔と遭遇した事がある。
それは、三年前の出来事で、少女もまだ六歳の頃に目の前で妖魔が現れ、殺されそうになっていた。
そんな状況から彼女を救った人がいる。
そして、彼の戦い方に感化され、強くあろうと日々努力を重ね、現在に至る。
少女は、怯えながらも前の自分とは違うと証明する為に、蟷螂型の妖魔と一戦を交えた。
「今度こそ倒してみせる!あの人はいないのだから……」
訳有りのある少女は誓う。
目の前の怪物を倒して証明する事を。
妖魔は所謂、悪の化身。
彼らの目的は至ってシンプルで、それは本能に従う事だ。
不の感情にて生み出された怪物が従っている本能とは即ち破壊、滅亡、混沌等々。
あらゆる面で人が持つ憎しみや悲しみ、それらが向けられる先は悲しくもこの世界そのものだ。
妖魔は強く、普通の武人では忽ち返り討ちに逢う。
それ曰く、妖魔に立ち向かえるのは、妖魔らと戦う訓練を生き残った猛者達だけだった。
だが、あろう事に、幾ら特訓を重ねようとも、日々進化し続ける妖魔に敵う者など誰もいなくなった――一人を除いて。
少年が立ち上がった。
誰もが知らない、謎多き少年。
そんな彼が初めて妖魔を倒し、そして救われた村の住民が彼に感謝を表しようとも、いつの間にか姿を消していた。
ボロボロの茶皮のマントを羽織、幾重もの戦場に赴き勝利を収め、またや秘密裏に妖魔を狩っていたお陰で、妖魔に関する被害が最小限までに抑えられてきた。
書物に、文献に、歴史そのものに、彼の勇姿が描かれていても、彼の正体に迫った者などいない。
故に、謎の少年が、伝説となって紡いで来たのであろう。
少女は、あの一件以来、日々鍛練を欠かす事無く続け、恋焦がれるあの人に一歩でも近づけられるよう、そう願ってここまで辿り着いた。
そして、目の前の妖魔は、少女が強くなったのかを判断できる。
妖魔を倒し、それ自体が確固たる証明になり得るからだ。
戦闘は一時間を過ぎ、雨は激しさを増すばかり。
決め手となる一撃を喰らわす事もできず、ゾロゾロと体力だけが消耗していく。
黒蟷螂は、細長い身体で淡々と少女の攻撃をかわし、強固で鋭い鎌で強烈な一撃を何度も打ち続ける。
三年も費やした時間でさえ、妖魔には全く歯が立たない。
「このまま、やっても、私には……」
勝機はない。
それが少女に突き付けられた現実だった。
このまま続ければ、前と一緒だと、前回の二の舞になってしまう。
勝てない事を確信した瞬間、転がっている瓦礫に足を取られバランスを崩してしまう。
その好機を妖魔が逃がす事もなく、最後の一撃を繰り出した。
「シャアアア!!」
ズバッ!!
(ここまでか!)
