12/14
美少年は笑う
「お母さん悲しんでたよ~」
「や、止めてっ!言わないで!」
「だって…」
「千夜!」
「お父さん殺したもんね!」
「…………」
私は、放心した。
キャハハハ!と狂ったように笑う千夜。
すると、いきなり私の目の前に来て
「だからお姉ちゃん殺さなきゃ」
死んだような目…青白い顔…まるで生きてないみたい…
千夜は、私の首にどこからか持ち込んだか分からない刃物を当てた。
「僕だって殺したくないよ…」
「じゃあ…殺さないでよっ…!」
「だってお母さんが…!」
お母さん…?お母さんが私を殺してほしかったの…?
私の冷たい頬に一粒の涙がこぼれた。
冷たい、冷たい涙。
私は、感情を爆発させた。
大量の涙が私の頬に流れる。
「う、ウワァァン!」
「うるせぇ!殺すぞ!」
さっきまでの死神の顔から凄い形相に変えて言う千夜。
刃物が私の方に向かって降ってくる。
もうダメかと思ったとき-…
私の前に堂々と立ち、千夜が降った刃物が顔に当たった。
かばってくれたのか…?
白い顔の美少年は此方を見て笑った。