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皇子
「…チッ…邪魔するなよ…」
千夜は、美少年の方を睨み付けて軽く舌打ちをする。
「…君こんなことが許されると思う?」
冷たい顔で千夜を見る美少年。
発した声は、心が凍るほどの低い声だった。
「…僕は悪くない!お母さんが殺せって…!」
美少年が怖かったのか怯えるように言う千夜。
「…だから何?」
冷静に言う美少年。
「…あ、あの…」
「…マリンちゃん…」
「な、何で私の名前知ってるの?」
すると、千夜が怯えながら
「オ、お前は…レイ・アルデス皇子…!」
と言った。
すると、皇子は急に笑い出した。
「アハハッ!大丈夫だよ!僕はなにもしないから!」
「でも何で皇子がここに…!?」
そう聞くと、皇子はコホンと咳をしてから真剣な顔で
「君に真実を教えに来ました…」
そよそよ流れる草。
血の海は、私の心を突き刺さる。
辺りは、真っ暗…さぁ、地獄の始まり-…