右腕から切り掛かり、その鋭い鎌だと身体が真っ二つになるのは当然の事だ。
最後の一瞬、走馬灯のように、己の人生が蘇る。
親に見捨てられ、一人孤独に、生きる為に悪事を繰り返した。
食料を盗み、村を通る行商人を襲って金を巻き上げる。
その全ての悪事を働いた己にこの報いは当然訪れるのだと。
全ての行いは己に返って来る。
(正しく、その通りではないか……)
生きる為とはいえ、他の道があったのでは……
今、そう考えてももう遅い。
(もし、叶うのであれば……もう一度、貴方様に会って、お礼をしたかった、な――)
ドーン、と大きな物音がする。
「えっ!?」
少女は言葉に積もる。
一体何が起きたのかと。
「昔と変わらんなお嬢さんは、っと」
颯爽に現れたのは一人の少年だった。
ドサッ!!と黒蟷螂の腕が地に落ちた。
手許には、鈍ら同然の少女が回収した一本の刀。
『無刀の剣士』それが、数少ない少年の異名である。
その理由を知れず、ただ――戦場に赴く際には、必ず手ぶらで参戦していたという記述があったから、そう名付けられた。
だが、少女は初めて、その名の由来を理解した。
戦場に散らばっている刀や槍などの武器を使用して戦う。
「ルーク、まだ、敵、倒して、ない」
そして、無刀の剣士をルークと呼ぶもう一人の薄紫色を帯びた銀髪の少女が遥か後方から忠告を促す。
「ああ、マリー、わーってるよ。胸の内側にある黒結晶を狙えばいいんでしょ」
伝説とは言い難い、騒がしい態度とイメージをぶち壊す口調。
少女が三年前に抱いていた憧れの人は、一体、どこへ消えてしまったのだろうと、どうしても考えてしまう。
「あの」
「ん?」
少女は、それでも聞かざるを得なかった。
少年ルークは、首を傾げながら、視線を少女に向ける。
「えっ、どうしたんだ、お嬢さん?」
「三年前、コバルト村で襲ってきた妖魔から私を助けてくれた事を覚えいるか?」
呆然と、少女の問いを考えながら、点々と時間だけが過ぎる。
そして、提灯が光るように閃く。
「ああ、そうだな、うん、コバルト村ね……お譲さん、そう言えば名前を聞いていなかったね」
あの時は、妖魔を葬り去った後、すぐさま消え去った少年――ルーク。
少女も混乱のあまりに、恐怖のあまりに声を張る力もなく、呼び止める事もできなかった。
「私には、名前など、ない。小さい頃からずっと一人で過ごして、生きてきた、だから私には……」
頭を垂らし、眼を少年から背ける。
「そっか……今までよく頑張ったなお嬢さん。よかったら、俺らと一緒に来るかい?」
少年は、ニコっと笑顔を向け、少女に手を差し伸べる。
「ルーク、敵、後ろ」
「ほへ……」
黒蟷螂の失った筈の腕がいつの間にか復活しており、その鎌で水平切りを行使した。
「うおぉ!!あっぶねぇ~」
髪一つの誤差でルークは、妖魔の攻撃をかわし、切断された数本の髪が風に飛ばされる。
歴史上最強を誇る剣士が慌てふためく姿を傍らの少女が見やる。
(本当に彼が彼の者なのか?)
疑問を抱くのに充分な態度を示すルーク。
しかし、それよりも気になるのが……
(出会った時のままだ)
三年も経っているのに、ルークは全く同じ姿のままであった。
「ルーク、いつも、無用心」
「あ~あ、マリ~、すまんって……今度から気をつけるからさ~」
「嘘、ルーク……これで、三八四回目、マリーの忠告、無視、した」
以前、少女が出会った少年の側には、マリーという娘はいなかった。
まあ、それは単に視界に入らなかっただけなのかもしれない。
現に、彼女は遥か後方に位置していて、そこから微動だにしない。
安全圏内っという所だろう。
「シャァァァーー!!」
黒蟷螂が、体勢を整わせ、きめ細かな動きで加速していく。
眼で追うのもやっとで、更に攻撃を重ねると鎌の動きが捉えられなくなる。
「危ない!!」
少女は叫ぶ。
理不尽なまでの圧倒的強者を前に人間が敵う筈もない。
だが、少女は確かにその眼で見る。
少年が、そんな不条理な光景を笑顔を向けながら挑んでいる事を。
(どうして、笑っていられるの)
これも、狂ったこの世界の一部なのかもしれない。
だが、心のそこから少女は願う。
そんな世の中にいつかなれば良いと……
「お嬢さん、良い言葉を授けよう」
少年は、音速に匹敵する速さの鎌を易々とかわし、再び両断。
黒蟷螂は、体勢を崩し、地面に衝突する。
「恐れることなかれ、諦めずに道を探し続ければ必ずその一つ筋の光が見つかる!!」
次の瞬間、蟷螂の動きが完全に停止する。
「一体、何が起きたの?!」
理解できない少女は、唖然と膝を地につく。
すると、黒蟷螂の胸中心辺りから、黒い光が放たれた。
体内から飛び出て、それをルークがオンボロ刀で二つの切断。
淡い発光を引き起こし、数秒後に消滅した。
同様に黒蟷螂の形を維持していた力が消え、霧のように霧散する。
「き、消えた……」
前代未聞の光景を前に、少女はただただ驚く。
口が開き、力が抜ける。
「よっと!ふぅ~、仕事した~」
「遅い、前のより、十二秒遅れた」
「勘弁してよ、マリー。今回は、速型妖魔だったんだから……慣れてないんだよこっちは」
「むむむ、言い方、ムカつく」
じゃれ合うような会話、二人は随分と親しい仲のようだ。
そして、薄紫色を帯びた銀髪の少女――マリー。
彼女に対して一つの質問を内に秘める少女。
どうやってルークと知り合い、側にい続けられるのだろう、と。
ルークは、少女に向き直る。
「すまんな、お嬢さん。刀、ぶっ壊れてしまった」
妖魔との戦闘で使用したこのオンボロ刀。
粉々に砕かれた刀身、一歩遅ければ、ルークがやられていた可能性があった。
「それなら、大丈夫。それより、助かった。礼を言う」
「いいさ、それよりさ。凄いよ、お前。あの妖魔とさしで戦いを挑んだんだ。もっと胸張っていいよ」
「けど、全然歯が立たなかった……私は、まだ無力で弱いままだ」
ルークは苦笑して、少女の頭を撫でる。
「――っっ!?」
唐突な行動に戸惑う少女。
そして、一人頬をパンパンにしてむくれているマリー。
「無力なんかじゃないさ。お嬢さんは、しっかりと訓練を重ねて強くなっている。三年前とは大違いだ!!」
「本当に、覚えてくれたのか?!」
「勿論さ、にひひ」
ニコッと笑い、ルークは、少女の頭から手を離し、再び手を差し出す。
「それで、どうする?一緒に来るか?」
夢でも見ているかのような光景に少女は実感する。
これは紛れも無い現実だと。
憧れでもある少年と共に行けば、どれだけの幸せが訪れるのだろうか?
盗みを繰り返し、人も殺めた。
こんな血に染まった両手を果たして、ルークの手を握られるのだろうか?
「フレア」
「えっ?」
少女が悩んでいた間に唐突にルークが何かを言い出す。
「お嬢さんの名前。ないのなら作れば良い、そして、フレア。火の如く、燃え上がる強い意志、それから気お嬢さんの赤い眼がピッタリだ。どうだ、凄い名前だろ!!」
「ルーク、名前、安直過ぎ」
「黙ってろ、マリー。これでも考えた方だぞ」
「もしかして、戦闘で時間、掛かったのも……」
「あはは、せいか、い……ま、待て、マリー、それは流石に死ぬから、俺」
「マリー、心配、した。一瞬、ルーク、死ぬ、思った」
この世界での魔法の存在は、正確には確認されていない。
故に、マリーが出現させている火炎球は、極めて希少である。
「フレ、ア……私に、名前……」
少女は、ルークが発した名を口にした。
「うわわわわ、ど、どど、どうした!?俺、お嬢さんを泣かせるような事を言ったか?」
「!?」
言われるまで気づかなかった。
少女は、自分の目尻を擦り、涙しているのに気づく。
ルークは、マリーを完全無視して、少女の元へ駆け寄る。
「大丈夫?」
「ううん、平気。ただ、嬉しく思ったら、涙が……」
「そっか。んで、答えは見つけたか?俺達と一緒に行く事を」
「是非、お願いする!」
眼を輝かせ、少女もとい、フレアは、憧れである彼の伝説の少年――ルークと付添い人の銀髪少女――マリーと共に冒険を始めるのである。